2021年6月定例会 前田千尋 一般質問 議事録

前田 千尋

2021/09/29

◆前田千尋 議員 
 ハイタイ、グスーヨーチューウガナビラ(皆さん、こんにちは)。
 日本共産党の前田千尋です。コロナから市民の命と暮らしを守り、営業を守るために、引き続き力を合わせてまいります。
 昨年から続くコロナ禍で、不安やストレスを抱える方も多くなっています。こうした中、本市のコロナ禍における母子支援について質問いたします。
 1.コロナ禍での相談状況と対応をまずお伺いいたします。

○桑江豊 副議長 
 長嶺達也健康部長。

◎長嶺達也 健康部長 
 お答えします。
 地域保健課で実施した家庭訪問は、令和元年度延べ3,930件、令和2年度延べ2,628件、電話や来所等による相談は、令和元年度延べ1万1,166件、令和2年度延べ9,265件でございました。
 コロナ禍においては、これまでのように予防的な視点で丁寧な相談支援を行うことが困難な状況でございますが、濃厚な支援を要する母子に対しては、医療機関やその他関係機関の協力を得ながら連携して支援を行っております。また、電話相談では不安が解消されない妊産婦に対しましては、保健師や助産師が感染防止に努めながら、訪問による相談支援を実施しているところでございます。

○桑江豊 副議長 
 前田千尋議員。

◆前田千尋 議員 
 コロナ禍で、通常の業務と合わせて保健師の専門性が求められる中、医療機関と連携した支援や訪問の実施は、出産後の女性の不安や悩みを解決し支えていく、孤立させないとても重要な対応です。職員の御奮闘に心から敬意と感謝を申し上げます。
 那覇市では、今年度から対象者が拡大した訪問型の産後ケア事業がスタートいたしました。実施状況をお伺いいたします。

○桑江豊 副議長 
 長嶺達也健康部長。

◎長嶺達也 健康部長 
 産後ケア事業は、家族等から十分な育児支援が得られず、心身の不調や育児不安を抱える母子を対象に、助産師が自宅を訪問し、産婦の身体的回復や心理的な安定を促し、授乳の方法やお風呂の入れ方、スキンケアについてなど具体的な育児方法等の助言を行いながら、母子が地域で健やかに生活できることを目的として平成30年7月より実施しております。
 利用延人数としましては、平成30年度6人、令和元年度28人、令和2年度43人となっており、利用実績は徐々に増えてきております。令和3年度は5月末現在、延べ7人の母子が利用されています。また、母子保健法の一部改正により、令和3年4月より、利用対象が産後4か月までの母子から産後1年以内の母子に拡大をしており、今後、利用人数はさらに増えてくるものと思われます。

○桑江豊 副議長 
 前田千尋議員。

◎前田千尋 議員 
 訪問型の産後ケアの周知方法なんですけれども、こうした需要が増えていく、また対象者も増えましたので、多くの皆さんに知っていただきたいと思います。周知方法はどのように行っていますでしょうか。

○桑江豊 副議長 
 長嶺達也健康部長。

◎長嶺達也 健康部長 
 周知方法としましては、親子健康手帳の交付を受ける妊婦には、手帳の交付と同時にチラシを配布し、併せて産科医療機関と新生児訪問事業を実施する助産師等にも配布し、必要と思われる方に周知できるよう依頼をしております。また、那覇市のホームページにも掲載してございます。

○桑江豊 副議長 
 前田千尋議員。

◆前田千尋 議員 
 しっかりと広報を頑張ってください。
 支援を必要とする方へつながり、子育ての悩みを抱え、サポートを必要とされる女性と家族が、産後ケア事業を活用することで、安心して、毎日の子育てを過ごせますように、皆さんが奮闘していることを高く評価しております。引き続きの取り組みにぜひとも頑張ってください。
 那覇市で行っている妊娠期から出産、子育て期まで、連携して相談できる子育て世代包括支援センターら・ら・らステーションの連携と取組を伺います。

○桑江豊 副議長 
 長嶺達也健康部長。

◎長嶺達也 健康部長 
 本市では、妊産婦及び乳幼児とその保護者を対象に、妊娠、出産、子育てに関する相談先として、地域保健課とこどもみらい課の2か所に子育て世代包括支援センターら・ら・らステーションを開設し、双方で必要な情報を共有しながら相談支援を行っております。
 令和2年度は、コロナウイルス感染症対応のため通常業務を縮小せざるを得なかったことから、保健師による相談支援が十分に行き届かない状況でございました。
 これを補うため、親子健康手帳窓口や乳幼児健診会場においてこどもみらい課が実施しているLINE相談の周知を行い、相談先の確保に努めてまいりました。
 また、こどもみらい課で対応した相談内容に応じて、必要な情報は共有する等の連携を行っているところでございます。

○桑江豊 副議長 
 前田千尋議員。

◆前田千尋 議員 
 本市の子育て世代包括支援センターら・ら・らステーションの取組の特徴の1つは、相談窓口が保健所と本庁舎の2か所の複数に設置したことだと思います。今回のコロナ禍でもその機能が生かされています。今後とも、安心して子育てできる那覇市に向けて、ぜひともら・ら・らステーションの活用と職員の皆さんの御奮闘に期待をしております。ぜひ頑張ってください。私も力を合わせて頑張ってまいります。
 沖縄県の子供の貧困率は、全国に比べて、さらに今回の県の調査では、コロナ禍で苦しい子育て世帯の実態も明らかになりました。玉城県政と城間市政が連携をし、貧困対策は確実に前進していることを高く評価しております。こうした中で、河野沖縄担当大臣は、沖縄の子供の貧困率が高い理由に若年妊娠が引き金などと主張しました。河野大臣の発言に、大きな怒りと憤りでいっぱいです。貧困が沖縄と個々の問題だと責任を押し付けるもので、この発言は絶対に許されません。安心して子育てができる社会の実現は、政治の責任です。見解を伺います。

○桑江豊 副議長 
 長嶺達也健康部長。

◎長嶺達也 健康部長 
 令和2年度に親子健康手帳交付窓口で把握できた若年妊婦は76人で、妊娠届出総数の2.7%となっております。
 若年妊婦のうち63人、83%は18歳以上で、若年妊婦であっても妊婦自身やパートナーが就労しており経済的に自立している場合も見られます。
 妊娠、出産、子育てを希望する全ての女性及び親子が貧困に陥らないようなそんな子育て支援策や、社会環境の整備が求められていると考えております。

○桑江豊 副議長 
 前田千尋議員。

◆前田千尋 議員 
 部長、本当にそのとおりだと思います。
 誰一人取り残さない社会の実現、誰もが安心して暮らせる当たり前の社会を実現すること。そもそも国民が貧困にならないようにすることは政治の重大な責任です。この間、貧困と格差が広がっています。その貧困と格差を生み出したのは、これまでの自民党政治です。こうした無責任な発言は、単に一人の大臣の考えだけだと済ますわけにはいきません。この考えの根底は、政府の考えに根付いているのだと実感しました。改めて、今の政治を変えなくてはいけないと強く思います。
 誰もが安心して子供を産み育てることができる当たり前の社会を、御一緒に実現のために力を合わせてまいりましょう。
 次に、コロナ禍における教育相談支援について質問いたします。
 本市では、子供と家族の悩みや困りごとに、何を必要としているのかを引き出して、必要なサービスへとつなげる子ども寄添支援員が配置されています。
 子ども寄添支援員の取組と相談状況をお伺いいたします。

○桑江豊 副議長 
 武富剛教育委員会学校教育部長。

◎武富剛 教育委員会学校教育部長 
 平成28年度から配置している子ども寄添支援員は、現在コーディネーターが1人、子ども寄添支援員が17人の合計18人おり、各支援員は中学校を拠点に一人3校から4校を担当しております。
 活動状況につきましては、平成30年度の支援世帯数が407世帯640人、令和元年度の支援世帯数が389世帯599人、令和2年度の支援世帯数が354世帯560人となっております。昨年は、コロナ禍で年度当初の4月から5月半ばにかけ、学校休業となったため、学校との情報共有に時間がかかり、支援世帯数が前年度よりは減少しておりますが、コロナ禍においても支援を止めることなく、支援が必要な方に必要な支援が届くよう、継続した活動を行っております。

○桑江豊 副議長 
 前田千尋議員。

◆前田千尋 議員 
 コロナ禍においても支援を継続して行えたことは重要なことだったと思っております。
 さらに、昨年からのコロナ禍で、子ども寄添支援員の活動において、工夫されたことはあるのでしょうか。お伺いいたします。

○桑江豊 副議長 
 武富剛教育委員会学校教育部長。

◎武富剛 教育委員会学校教育部長 
 子ども寄添支援員は、配置当初から毎年、資質向上のため年間15回程度の研修を行っております。
 当初は、スクールソーシャルワーカーとして必要な専門研修が多かったのですが、近年は専門研修のみではなく、必要な支援へつなげるため、各種行政サービスの手続き等についても研修を行っております。
 昨年はコロナ禍で、特別定額給付金や臨時特別給付金等の新しい制度や、対象者の拡充などが行われました。そのため、このような新しい支援制度や手続き等についても研修を行ったところでございます。

○桑江豊 副議長 
 前田千尋議員。

◆前田千尋 議員 
 子ども寄添支援員の方から、当初は就学援助制度の手続きをすることが大変多かったと聞きました。コロナ禍になってからは、子供たちのことだけでなく、その世帯・家族の生活をどうしたらいいのか、何かコロナ禍での支援はないのかという相談がやはり大変多くなったと聞きました。
 寄添支援員が、新たな支援制度を学び、子供たちの環境を整えるために対応していること、重要だと分かりました。支援内容のスキルアップを行いながら、安心して相談することができる環境を作っていることを高く評価いたします。
 今年度については、引き続きどのようになっているのかをお伺いいたします。

○桑江豊 副議長 
 武富剛教育委員会学校教育部長。

◎武富剛 教育委員会学校教育部長 
 コロナ禍で、行政も様々な新制度の創設や救済措置を行っております。困り感を抱えている世帯へ最新の情報提供を行い、医療や福祉など各種関係機関へつなぐため、今年度におきましても、常に新しい情報の取得に努め、感染拡大防止に努めながら支援を行っております。

○桑江豊 副議長 
 前田千尋議員。

◆前田千尋 議員 
 部長、ともに頑張ってください。
 子ども寄添支援員の専門的な役割は、子供たちが安心して学び、成長することができる環境を整えることにあると思います。支援員がこれまでの事例や経験の積み重ねで、相談対応の質の向上をすることが重要ではないでしょうか。
 現場からは、寄添支援員の雇用は、単年度ごとで非正規雇用。SSW(スクールソーシャルワーカー)は、比較的新しい資格で、専門職としては給与も低く、さらに、正規ポストはないので、若い人に勧めにくい。毎年度、次年度はどうなるかと先が見えないまま働くのは本当に大変だとの声も上がっており、継続雇用は課題です。
 寄添支援員が正規職員としての採用を位置づける計画が必要ではないでしょうか。

○桑江豊 副議長 
 武富剛教育委員会学校教育部長。

◎武富剛 教育委員会学校教育部長 
 現在、那覇市の子ども寄添支援員は、スクールソーシャルワーカーとして各学校に配置しておりますが、コーディネーターも含め、18人全てが会計年度任用職員という位置付けでございます。他市町村におきましても、そのほとんどが会計年度任用職員という状況であり、本市でも、全体の職員定数等との関係から、正職員の位置付けは厳しいものと考えております。
 しかしながら、子ども寄添支援員が、福祉の専門職として、困り感を抱えている世帯の課題の緩和を図る上で、今後ますます必要とされる職であることは認識しているところでございます。

○桑江豊 副議長 
 前田千尋議員。

◆前田千尋 議員 
 ぜひ今後の検討をお願いします。
 次に、教育相談室、自立支援教室、学習支援など、コロナ禍での対応と寄添支援員との連携についてお伺いたします。

○桑江豊 副議長 
 武富剛教育委員会学校教育部長。

◎武富剛 教育委員会学校教育部長 
 教育委員会では、不登校等対策として相談室「はりゆん」、学習支援室「てぃんばう」、自立支援教室として「あけもどろ学級」、「きら星学級」、「むぎほ学級」を設置し、那覇市の子供たちや保護者に対し、様々な相談や支援を行っております。
 むぎほ学級は子ども寄添支援員との連携を中心に、その他に関しましては、主に学校との連携により支援につなげております。
 コロナ禍におきまして、今年度も引き続き感染予防対策を徹底し、また電話相談等の対応に切り替える等の工夫をしながら支援を継続しているところでございます。
 昨年度の実績としましては、相談室「はりゆん」来所相談254件、「学習支援室てぃんばう」支援延べ人数74人、「あけもどろ学級」入級者数7人、「きら星学級」支援延べ人数64人、「むぎほ学級」体験学習372回を実施しております。

○桑江豊 副議長 
 前田千尋議員。

◆前田千尋 議員 
 コロナ禍で大変ですが、子供たちのよりどころ、家族のよりどころとして、子供たちの支援に引き続き頑張ってください。応援しています。
 3つ目に中心商店街の活性化について質問いたします。
 公設市場、衣料部、雑貨部の今後についてお伺いいたします。

○桑江豊 副議長 
 末吉正幸経済観光部長。

◎末吉正幸 経済観光部長 
 公設市場、衣料部、雑貨部につきましては、近隣の商業施設の進出、市民ニーズの変化等を踏まえ、令和4年3月末で廃止とする市の方針が昨年度に決定され、施政方針でも示されたところです。
 これを受けまして、事業者への説明や移転補償についての手続きを進めており、現在約7割は契約を終え、承諾済みを加えると8割を超える進捗となっております。
 今後につきましては、年内には補償契約を完了し、令和4年2月末までに各事業者に御退去いただき、平行して公設市場廃止の手続きを進めていく予定となっております。

○桑江豊 副議長 
 前田千尋議員。

◆前田千尋 議員 
 お話が進んでいることが分かりました。
 周辺の店舗や地域の住民の皆さんから、今後この場所の活用への不安と期待の声が両方届いております。周辺店舗の上には住宅があります。夜の騒音などに配慮し、賑わいを創出して人が訪れる場所にしてほしい。中心商店街の回遊性が広がる場所となるように那覇市も一緒に取り組むことが必要ではないでしょうか。今後の活用について伺います。

○桑江豊 副議長 
 末吉正幸経済観光部長。

◎末吉正幸 経済観光部長 
 当該公設市場につきましては、民間所有の土地を賃借して運営しているところですが、令和4年3月末の土地賃貸借契約満了後は、契約の相手方へ建物を有償讓渡する契約となっております。
 したがいまして、譲渡後の建物の活用は新しい所有者において検討がなされるところですが、市としましても、議員御提案があったように、周辺の環境へも配慮した、かつ賑わいに資する運営や活用について、要望してまいりたいと考えております。

○桑江豊 副議長 
 前田千尋議員。

◆前田千尋 議員 
 部長よろしくお願いします。
 次に公設市場の衣料部、雑貨部に付帯する機能についてお伺いいたします。
 雑貨部のパラソル通り側のトイレは、中心商店街のまちなかに公衆トイレを設置してほしいと私も訴え続けて、実現することができました。トイレができて、周辺の商店街の皆さんや中心商店街を訪れる皆さんにも大変喜ばれております。
 また、まちぐゎー案内所ゆっくるが、平和通りの真ん中にあることで、国際通り側から人の流れが引き寄せてきたと喜ばれています。
 地域の案内所の発信や車いすとオストメイトにも対応した多機能トイレ、乳児用の授乳室も併設しており大変重要な施設です。さらに雑貨部の2階にある商人塾は、本市の商業の活性化と地域経済の振興を図るために設置されました。商売をされている方々が一緒に学ぶ場所として実現し、多くの皆さんにこれまで活用されてきました。こうした機能は、引き続き維持し、活用すべきです。
 今後の計画、配置を伺います。

○桑江豊 副議長 
 末吉正幸経済観光部長。

◎末吉正幸 経済観光部長 
 ただいま議員のほうから御紹介いただきましたとおり、まちなか公衆用トイレ、まちぐゎー案内所ゆっくる、商人塾とも重要な施設、機能だと認識しております。
 トイレについては、新しい第一牧志公設市場にも公共的トイレが造られる予定ではございますが、まちなか公衆用トイレの継続利用についても、建物の有償譲渡を受ける所有者に申し送りしたいと考えております。
 また、まちぐゎー案内所ゆっくるについては、現在の場所での継続を含めて検討しているところでございます。
 商人塾につきましては、新しい第一牧志公設市場の3階部分に設置します多目的会議室に同じ機能を引き継ぐ予定となっております。

○桑江豊 副議長 
 前田千尋議員。

◆前田千尋 議員 
 部長、引き続きそれぞれの機能が維持されることが分かり安心いたしました。
 心配されている通り会や商店街の皆さんには、今後の計画が決まり次第、ぜひお知らせをしていただければと思っております。よろしくお願いいたします。
 長年、衣料部、雑貨部で商売をされていた皆さんからは、この場所がなくなることは本当に残念だとのたくさんの声をお聞きいたしました。皆さんのこの思いを受け取って、新たなまちづくりに期待を込め、これからも市民の皆さんとともに取り組んでいきたいと思います。一緒に頑張ってまいりましょう。
 次に、壺屋の伝統文化の継承とまちづくりについて質問いたします。
 国指定重要文化財新垣家住宅については、1998年6月の那覇市議会において、日本共産党の前田政明元県議が、壺屋には古い石垣が良好に残っている道や、歴史的に貴重な伝統文化遺産や、壺屋陶工の由緒ある赤瓦の民家や登り窯などがある。壺屋地域の伝統工芸の里として、貴重なこれらの赤瓦の民家や登り窯などを保存していくことが、文化行政、経済観光行政の立場からも大変重要であると質問して以来、取り上げ続けてまいりました。私も2008年の初当選後、初めての質問から一貫して、この国指定重要文化財新垣家住宅と東ヌ窯(アガリヌカマ)の修繕・修復の緊急の必要性を当時の母屋の裏が崩壊している写真などを議場の皆さんに提示をし、訴えてまいりました。残念ながら、その3か月後に新垣家の東ヌ窯(アガリヌカマ)は連日続く雨により崩壊してしまいました。
 私たち日本共産党は、すぐに新垣家の当主からお話を聞くなど現場を確認し、前田県議と県の教育長へ申入れをする、赤嶺政賢衆議院議員が国会の中でも要請するなどと連携し、国指定重要文化財として新垣家の早急な保存修復をするとともに、その費用は国、県、市が責任を持つべきだと要請し実現することができました。
 そして、いよいよ今年、国指定重要文化財新垣家住宅・東ヌ窯(アガリヌカマ)の修繕、修復事業が完了し、見学施設としてオープンいたしました。地元、壺屋に住む住民の一人として大変期待をしております。今後の計画を伺います。

○桑江豊 副議長 
 比嘉世顕市民文化部長。

◎比嘉世顕 市民文化部長 
 お答えいたします。
 国指定重要文化財、新垣家住宅・東ヌ窯(アガリヌカマ)は、昭和49年まで焼物の焼成が行われていた伝統的な壺屋陶工の住宅形成を知る上で唯一残された貴重な建造物でございます。平成14年の文化財指定当時にはシロアリの被害、登り窯の第2焼成室壁の崩落、その他窯の至るところに亀裂が走るなど破損が著しい状況でございました。
 平成21年には、これまでの老朽化と長雨により、上屋と登り窯の一部が崩落しております。かろうじて登り窯の第6焼成室から第9焼成室が崩落を免れましたが、危険な状況のままでございました。
 そのため、平成21年10月から、国庫、県費、市費補助金を活用し、新垣家住宅所有者の皆様や、壺屋焼の陶工の方と地域の方々で構成されている壺屋東ヌ窯(アガリヌカマ)保存会に保存・修理の在り方について意見を伺いながら、保存修理工事を進めてまいりました。令和元年に施設整備を完了し、その後、一般公開に向けて準備を進め、令和3年2月26日には、本市が、文化財保護法による管理団体の指定を受け、4月3日シーサーの日に一般公開しております。
 今後は、壺屋地域の核となる文化財として広く周知を図り、まちづくりに資する施設として有効に活用してまいりたいと考えております。

○桑江豊 副議長 
 前田千尋議員。

◆前田千尋 議員 
 私も早速、シーサーの日に御一緒に公開を見させていただきました。新しくなった登り窯、そして新垣家住宅に、本当に多くの皆さんが喜んでいらしたのがとてもうれしかったです。
 さて、どのように今後公開をしていくのかお伺いしたいと思います。

○桑江豊 副議長 
 比嘉世顕市民文化部長。

◎比嘉世顕 市民文化部長 
 公開につきましては、基本的に金曜日、土曜日、日曜日及び一部の祝日の午後1時から5時まで行っており、公開に関する管理業務や、来場者への施設紹介、壺屋焼などの説明などをNPO法人那覇市街角ガイドに委託しております。
 開館後、コロナ禍の状況ではございましたが、1日平均約50人の方の入場がございました。今後は、ホームページ等で新垣家住宅について周知を図ってまいる予定でございます。

○桑江豊 副議長 
 前田千尋議員。

◆前田千尋 議員 
 引き続き、コロナ感染が収まったら、ぜひ多くの皆さんに見学に訪れていただきたいと思っております。
 壺屋焼の陶工のお一人でもありますお亡くなりになられました新垣勲さんから生前、私、「窯は生きているんだよ。毎年、窯に火を入れることがとても重要なんだよ」と教えていただきました。
 地元の陶工の皆さんからも、東ヌ窯(アガリヌカマ)は年に1度は、せめて火入れが必要だとお聞きしています。東ヌ窯(アガリヌカマ)への火入れの予定はどうなっておりますでしょうか。

○桑江豊 副議長 
 比嘉世顕市民文化部長。

◎比嘉世顕 市民文化部長 
 東ヌ窯(アガリヌカマ)の火入れにつきましては、今年12月以降に窯内部の湿気を飛ばし、窯全体を焼き絞めるなど、窯を良好な状態で保存する目的で、壺屋東ヌ窯(アガリヌカマ)保存会の協力を得て、ガスバーナーによる火入れ作業を行う予定としております。

○桑江豊 副議長 
 前田千尋議員。

◆前田千尋 議員 
 今回はガスバーナーでしたが、いつかはこの再生したこの東ヌ窯(アガリヌカマ)でぜひとも作品を焼きたいと多くの皆さんの、特にベテランの陶工の皆さんのお声が届いております。ぜひいつか実現できますように研究も行いながら、支援のほうをよろしくお願いいたします。
 次に、昔ながらの建物や井戸、カー(井戸・湧き水)や樹木など、壺屋らしさを残したまちなみを今後、どのように保存、活用していくのかをお伺いいたします。

○桑江豊 副議長 
 幸地貴都市みらい部長。

◎幸地貴 都市みらい部長 
 お答えいたします。壺屋地域には、昔ながらの集落形態やスージグヮー(路地)、御嶽や拝所、ムラガー(村の共同井戸)などの特徴的なまちなみが残されており、本市では、当該地域を都市景観形成地域に指定し、赤瓦屋根や琉球石灰岩の石積み・石張り工事などへ助成を行っております。
 昨年度は、地域にお住まいの皆様に、壺屋地区のあらましや景観形成のイメージをお伝えするとともに、景観助成金をより積極的に御活用いただけるようチラシを作成し、配布をしております。チラシ配布後、地域からのお問い合わせもいただいております。
 今後も、壺屋らしいまちなみの保存や活用について、地域の皆様と取り組んでまいりたいと考えております。

○桑江豊 副議長 
 前田千尋議員。

◆前田千尋 議員 
 (資料掲示)このチラシですけれども我が家にも入っておりました。職員の皆さんが、1件1件訪ねながら丁寧に入れていらっしゃる姿も見て、本当に御苦労なことだなと思いましたが、御一緒にこのまちなみをぜひとも残していくために、力を合わせていきたいと思っております。
 次に、壺屋地域の皆さんの壺屋焼を守る、伝統文化を引き継いでいくという思いが込められた壺屋焼物博物館がございます。そこで市制100周年の企画が行われると聞いております。どのようなものでしょうか。お伺いいたします。

○桑江豊 副議長 
 比嘉世顕市民文化部長。

◎比嘉世顕 市民文化部長 
 お答えいたします。壺屋焼物博物館では、瓦をテーマにした特別展「市制施行100周年記念 がんばれ首里城!復興応援特別展」の開催を本年11月2日から12月26日の期間で予定しております。
 首里城に象徴される沖縄の瓦が、どのような経緯で発達し普及していったかを、東アジアを始めとする国内外の瓦の展示をすることで紹介するとともに、関連シンポジウムなどを開催することで、首里城復興の機運醸成につなげてまいります。

○桑江豊 副議長 
 前田千尋議員。

◆前田千尋 議員 
 貴重な文化財もここで初めて展示されるということで、大変職員の皆さん、専門家の知恵が集まった企画展だと聞いていて大変楽しみにしております。
 多くの皆様が、こうした中、壺屋にも訪れていただいて壺屋を散策する。また焼物博物館を訪れていただいて、100周年の特別記念展にも参加をしていただいて、ぜひとも那覇の未来を一緒に考える機会となるようにしていただければと思っております。職員の皆さん本当に頑張ってください。今後も一緒に頑張っていく決意です。
 私の一般質問を終わります。ありがとうございました。

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