2024年2月定例会 古堅茂治 懲罰動議への弁明

古堅 茂治

2024/09/03

◆古堅茂治 議員 
 ハイサイ、グスーヨー チューウガナビラ(皆さん、こんにちは)。日本共産党・オール沖縄の古堅茂治です。
 弁明の機会が与えられましたので、私の日本共産党代表質問での発言は、不穏当ではなく、政治資金収支報告書に記載されている事実、真実を述べたものであり、民主政治において、私には懲罰を科される理由が全くないことを明らかにさせていただきます。
 同僚議員の皆さん、市民の皆さん、私は、2月15日の代表質問において、自民党の政治資金パーティーをめぐる巨額の裏金づくり事件、政治とカネの問題、おくま亮後援会の収支報告書への寄附金の不記載問題などについて質問しました。
 本市上下水道局用地の所有権をめぐり、収賄容疑で逮捕・起訴されている久高前議長が代表の自民党那覇市支部から、おくま亮後援会に16万円、山川典二氏に150万円が寄附されていることを、自民党那覇市支部の収支報告書に記載されている事実から明らかにしました。
 また、國場幸之助代議士が代表の自民党沖縄県第一選挙区支部から、おくま亮後援会に35万円が寄附されていることを、自民党沖縄県第一選挙区支部の収支報告書に記載されている事実から明らかにしました。
 そして、おくま亮後援会が両政治団体から受けた合計51万円の寄附金のうち、31万円が収支報告書に記載されていない事実、不記載の事実を、おくま亮後援会の収支報告書から明らかにしました。
 同僚議員の皆さん、市民の皆さん、懲罰を科すべきは、真実を、事実を明らかにした日本共産党の私古堅茂治ではなく、政治資金規正法に反して、不記載を行った方々ではないでしょうか。
 私は、3月4日の懲罰委員会において、現在、国土交通副大臣の國場幸之助代議士が代表の自民党沖縄県第一選挙区支部、逮捕起訴された久高友弘前議長が代表の自民党那覇市支部、おくま亮後援会、山川典二後援会、久高友弘後援会などの収支報告書と、おくま亮後援会発行の6枚の領収書の写しを含む110ページの資料、さらに総務省作成の「政治資金規正法のあらまし」19ページの資料と、不記載の事実などを簡潔にまとめたB4の資料1枚を議員に配付させていただき、弁明を行い、説明をさせていただきました。
 政治資金収支報告書とは、政治団体の収入、支出の総額やこれらの明細などを記載した報告書をいい、毎年12月31日現在で作成されるものです。この収支報告書は、当該政治団体の1年間の収入及び支出の状況等に関する決算書ともいうべきものです。
 収支報告書については、政治団体の会計帳簿に沿って、領収書と突合して作成されるべきものであり、提出に際しては、1件5万円以上、国会議員の政治団体は1件1万円以上の領収書の写しを添付します。
 さらに「この報告書は、政治資金規正法に従って作成したものであって、真実に相違ありません」の押印、署名した宣誓書も併せて、提出することになっています。
 収支報告書は、官報または都道府県の公報、ホームページによって公表されるとともに、収支報告書と添付された領収書の写し、そのものも閲覧または写しの交付の対象となっており、収支報告書は、政治団体の政治資金の収支を国民の前に公開するという法の目的から見て、極めて重要な役割を担うものとなっています。
 同僚議員の皆さん、市民の皆さん、私の2月15日の代表質問での発言は、この収支報告書の記載内容と領収書の写しに照らし合わせて、事実を明らかにしたものです。そのことは懲罰委員会の委員に配付した収支報告書と領収書の写しなどの客観的資料ではっきりと誰でも分かります。
 自民党那覇市支部が、2022年2月25日に沖縄県選挙管理委員会に提出した収支報告書に添付された2021年8月2日の領収書の写しは、宛先が自由民主党那覇市支部様、金額16万円、ただし寄附金として、領収書の発行者は、住所が那覇市具志◎◎番地メゾン◎◎おくま亮後援会と記入されています。
 懲罰委員会の議員の皆さんは、この事実を私が配付した資料、収支報告書に添付された領収書の写しで直接、確認しています。
 私が2月15日の日本共産党の代表質問で指摘した、おくま亮後援会が収賄罪で逮捕起訴された久高前議長が代表を務める自民党那覇市支部から16万円の寄附を受けていた事実、さらに、収支報告書に寄附を記載していなかった不記載の事実が正しかったことは、おくま亮後援会名で発行された16万円の領収書の写しで、明確に証明されています。
 おくま亮後援会の不記載は明白な事実です。後援会名の領収書がありながら、不記載ではないと開き直り、私を懲罰に科すなどとする、理不尽極まることは断じて許せるものではありません。
 同僚議員の皆さん、市民の皆さん、自民党那覇市支部は、私の代表質問から4日後の2月19日に、寄附を受けたのはおくま亮後援会ではなく、奥間亮本人だったと収支報告書を訂正しています。おくま亮後援会名で発行された16万円の領収書の写しが県選管に提出されているのに不思議なことです。
 領収書とは、金銭のやり取りを伴う取引が客観的に存在することを証明するものです。寄附金を渡した側は、領収書が確実に寄附金を支払ったことの証拠となります。
 寄附金を受けた側にとっては、寄附金を受け取ったことを領収書によって証明するものとなります。
 そこで、領収書の発行者、金額、宛先に間違いがあればその場で破棄して正しく書き換えるはずです。これがトラブルを防ぐ最低限のマナーであり、世間の常識です。それなのに、県選管に提出された領収書の写しと違う、別の領収書が存在し、差し替えることは、その政治団体の収支報告書の信憑性と、領収書を書いた政治家自身の信頼性に多くの疑念が生じてくるのは当然の成り行きではないでしょうか。
 6億8,000万円近い不記載が発覚している自民党の国会議員でも、提出した領収書の写しを差し替える政治家は皆無ではないでしょうか。自ら書いた政治家個人名の領収書と、後援会名の領収書が存在するのであれば、政治家個人と後援会が別々に、同じ金額を同じ日に受け取ったと理解するのが、領収書の持つ性格、役割からしても、自然の流れではないでしょうか。
 さらに、私が2月15日の代表質問で取り上げた、國場代議士を代表とする自民党沖縄県第一選挙区支部からの寄附のおくま亮後援会の収支報告書への不記載は、両政治団体の収支報告書を照らし合わせれば、どなたにでも分かる明確な事実です。
 自民党沖縄県第一選挙区支部は、15日の私の代表質問を受けて、これも4日後の2月19日に、2021年9月19日と12月30日のおくま亮後援会への寄附を削除し訂正しています。自民党沖縄県第一選挙区支部は、収支報告書を真実に相違ないと宣誓し、押印、署名して県選管に提出しています。
 その収支報告書で、故意、過失にかかわらず、違う領収書の写しを添付し、その金額を記載したのであれば、結果的に偽造・虚偽記載に当たります。その時点での収支報告書には不記載問題が発生します。訂正がない、2月15日時点の収支報告書に不記載があることは紛れもない事実です。
 事実と違う領収書で収支報告書を作成したのであれば、國場代議士が代表の自民党沖縄県第一選挙区支部の会計責任者、事務担当者、登録政治資金監査人の責任は重大です。本当に領収書を突合して収支報告書を記載したのでしょうか。本当に監査を行ったのでしょうか。代表である國場代議士の市民への説明責任が求められています。
 今問題となっている自民党沖縄県第一選挙区支部と自民党那覇市支部の事務担当者は、なんと同一人物です。政治資金規正法は、政治資金による政治腐敗の防止を図るための法律です。この法律では、政治資金の流れを国民に公開して、国民の不断の監視と批判を仰ぐということを通じて、政治活動の公正と公明を確保し、我が国における民主政治が健全に発達するようにすることを目的としています。
 私が、おくま亮後援会の不記載、逮捕起訴された久高前議長が代表の自民党那覇市支部などの政治とカネの問題を代表質問で明らかにしたのは、市民に疑惑をもたれないよう政治資金規正法を厳格に遵守し、間違いをただしてほしいとの立場からです。
 同僚議員の皆さん、市民の皆さん、今、しんぶん赤旗日曜版のスクープに端を発した、自民党が政治資金パーティーの名で、企業・団体献金を長期にわたって集めながら、主要派閥がそろって政治資金報告書を偽造し、巨額の裏金をつくっていた事件は、前代未聞の自民党ぐるみの違法行為で、底なしの金権腐敗政治です。
 高物価の中、生活を守るために必死になっている国民の皆さん、また、確定申告、インボイス、納税に1円単位の計算を行い、苦労している国民、業者の皆さんを尻目に、暮らしや社会保障を後回しして、裏金づくりに奔走していた自民党議員に対して、国民の批判と怒りは沸騰しています。
 安倍派は、2020年からの3年分で4億2,726万円もの不記載があったとして、政治資金収支報告書を訂正し、5年で6億8,000万円近い不記載を認めています。自民党が、6億8,000万円近い不記載を行っていたことは、政治資金規正法の根本精神をじゅうりんし、民主政治の健全な発達を妨害する組織的犯罪行為です。徹底した真相解明と、企業・団体による政治資金パーティー券購入を含め、企業・団体献金の全面禁止が求められています。
 政治資金規正法は、政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、政治資金の流れを透明化し、民主政治の健全な発達に寄与することを目的とすると明記されています。
 そこで、政治とカネの問題は、国政だけの問題ではありません。地方政治でも、那覇市議会でも、真相を解明して、間違いを正していく必要があります。それが、市民の負託を受け、法令を遵守すべき、私たち議員の務めです。本市議会の基本条例、政治倫理条例にも、法令遵守が明確にうたわれています。
 日本共産党は、その立場から久高前議長が議長室で5,000万円を授受した贈収賄事件について、本会議の代表、一般質問で最も多く追及してきました。私の2月15日の代表質問、2月22日の一般質問は、真相解明、金権腐敗政治一掃を願う市民の思いに応えたものです。
 同僚議員の皆さん、市民の皆さん、那覇地方裁判所では、3月6日、本市の上下水道局の所有権をめぐる贈収賄事件で、収賄罪で逮捕・起訴されている久高前議長らに現金4,500万円を渡したとして、贈賄罪に問われた会社役員の初公判がありました。会社役員は起訴内容を認め、検察側は懲役2年を求刑し、弁護側は執行猶予付き判決を求め、結審し、判決は4月10日に言い渡される予定です。
 検察側は、証拠によって証明すべき事実を明らかにする冒頭陳述で、久高被告が土地の所有権回復に向けて便宜を図るため必要だとして現金5,000万円を要求したとし、元不動産会社代表の男性(同罪で起訴後、死亡で公訴棄却)が、元総会屋の被告(同罪で起訴)に資金提供を求めたと説明した。
 元総会屋の被告からの依頼を受けた会社役員の被告が5億円の報酬ほしさから借り入れで現金を用意し、2021年2月8日に他の被告らと議長室で久高被告に現金を渡したと指摘。議長室で「目の前でしまいます」「ありがとう」と久高被告が話すやり取りなどを録音した一部も証拠として示した。
 また、会社役員の被告は元総会屋の被告らと那覇市内で数回にわたり、久高被告や協力する市議らに対し、議会で市を追及すべきことや質問内容をレクチャーした。百条委員会の設置を急ぐよう求めたとしたと地元紙が報道しています。
 別の地元紙は、検察側は論告で、賄賂の供与後、久高被告からの働きかけを受けた複数の市議によって議会でも土地問題が取り上げられたなどとし、久高被告によって賄賂の趣旨に応じた権限が行使されたと指摘。公務に対する信頼への侵害結果は非常に深刻だと今回の贈収賄事件を評したと報道されています。
 そこで、昨年、10月14日の沖縄タイムスが、久高前議長の証言として、議長で質問できない私の代わりに質問し追及するよう市議3人にそれぞれ頼み、見返りに100万円単位の現金を渡した。現金を渡した議員は、「分かりました」と言ってやってくれた。成功すれば選挙資金だとか理由をつけて、さらに謝礼しただろう。億単位になったかもしれないと、衝撃的な報道内容が正しかったことが、6日の那覇地裁の検察側の冒頭陳述と論告で明らかになっています。
 同僚議員の皆さん、市民の皆さん、久高被告からの働きかけを受けて、協力し、議会で土地問題をめぐり質問をした議員は、今回の公判での検察側の贈収賄事件の立証を受けて、市民への説明責任を果たすべきです。
 また、議会としても議長を先頭に指摘されている贈賄側からレクを受けて質問した議員を明らかにし問いただすなど、真相解明に動くべきです。
 先ほど久高前議長の逮捕の不祥事に関する検証・再発防止に関する報告がありましたが、真相解明なくして、再発防止なしです。
 同僚議員の皆さん、市民の皆さん、今、那覇市議会に求められているのは、久高前議長が絡む贈収賄事件を議会で一番取り上げて追及してきた日本共産党の私古堅茂治を懲罰にかけて、数の力で政治とカネの問題を抑えつけることではありません。
 久高前議長の逮捕起訴で失った議会と議員への市民の信頼の回復を図るためにも、検察が証拠に基づいて明らかにしている議会・議員のかかわってきた事実関係を、自ら事の真相を明らかにすることではないでしょうか。
 上下水道用地問題をめぐり、質問を行った自民党議員は、市民への説明責任を自ら行うべきです。偶然の一致なのか、私が代表質問で取り上げた久高前議長が代表を務める自民党那覇市支部から、この問題で質問した自民党議員に寄附があったことが那覇市支部の収支報告書に記載されています。
 これらの事実を指摘し明らかにした私の質問に恐れをなし、懲罰にかけて抑えようとしたのであれば、民主政治では許されない言語道断の行為です。多くの市民は怒り、議会、議員の真相解明を求めています。
 同僚議員の皆さん、市民の皆さん、収支報告書と領収書の写しなどを照合して明らかにした事実に照らしても、また、政治家と政治団体が厳格に遵守すべき政治資金規正法に照らしても、久高前議長が絡む贈収賄事件の議員の関わりを追及している私に懲罰を科する理由は全くありません。数の力で、威圧で、不記載問題、政治とカネの問題、贈収賄事件の真相解明を抑え込もうとする懲罰動議には道理も大義もありません。良識ある同僚議員と多くの市民から厳しい批判を受けることとなるでしょう。
 私と日本共産党には、多くの市民と県民から、そして全国からも激励が寄せられています。日本共産党・古堅茂治、理不尽な懲罰の脅しに屈することなく、引き続き全力を尽くして真相解明に取組む決意を改めてはっきりと表明させていただきます。
 同僚議員の皆さん、市民の皆さん、皆さんの良識ある御判断を心からお願い申し上げ、私の弁明、反論といたします。ありがとうございました。イッペー ニフェーデービル。

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