2020年6月定例会 ワク川朝渉一般質問
[ 令和 02年(2020年) 6月定例会−06月11日-06号 ]
◆湧川朝渉 議員
ハイサイ、日本共産党の湧川朝渉です。
一般質問を行います。
4月8日、国連・子どもの権利委員会が新型コロナ感染症に関する声明を出し、各国政府に対し、子どもの最善の利益という原則を反映した対応を求めました。
主なものとして、1.人権の制限を必要最小限とし、予算の配分でも子どもの最善の利益を確保すること。
1.子どもが休息、余暇、遊びや文化芸術活動に対する権利を享受できる代替措置を創造的に探し出すこと。
1.オンライン学習が不平等を悪化させず、生徒・教員間の相互交流に置き換わることがないようにすること。
1.子どもたちに栄養のある食事が確実に提供されるよう、緊急に措置をとること。
1.脆弱な状況に置かれている子どもの保護などです。
それでは、質問したいと思います。
学校休業の際、学校給食の提供について、見解を伺います。
○桑江豊 副議長
武富剛教育委員会学校教育部長。
◎武富剛 教育委員会学校教育部長
令和2年2月27日に、国からの休業要請があり、那覇市の小中学校は3月3日から3月13日まで臨時休業となったことから、学校給食実施基準第2条により、学校給食は授業日の昼食時に実施されるものとしてしいることから提供いたしませんでした。
○桑江豊 副議長
湧川朝渉議員。
◆湧川朝渉 議員
では、提供できないとした根拠を教えてください。
○桑江豊 副議長
武富剛教育委員会学校教育部長。
◎武富剛 教育委員会学校教育部長
学校給食とは、学校給食法第3条において、学校給食の目標を達成するために、義務教育諸学校において、その児童生徒に対して実施される給食とされ、学校給食実施基準第2条で、授業日の昼食時に実施されるものとしていることから、学校休業日に給食を提供することはできません。
○桑江豊 副議長
湧川朝渉議員。
◆湧川朝渉 議員
しかし、全国の自治体では、学校給食を学校が休業であっても提供している自治体があるというふうに思うのですが、そのこと自体は承知していますか。
○桑江豊 副議長
武富剛教育委員会学校教育部長。
◎武富剛 教育委員会学校教育部長
3月の学校休業時に、茨城県つくば市において給食を、県内の事例においては浦添市が昼食を提供したことを聞いております。
○桑江豊 副議長
湧川朝渉議員。
◆湧川朝渉 議員
では、なぜ、そのような自治体で学校給食が提供できたのか、それについて皆さんから問い合わせなどをしたのでしょうか。
○桑江豊 副議長
武富剛教育委員会学校教育部長。
◎武富剛 教育委員会学校教育部長
つくば市においては、感染防止対策を講じたうえで自主登校を可能とし、給食提供について希望調査を行い、提供を行ったと聞いております。
また県内の事例におきましては、浦添市が、給食ではなく、簡易的な昼食の提供を行ったと聞いております。
○桑江豊 副議長
湧川朝渉議員。
◆湧川朝渉 議員
学校が休業、休みになった場合、子どもたちに栄養のある食事が提供されないことが起きているかもしれないです。
その一つの指標として聞きたいのですが、就学援助の利用状況について、説明を求めます。
○桑江豊 副議長
武富剛教育委員会学校教育部長。
◎武富剛 教育委員会学校教育部長
平成30年度の本市の要保護・準要保護の児童生徒数は小学生が4,797人で、全児童での割合が24.3%、中学生が2,657人で、全生徒での割合が30%となっております。
○桑江豊 副議長
湧川朝渉議員。
◆湧川朝渉 議員
30%を超す児童生徒が給食費の援助、就学援助を利用しています。それから考えても、私は今後、学校を休業する際には、先ほど述べました国連・子どもの権利委員会が新型コロナ感染症に関する声明の中で、子どもたちに栄養のある食事が確実に提供されるよう、緊急に措置をとること。
脆弱な状況に置かれている子どもの立場で、ぜひ学校給食の提供を検討すべきであることを、強く求めて、次の質問に移ります。
PCR検査について質問したいと思います。
日本医師会は5月13日付の報告書で「世界的にも、都市封鎖や緊急事態の発動・解除においては、PCR検査に基づく再生産数がその指標として活用されていると指摘。緊急事態がくり返し発動され、社会経済が疲弊することを防ぐためにも、医療や介護施設などのハイリスク群を保護しつつ、社会経済活動への参加の指標として、PCR検査や抗体検査を参考とすることが望ましいとして、新型コロナと共生していく上で、PCR検査は医療と社会経済を維持するための社会的基盤と認識すべきであると提言しています。
そのうえで、PCR検査が進まなかった最大の理由は、全く財源が投入されていないためとし、地方自治体をはじめ個々の医療機関、企業の自主努力に委ねられて来たと述べ、事実上政府の対応を批判しています。
政府がイニシアチブを発揮して、PCR検査センターをつくるという新しい方針を全国で実行に移すこと、方針転換に魂を入れるためにも新たな予算措置をとることが必要です。その上で、感染を疑われる人が速やかに検査を受けて治療のルートに乗せていくこととともに、病院、介護施設、福祉施設など、とりわけ感染リスクからの防御が強く求められている施設の職員、患者、入所者にPCR検査ができるような体制が必要です。
iPS細胞研究所の山中教授は、同研究所だけでもPCR検査機が30台あり、全国の大学のネットワークを使えば現在政府が目標としている1日2万件をはるかに上回る1日10万件程度の検査が可能だと述べています。
PCR検査センターを大いに増やすことと一体に、採取した検体の検査体制という面でも抜本的な検査拡大は十分可能です。
そこで質問いたします。国の責任で、第2波に備え、院内・介護施設内での集団感染を防ぐために、スクリーニング目的で、医療や介護の従事者や入院患者、介護サービス利用者のPCR検査を行うべきです。当局の見解を伺います。
○桑江豊 副議長
長嶺達也健康部長。
◎長嶺達也 健康部長
新型コロナウイルス感染症拡大予防のためには、PCR検査体制の拡充が必要であり、今後予測される第2波、第3波に備えて関係機関と連携を図っているところでございます。
PCR検査については、行政検査のみでなく、保険適用による民間検査機関での検査等、その機会は徐々に拡大されてきていると認識をしております。
しかし、スクリーニングを目的として検査を実施するには、多くの検体を検査できる体制が必要となるほか、感度、簡便性、迅速性、経済性などが求められますが、現在はまだその体制が整ってございません。
国への働きかけを含め、スクリーニングを目的とした検査については、まだ判断材料が乏しいため、今後の動向をみながら対応してまいりたいと考えております。
○桑江豊 副議長
湧川朝渉議員。
◆湧川朝渉 議員
医師会が言ったように一番手を付けていないのは国の態度なんです。待っていては判断材料というのは、生まれません。やはり世界で行われているような趨勢を見ても、国の責任でPCR検査をやりなさいという意見は、私は保健所を預かる部長として、やはり声を大にして言ってほしいというふうに思います。
次に、新型コロナの流行が、児童養護施設や養育家庭など社会的養護の下で暮らす子どもたちに与える影響を最小限にする必要があります。
緊急事態措置の延長に伴い、学校の休校や保育園の登園自粛も延長され、子どもたちの安全確認が困難になる一方、新たな虐待の発生などで緊急一時保護の必要性が高くなることが想定されます。
児童養護施設を退所した子どもたちについても、平時でも抱えている生活苦や孤独感がより厳しくなっていると思われます。
そこで質問いたします。
母子生活支援施設などの子への支援について、質問します。
コロナ禍で新たな虐待の発生が懸念されます。那覇市の現状と取組を伺います。
○桑江豊 副議長
末吉正幸こどもみらい部長。
◎末吉正幸 こどもみらい部長
新型コロナ禍における児童虐待防止への取組としては、子育て応援課の家庭相談員をはじめ、保護管理課の子ども自立支援員や教育相談課の子ども寄添支援員などで把握している児童について、学校休業期間中もそれぞれの支援員が見守りを行っております。
その手法としては、コロナ対策のため原則としては電話で、必要に応じ直接訪問を行っております。
また、今般のコロナ対策として、国からは子どもの見守り強化アクションプランなどが示されております。
本市としては、それらを踏まえ、こんにちは赤ちゃん事業や育児支援家庭訪問事業について、感染予防に留意した上で事業を継続実施しており、養育に不安を抱える保護者の掘り起こしや、育児支援を通した虐待リスクの軽減に努めております。
さらに学校や保育園に対しては、見守りの依頼を行っており、各機関においては、電話や直接訪問等により見守り活動が実施されたとの報告を受けております。今後とも関係機関と連携をしながら、多層的かつ包括的に子どもたちの見守りを行ってまいりたいと考えております。
○桑江豊 副議長
湧川朝渉議員。
◆湧川朝渉 議員
緊急一時保護の際の感染予防指針を作成し、新規入所児らがPCR検査を受けられるようにすべきです。見解を伺います。
○桑江豊 副議長
末吉正幸こどもみらい部長。
◎末吉正幸 こどもみらい部長
那覇市母子生活支援センターさくらにおいては、母子の入所の際は、国などの感染予防の各種通知等に基づき、マスクの着用や3密を避けるなどの対応をしているところでございます。
なお、新規入所者に対するPCR検査については実施しておりません。入所を含めた施設の感染予防のガイドライン等については、今般のコロナ禍を踏まえ、指定管理者と調整の上、作成してまいります。
○桑江豊 副議長
湧川朝渉議員。
◆湧川朝渉 議員
ぜひ新規入所の際にはPCR検査が受けられるように、その辺もぜひ検討に入れてください。
次に、学童クラブへの補償について、質問します。
内閣府の子ども・子育て本部と厚生労働省子ども家庭局子育て支援課は5月20日、事務連絡とFAQ(よくある質問)を各自治体宛てに発出しました。
よくある質問では、新型コロナウイルス感染症の影響で放課後児童クラブ、学童保育の職員が自宅待機した際の休業補償について、事業所の収入を保障しているとして適切に対応するよう求めています。
内閣府、厚労省の通達について、当局の対応を伺います。
○桑江豊 副議長
末吉正幸こどもみらい部長。
◎末吉正幸 こどもみらい部長
新型コロナ禍の放課後児童クラブにおける対応につきましては、感染状況の変遷に応じ発出された国及び県の通知等を踏まえ、本市においても時宜を逸することのないよう、各クラブに対し、運営や財政支援に関する通知等を行ってまいりました。
財政的な支援としては、国は子ども子育て支援交付金において、午前中からの開所に伴う運営費や人員確保などの児童クラブの経費負担に対応する補助を創設し、本市では、それらを活用し、必要な経費を補助しております。令和元年度分につきましては既に支給を終え、令和2年度分については今後実施してまいります。
なお、通所を自粛した保護者への保育料減免分に係る補助についても今後実施していく予定となっております。
そのほか、児童クラブが感染防止対策のための備品購入等についても補助を行っているところでございます。
○桑江豊 副議長
湧川朝渉議員。
◆湧川朝渉 議員
適切に対応されていることがよく分かりました。ぜひとの立場で今後とも頑張っていただきたいと思います。
次に、介護保険について質問いたします。
新型コロナウイルスの感染拡大は、介護現場に深刻な危機をもたらしています。
感染防止のための休業やサービス縮小を余儀なくされている事業所が相次ぎ、地域の介護の基盤が揺らいでいます。
利用者と家族は、サービス維持への不安を募らせております。介護労働者は感染の危険と隣り合わせの中で、神経をすり減らす日々です。感染防止を図りつつ、利用者に必要なケアを提供するために、在宅介護も施設介護も現場は必死です。
これに対して安倍政権の支援は極めて貧弱なままです。
介護崩壊を食い止めるため、国は財政措置の抜本的な強化を図るべきです。
利用者へのサービス提供を途切れさせず、家族の負担増につながらない措置を早急に強める必要があります。
日本共産党は、介護崩壊を防ぐために、国の責任において、1.新型コロナウイルスに対応した事業所の従事員への特別手当を創設すること。
2.事業所の感染対策の必要経費を補償すること。
3.不足しているマスク、防護服、消毒液などを病院と同様に優先的に提供することなどを強く求めています。当局の見解を伺います。
○桑江豊 副議長
宮城寿満子福祉部長。
◎宮城寿満子 福祉部長
お答えいたします。
介護サービスは、高齢者やその家族の生活を維持する上で欠かせないものであることから、緊急事態宣言期間中においても、介護サービスを継続するよう国や県から求められておりました。
そのためにも、感染症拡大防止に取り組みながら、介護従事者の皆様が安心して働ける環境を確保することが、大変重要なことであると考えております。
本市においては、マスクが不足している事業者には本市の備蓄分や寄贈分を活用し、那覇市医師会と連携しながら一部の事業所へ配布いたしました。
消毒液については、国がメーカーと連携して構築した消毒用エタノール優先供給の仕組みを活用して、本市が購入し、必要としている事業所へ配布を行いました。
新型コロナウイルス感染症に係る様々な補助金や交付金が示されていることから、今後の国の動向を注視し、補助金などを有効に活用し、感染症拡大防止に努めるとともに、高齢者が必要な時に、必要なサービスが安心して受けられるよう、しっかりと取り組んでまいります。
○桑江豊 副議長
湧川朝渉議員。
◆湧川朝渉 議員
緊急事態宣言の後、重症化リスクがある高齢者に感染をまん延させないために、デイサービスやショートステイを休止したり、縮小したりする事業所が増加しています。
その一方で、デイサービスなどで健康・体力を保ってきた高齢者の状態悪化が危惧されております。そのような中、ショートステイ利用者で在宅での介護を成り立たせている家族の負担増は日々日々深刻になっているという状態が全国で起きております。
そこで再質問いたしますが、コロナ禍でショートステイの重要性、必要性が高いとの声が介護現場から多く寄せられております。那覇市での利用状況を伺います。
○桑江豊 副議長
宮城寿満子福祉部長。
◎宮城寿満子 福祉部長
通所介護及びショートステイについては、緊急事態宣言期間中は、感染防止対策を徹底した上で原則事業継続を要請しつつ、感染リスク軽減の観点から、利用者に対しては可能な限りでの利用の自粛をお願いしておりました。
感染症拡大防止を理由に、新規利用者の受け入れを中止したショートステイ事業所が3か所ございましたが、現在では2か所サービスを再開しております。
○桑江豊 副議長
湧川朝渉議員。
◆湧川朝渉 議員
次に、コロナ対応防災計画について質問いたします。
政府の中央防災会議は、5月29日、新型コロナウイルス感染拡大を踏まえ、防災基本計画を修正いたしました。
避難所における密閉・密集・密接、3密を避ける為、避難先としてホテルや旅館の活用を検討するなど、感染症対策を推進することを新たに明記しました。
同計画は、御承知のように災害対策基本法に基づき作成され、都道府県や市町村が作る地域防災計画の基礎ともなります。
修正後の計画では、今回の新型コロナ発生を受け、避難所の過密抑制など感染症対策の視点を取り入れた防災対策を推進する必要があると強調されております。
また、平時から防災担当部局と保健福祉担当部局が連携し、避難所で感染症患者が発生した場合の対応の検討に努めることなども求められております。
新型コロナ以外では、2019年台風19号の発生の時に、東京都台東区の自主避難所を訪れたホームレスが受け入れを断られたことを踏まえ、避難したホームレスは住民票の有無にかかわらず適切に受け入れることなども追加定められました。
また、同年の台風15号で長期停電が問題となったことから、病院など人命にかかわる重要施設では、発災後72時間の事業継続が可能となるよう非常用電源の確保に努めると明記されております。
それでは質問いたします。中央防災会議の防災基本計画の修正に対する、当局の見解を伺います。
○桑江豊 副議長
屋比久猛義総務部長。
◎屋比久猛義 総務部長
お答えいたします。
「避難所における新型コロナウイルス感染症への対応について」の国からの通知を受け、本市では、避難所での過密抑制に関する対策として、ホテルや旅館等の活用の検討や、また自宅療養等を行っている軽症者に対し、保健所と連携のうえ適切な対応を事前に検討することなどについて、那覇市地域防災計画改正の中に新たに明記をしているところでございます。
また、避難所等に避難したホームレスの受け入れにつきましては、本市地域防災計画において、「避難所に収容する者は、災害により現に被害を受け、または被害を受けるおそれがある者とする」と明記しており、住民票の有無に関わらず適切に受け入れるよう対応しているところでございます。
また、市内医療機関における非常用電源の確保状況について、現在、把握できているのは災害拠点病院となっている沖縄赤十字病院のみでございまして、72時間電力が維持できるよう、燃料等も確保しているとのことでございます。
以上です。
○桑江豊 副議長
湧川朝渉議員。
◆湧川朝渉 議員
終わります。
○桑江豊 副議長
休憩します。
(午後1時23分 休憩)
(午後1時24分 再開)