2025年2月定例会 我如古一郎 一般質問
◆我如古一郎 議員
ハイサイ、グスーヨー、チュウウガナビラ(皆様、こんにちは)。日本共産党の我如古一郎です。
一般質問を行います。
物価高騰の影響と対策について伺います。
長期にわたって経済の停滞・暮らしの困難が続き、2019年からの消費税10%増税、経済も生活もへとへとに疲弊している。こういうところに物価の高騰が襲っています。ここに今の国民生活の苦しさの特別に深刻な実態があります。暮らしも経済もよくなるという希望が見えないという深刻な状況、閉塞感を打開する抜本的な対策こそ、政府と自治体には求められているのではないでしょうか。
政府の物価高騰対策給付金3万円は一時的に生活困窮を緩和するものであり、4月以降の生活困窮が解消されるものではありません。1月と2月にかけての食料品値上げ品目数と今後の予測、物価上昇率の全国平均と沖縄県の比較、前年2月と比較した上昇率を問います。
○上里ただし 副議長
高宮修一経済観光部長。
◎高宮修一 経済観光部長
お答えいたします。
値上げ品目数については、帝国データバンクの調査結果によりますと、2024年12月の値上げは109品目、2025年2月の値上げは1,656品目となっております。
今後の見通しとしては、現在のペースが続いた場合、前年(1万2,520品目)を上回る1万5,000から2万品目前後に達する可能性があるとされております。
物価上昇率について報道等によりますと、物価の動きを把握する消費者物価指数の上昇率は、2024年の全国平均は2.5%に対し、沖縄県は3.2%、また2023年は全国平均2.8%に対し、沖縄県は3.6%となっております。
○上里ただし 副議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
今年は食料品の値上げが昨年以上に2万品目にも達する可能性が出てまいりました。3月には電気料金、6月には本市の水道料金の値上げも控えています。
急激な物価上昇による市民の暮らしへの影響をどのように認識しているのか伺います。
○上里ただし 副議長
高宮修一経済観光部長。
◎高宮修一 経済観光部長
お答えいたします。
新聞報道によると、物価の上昇に対して実質賃金のマイナスが続いており、賃金が物価上昇に追いついていない状態であることなどから、市民生活において生活費などの負担が増加しているものと認識しております。
○上里ただし 副議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
賃金の引上げが物価上昇に全く追いついていないことは明らかな状況です。
全労連が調査した最低生計費の東京都北区と那覇市の比較、沖縄県民の2023年と24年の2年間の平均所得、全国との比較を問います。
○上里ただし 副議長
高宮修一経済観光部長。
◎高宮修一 経済観光部長
お答えいたします。
全労連が公表している2024年12月時点の最低生計費は、東京都北区が1,664円、那覇市が1,642円となっております。
また内閣府国民経済計算及び沖縄県県民経済計算によると、2023年度発表(2021年度分)の1人当たりの全国平均所得315万3,000円に対し、沖縄県は224万円、2024年度発表(2022年度分)の1人当たりの全国平均所得327万4,000円に対し、沖縄県は224万9,000円となっております。
○上里ただし 副議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
この結果は、東京に住んでいても、那覇市に住んでいても生計費は変わらない。なのに、沖縄県民の所得は異常に少ないということが、今の最低賃金にも表れております。
本市の老齢基礎年金の受給者数と平均受給額及び令和7年度の国民年金の引上げ率、金額を問います。また、物価上昇率と見合っているのか伺います。
○上里ただし 副議長
加治屋理華市民文化部長。
◎加治屋理華 市民文化部長
お答えいたします。
厚生労働省のホームページ統計資料によりますと、令和6年3月末時点で、本市の老齢基礎年金の受給者数は7万3,088人、平均受給月額は5万773円となっております。
また、令和7年度の国民年金額は前年度から1.9%引き上がり、満額の方で月額6万9,308円となっております。
今回の国民年金の引上げ率はマクロ経済スライドの調整が行われたことから、物価変動率2.7%と比較すると0.8%低い状況となっております。
○上里ただし 副議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
答弁にありました、老齢基礎年金の引上げ金額は1,300円程度です。
保護課の課長に伺いましたら、生活保護費の引上げは、単身の75歳以上はたったの420円です。年寄りは食べるなということでしょうか。物価高騰は現役世代も、高齢者の世代にも襲っていることが明らかです。
そこで、各部局横断の物価高騰対策本部を設置し、事業者や市民への影響、実態を把握して、相談窓口の設置をすべきだと考えます。見解を問います
○上里ただし 副議長
堀川恭俊企画財務部長。
◎堀川恭俊 企画財務部長
お答えいたします。
現在、本市では物価高騰含めた市民からの様々な相談などにつきましては、関連する分野ごとに各部局の窓口において実施可能な支援の案内をはじめ、他の公的機関相談窓口への案内など対応を行っているところでございます。
物価高騰対策の一環としまして、各部局を取りまとめる相談窓口の設置などにつきましては、今後の社会情勢の変化を見据え、国、県、他自治体の動向なども踏まえながら、必要に応じ検討していくことになるものと考えております。
○上里ただし 副議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
施政方針では、物価高騰で苦しむ市民の暮らしへの言及が全くありません。あまりにも対策がなさすぎます。決算剰余金や財政調整基金を活用してでも対策する議論はなかったのか。
今後、補正予算での対策や支援を打ち出す考えはないのか伺います。
○上里ただし 副議長
仲本達彦政策統括調整監。
◎仲本達彦 政策統括調整監
昨今の物価高騰による日常生活、企業活動への影響は大変憂慮するところであり、必要に応じて臨機な対応が必要であると考えております。
他方、本格的な対策には多額の財源を要し、これまで本市においても重点支援地方交付金などを活用してきたように、国による財源措置が不可欠であると認識をしております。
時宜を得た対策の必要性については、十分認識をし、留意しつつ、引き続き国や県の動向も注視しながら、状況の把握に努めてまいりたいと考えております。
○上里ただし 副議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
市民の暮らし向きへの思いが伝わらない答弁だと思います。老齢基礎年金の引上げ率は消費者物価指数より少なくて、賃金も上がらない。生計費は東京と同じなのに所得ははるかに低い。
一方で、平均して5万円程度しか受給していない年金。最低賃金が低すぎるのに、消費者物価指数は全国平均より高い那覇市民の生活が苦しくなっているのは当たり前の話であります。
さらなる消費者物価指数が上がることは避けられません。3万円の給付がなかった世帯へも支援してほしいという市民の思いに応える対策は急務だと考えます。しっかり対策を要求いたします。次に移ります。
中小企業対策について。
2024年度の那覇市中小企業振興審議会の答申で、新年度に生かしたい事項と期待される効果を問います。
○上里ただし 副議長
高宮修一経済観光部長。
◎高宮修一 経済観光部長
お答えいたします。
2024年度の那覇市中小企業振興審議会の答申において、多様な提言をいただいております。その中で次年度新たに取り入れたい事項としてオープンデータの推進があり、施策として経済活性化に向けた人流データ活用事業の実施を予定しております。
当該事業で得られたデータを分析し、市民や事業者が活用できるような形で公開することで、市内企業のマーケティング戦略や効率的な販促活動への活用を通して、地域経済の活性化に寄与することが期待されております。
○上里ただし 副議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
住宅リフォーム助成制度や店舗リフォーム助成制度を実施している全国の他の自治体の状況とその目的を問います。
○上里ただし 副議長
浦崎宮人まちなみ共創部長。
◎浦崎宮人 まちなみ共創部長
住宅リフォーム助成制度についてお答えします。
国土交通省のホームページには、地方公共団体が実施する住宅リフォームの支援制度が紹介されており、全国の多くの自治体で住宅リフォームの支援を実施していることが分かります。
県内においては13市町村の住宅リフォームに係る事業等が紹介されており、住宅のバリアフリー化や省エネ化に関する支援として事業を実施しております。
そのうち沖縄市では、経済対策及び良質な住宅ストックの形成を図ることを目的とした補助制度として住宅リフォーム支援事業補助金があり、市内に本社がある法人または市内に事務所を有し、住民登録している個人業者などによる住宅リフォーム工事などを補助要件としております。
○上里ただし 副議長
高宮修一経済観光部長。
◎高宮修一 経済観光部長
店舗リフォーム助成制度の取組状況についてお答えいたします。
他自治体における事例としては、札幌市の集客力アップ事業補助金、大阪市の商店街共同施設等整備支援事業、足立区の小規模事業者等経営改善補助金などがございます。
これら補助事業の目的は、市内の商店街や小規模企業者等を対象とし、店舗改修を支援することで、新たな魅力づくりに向けた中長期的な視点による地域経済の振興発展及び集客力向上を目指すことなどとなっております。
○上里ただし 副議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
再質問します。
住宅リフォーム助成制度は、一人親方の大工さんや工務店の仕事を作って経済の域内循環で経済対策になるとともに、物価高騰で苦しむ市民の支援にもつながります。そのため、所管を経済・商工振興が担っている自治体もあります。
先ほどはまちなみ共創部のほうから答弁ありましたけれども、これまで全く進展がありませんでした。その観点からの質問ですので、どうぞお答えください。
○上里ただし 副議長
高宮修一経済観光部長。
◎高宮修一 経済観光部長
お答えいたします。
本市の地域経済は、中小零細企業等により基盤が構築されており、さらなる経済の活性化を図るためには、域内の好循環化が不可欠であると考えております。
まずは国や他自治体の取組などの情報を収集しながら、調査研究を進めてまいりたいと考えております。
○上里ただし 副議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
この議論を進めていただきたいと思います。
新年度の中小企業振興審議会に、住宅リフォーム助成制度などの実施の効果について諮問をすべきだと考えます。見解を伺います。
○上里ただし 副議長
高宮修一経済観光部長。
◎高宮修一 経済観光部長
お答えいたします。
毎年度、那覇市中小企業振興基本条例の規定に基づき、那覇市における中小企業振興施策の事業評価としての諮問を行っております。
現在、御質問の住宅や店舗等のリフォーム助成に関する施策はございませんが、当該審議会の中で、議員から御提案があったことについて、委員の皆様にお伝えしていきたいと考えております。
○上里ただし 副議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
ぜひ議論をしていただきたいと思います。
審議会が零細企業のリフォーム業や一人親方の大工さん、街の工務店の仕事を作って、経済対策にもなる具体的な支援策として審議をいただくことを強く期待いたします。
次に農業支援と食糧自給について質問します。
日本の食料自給率は既に38%と、先進国の中でも異常な水準にまで下がっています。もっぱら食料の輸入を拡大し、食糧を外国に依存し、社会・経済の基盤である食料自給率を大幅に引き下げ、地方を疲弊させた亡国の農政を抜本的に転換しなければなりません。
第一次産業の果たしてきた役割と本市の取組状況、及び農産物高騰への見解を問います。
○上里ただし 副議長
高宮修一経済観光部長。
◎高宮修一 経済観光部長
お答えいたします。
農業は、食料供給源として人々の生命維持に貢献するとともに、環境保全や生態系の維持、持続可能な社会の実現にも欠かせない産業であります。また、地域経済の発展や雇用創出、文化や伝統の継承、地域コミュニティ形成においても重要な役割を果たしているものと考えております。
他方、農産物の価格が高騰すると消費者の生活費負担が増加し、食品供給における不安定さが生じる可能性もあるものと考えております。
本市では、農業生産の向上及び経営基盤の安定化を図るため、平成7年度から那覇市農業振興補助事業を実施しており、優良農機具、園芸施設被覆資材、緑肥、出荷箱などの購入補助支援に取り組んでいるところでございます。
○上里ただし 副議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
本市の農業に従事されている人数と人口割合を伺います。
○上里ただし 副議長
高宮修一経済観光部長。
◎高宮修一 経済観光部長
お答えいたします。
農業に従事している人数の把握ができなかったため、農家数でお答えいたします。
2020年農林業センサスの農林業経営体調査によると、本市の農家数は72戸で、当時の市全体の世帯数155,473世帯から、世帯に占める農家数の割合を算出すると0.046%となっております。
○上里ただし 副議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
あまりの少なさに、今後がますます心配であります。
農業を基幹産業に位置づけて振興して、食料自給率を引き上げることが求められています。農地のない本市であっても、輸入に依存するだけでは、市民の食糧と安全を確保することはできません。
第5次総計にある「農業振興地域を持たない本市においては、農振地域に居住していることを条件とする各種補助制度が活用できず、他市町村の農家と比べて不利益となっている」という課題を改善するための取組を問います。
○上里ただし 副議長
高宮修一経済観光部長。
◎高宮修一 経済観光部長
お答えいたします。
本市といたしましては、昨年度から、本市農家がどのようなことで困っているのか、どのような支援が必要なのか、JAや本市農業委員会、さらには農家の方も含め意見交換を重ねてまいりました。
意見交換の中で特に要望が大きかったのが、経年劣化や台風等の自然災害を受けた園芸施設の補強など、機能強化の支援でございます。そのため新たに那覇市園芸施設機能強化事業を立案し、今定例会に当初予算として上程しており、農家の方に必要な支援が実施できるよう取り組んでまいりたいと考えております。
○上里ただし 副議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
本市独自の補助制度をもっと拡充すべきです。
通勤農業で頑張っている本市の農業者への支援を問います。
農機具、肥料、飼料、燃料の高騰に対する、農民に対する緊急対策・支援を実施すべきだと思います。見解を問います。
○上里ただし 副議長
高宮修一経済観光部長。
◎高宮修一 経済観光部長
お答えいたします。
那覇市農業振興補助事業において、優良農機具、園芸施設被覆資材、緑肥、出荷箱などの購入補助を実施しております。
次年度は、要望の多い種苗についても支援を行いたいと考えているため、当該事業を拡充することを予定しております。
○上里ただし 副議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
しっかり取り組んででいただきたいと思います。国内外からの輸入に依存した食糧政策では、いずれ第一次産業・農業従事者はいなくなってしまいます。
我が国の食料自給率38%は、先進諸国で最低の異常な水準となっています。そのもとでかろうじて自給してきたのがお米です。その米でさえ生産者の高齢化で自給できなくなる時代が迫っています。お米不足と価格高騰のその根底には農産物の輸入自由化があり、肥料や飼料・種子などの大半が海外に依存し、円高のもとで異常な高騰となっています。
近年の世界的な食料危機が警告するように、食料は金さえ出せば輸入できる時代ではもうなくなっています。食料の海外依存の危うさは明らかです。農地のない那覇市が、消費地として食の安全保障やSDGsのために農業保護をしなければいけないと、強く指摘しておきたいと思います。
次に、世界遺産・特別名勝識名園について質問します。
識名園は、今から226年前につくられた琉球王家最大の別邸で、中国皇帝の使者・冊封使の接待や王家の保養所でありました。国指定特別名勝にふさわしい景観と活用、整備が求められています。
入園者数に占める市民や県民の比率を問います。
市民にも認知され、大切にされて何度も行きたくなる世界遺産へと位置づけを変えるべきです。そのためにも市民の入園料、これを観光客より軽減する二重価格について議論すべきではないか。見解を伺います。
○上里ただし 副議長
加治屋理華市民文化部長。
◎加治屋理華 市民文化部長
お答えいたします。
入園者における市民、県民の比率は明らかではありませんが、旅行者による訪問は大変多い現状と感じております。
識名園の観覧料につきましては、現在、入園料2回分の金額で、1年間何度でも観覧できる年間パスポートや65歳以上の市民の方については、入園料が半額になる割引制度を設けて観覧を促進しております。
本市といたしましても、識名園に市民、県民をはじめ、より多くの皆様が足を運んでいただけるよう、これらサービスの周知、広報に努め、利用促進を図ってまいります。
○上里ただし 副議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
識名園の石畳がでこぼこで歩きにくいとの声があります。石畳の上に歩きやすい歩道を設置してはどうか。観光客の安全や利便性にも有効と考えますが、見解を伺います。
○上里ただし 副議長
加治屋理華市民文化部長。
◎加治屋理華 市民文化部長
お答えいたします。
識名園は沖縄戦で大きな被害を受けましたが、所有者であった尚裕氏による保全や発掘調査等に基づく整備により、往時の姿が保たれております。
園路の石畳につきましても、文書(もんじょ)や発掘調査等で得られた知見を参照しながら、残っていた石畳を活用するなど、戦前の姿に近い形で整備されており、文化的価値の高いものでございます。
本市といたしましては、世界遺産・特別名勝である識名園の姿を後世に伝える責務を果たすとともに、高齢者や障がいのある方など来園者の皆様が安全で快適に園内を回遊できるよう、手法を検討してまいりたいと考えております。
○上里ただし 副議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
県内の他の世界遺産では、歩きやすい遊歩道の設置がされているところがあります。その設置状況と設置理由を問います。
○上里ただし 副議長
加治屋理華市民文化部長。
◎加治屋理華 市民文化部長
県内には識名園を含め、9か所の世界遺産がございます。識名園、園比屋武御嶽石門以外の城跡7か所については、来場者の移動の利便性や歩きやすさを目的に、木道などの歩道が整備されております。
識名園は、県内の世界遺産の中で唯一、特別名勝に指定されており、鑑賞上の価値に重きが置かれている点が、県内の他の世界遺産との違いでございます。
引き続き識名園の価値を守りながら、来園者の皆様が安全で快適に園内を回遊できるよう、手法を検討してまいたいと考えております。
○上里ただし 副議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
国指定特別名勝の庭だからという、そういう思いでありました。
識名園の価値と保存活用について、審議会ではどのような議論がなされているか伺います。
○上里ただし 副議長
加治屋理華市民文化部長。
◎加治屋理華 市民文化部長
お答えいたします。
識名園の保存活用計画につきましては、文化庁調査官の助言のもと、有識者による特別名勝識名園保存活用整備部会で意見をいただいております。
部内においては、識名園の本質的な価値を改めて確認し、その価値を後世に伝えることに主眼を置きながら、御殿や池の環境整備、防災・防火の在り方などについて検討しております。
また、地域と連携し、識名園の活用を図る取組などについても計画に盛り込む予定でございます。
○上里ただし 副議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
識名園の心字池の水質改善状況を伺います。
○上里ただし 副議長
加治屋理華市民文化部長。
◎加治屋理華 市民文化部長
心字池はたびたび藻が発生することから、過去数回水質改善を行っており、直近では令和2年から3年度にかけ池の水を抜き、大規模な浚渫を行っております。
これらの業務により一定の効果は得られたものの、池の底が土であることや日光の影響により藻の自然発生を完全に抑えることができない状況でございます。そのため毎日午前・午後の2回、水面に浮いている落ち葉や藻を取り除く作業を行っております。
今後も日常管理を継続するとともに、池の水の滞留を防ぐなど、よりよい水質となるよう改善に取り組んでまいります。
○上里ただし 副議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
次に識名園駐車場を再整備して、四季折々を彩る花の咲く樹木に植え替えるべきだと、過去にも提案をいたしております。現状と見解を問います。
○上里ただし 副議長
幸地貴都市みらい部長。
◎幸地貴 都市みらい部長
お答えいたします。
駐車場内の高木については健全に生育していることから、今のところ植え替えなど再整備の予定はございません。
議員御提案の彩りの創出につきましては、売店周辺や駐車場園路に市花木であるブーゲンビレアやハイビスカスなどの花木の鉢植えを配置し、エントランスを華やかに演出することを検討しております。
○上里ただし 副議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
今の答弁ですけど、花の咲くものをところどころに置くということは一歩前進だというふうに評価はできるんですが、なにしろ高い樹木が、花の咲かない樹木が周りを覆っている状況は、明らかに殺風景です。この駐車場からぜひ変えていただきたいと、強く要望しておきたいと思います。
私は、地元の住民として識名園をがっかり名勝にはしたくない。その思いで何度も取り上げてきました。特別名勝にふさわしい景観は、見学者が多く来てこそ、その管理にも力が入るものです。見学者というのは市民のことであります。心字池の水質の問題、駐車場が殺風景であること、観光客が見学後は素通りで帰ってしまう問題、地域自治会の識名園との関わり方などであります。
本市の識名園の価値と活用問題について、改めて知念市長はどのように考えているのか伺います。
○上里ただし 副議長
加治屋理華市民文化部長。
◎加治屋理華 市民文化部長
世界遺産の一つである識名園は、県内で初めて特別名勝に指定された琉球王家の別邸庭園です。文化財としての保存につきましては、保存活用計画に基づく整備計画を策定し、段階的に実施してまいります。
また、多様な来園者のニーズに応じた整備や、識名園友遊会など地域主体のイベントをはじめ、地域や売店とも連携したさらなる取組を検討してまいります。
識名園の特別名勝の名にふさわしい景観を維持しながら、多くの皆様が訪れる魅力あふれる文化遺産となるよう、引き続き、保存、整備、活用に取り組んでまいります。
○上里ただし 副議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
市民に「識名園に行ったことがありますか」と聞いたことがあります。10人が全員、場所も知らないという、それほどあまりにも知られておりません。入園料を安くしてでも認知をされ、興味が持てる存在にすべきであります。
首里城の再建に併せて、特別名勝地としてさらなる活用を願っています。ぜひ頑張ってください。
以上で一般質問を終わります。