2023年9月定例会 我如古一郎 一般質問
◆我如古一郎 議員
ハイサイ、グスーヨー チューウガナビラ(皆さん、こんにちは)。日本共産党の我如古一郎でございます。一般質問を行います。
初めに、1.SDGsと温室効果ガス削減、農業支援について質問します。
(1)国連のグテレス事務総長は、地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が到来をしたと警鐘を鳴らしています。気候変動の急激な悪化で、全世界で自然災害が頻発し、多くの生命を奪い、被害を与えております。世界・日本・沖縄での深刻な自然災害の頻発を踏まえ、省エネと再エネの推進、ゼロエミッション推進強化が求められています。那覇市における温室効果ガス削減の目標と現状、取組の課題について見解を伺います。
○上里ただし 副議長
儀間規予子環境部長。
◎儀間規予子 環境部長
お答えいたします。
本市では、温室効果ガスを削減する緩和策と地球温暖化の影響への対処として適応策を実施することにより、低炭素なまちづくりの実現を目指す那覇市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)を2015年3月に策定いたしました。当計画の温室効果ガス排出量の削減目標は、2023年度までの短期目標として、基準年度2000年度比5%の削減、2030年度までの中期目標としては2000年度比15%削減を目指して設定しております。直近の2020年度では、基準年度2000年度比で12.4%削減となっており、2023年度までの短期目標は達成しております。
全国的にも民生家庭部門での二酸化炭素排出量が高い傾向があり、本市においても同部門が全体の排出量の約37%を占めていることから、家庭での二酸化炭素排出量の削減が課題となっております。
○上里ただし 副議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
現行の計画は今年度で終わります。次年度からの新しい計画の中で、削減目標をどうしていくのか。残り7年間の取組が地球の未来を左右してまいります。国連の45%削減に向けて充実した計画にすべきです。見解を問います。
○上里ただし 副議長
儀間規予子環境部長。
◎儀間規予子 環境部長
今年度で期限を迎えます那覇市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)でありますけれども、こちらは第2次那覇市環境基本計画と統合した新たな第3次那覇市環境基本計画の策定として現在取り組んでおります。
当計画の期間は、2024年度から2030年度までの7年間で、2030年度の温室効果ガス排出量の削減目標の設定に向けて現在積算している段階でございます。
沖縄県は他の都道府県と比較して大規模な水力発電等がなく、火力発電に頼らざるを得ないという地理的・地形的な再生可能エネルギーの開発に制約があることから、沖縄県は温室効果ガスの排出量の2030年度までの削減目標を基準年度(2013年度)と比べてでありますけれども、26%としております。
本市におきましても、国、県の定めた目標を踏まえ新たな目標値の設定を検討しております。
○上里ただし 副議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
(2)国連IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、2030年までに、温室効果ガスを45%削減し、2050年までに実質ゼロを達成できないと、世界の平均気温を1.5度に抑え込むことができず、仮にこれを達成しても、洪水のリスクにさらされる人口は今の2倍になると警鐘を鳴らしています。2030年までのCO2削減に人類の未来がかかっています。本市は2050年までにCO2排出ゼロの目標を持っているんでしょうか。
日本は再生可能エネルギーの潜在量は電力需要の5倍もあると言われています。公共施設、公共事業、自治体業務でどれだけCO2を削減できるかなど、地方自治体自らの脱炭素化に向けた目標と計画、区域内の脱炭素化の目標と計画という両面での目標と計画を策定すべきです。その実現のために、地元企業と独自の協定、省エネ投資への自治体独自の支援、断熱・省エネルギー住宅へのリフォーム、太陽光発電用のパネルの設置への助成を行うべきです。見解を伺います。
○上里ただし 副議長
儀間規与子環境部長。
◎儀間規与子 環境部長
本市では庁内の省エネ・省資源化、廃棄物の減量化などの取組を推進し、温室効果ガス排出量の削減を目的とした那覇市エコオフィス計画(第5期実行計画)を策定し、また市内の温室効果ガスを削減する緩和策と地球温暖化の影響への対処として適応策を実施することにより、低炭素のまちづくりの実現を目指した那覇市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)、こちらが全体になります。こちらを策定して地球温暖化対策を推進しております。
両計画において2050年度までにCO2排出実質ゼロとするような明確な目標値の設定はしておりませんが、現在策定中の第3次那覇市環境基本計画において、2030年度までの新たな温室効果ガス排出量削減目標を設定することとしております。
また、省エネ投資、断熱・省エネルギー住宅への補助等につきましては、現在、国から外郭団体を通しての補助事業が実施されております。
太陽光発電パネルにつきましては、第三者所有モデルの活用が進んでいる状況も踏まえ、本市におきましても脱炭素の推進に向け地元企業との連携と取組を進めてまいります。
○上里ただし 副議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
那覇市総合計画にSDGsを結びつけるだけではなくて、本気でCO2を減らすための市長の本気度が伝わる政策を打ち出すべきだと私は思います。
日本の食料自給率は38%、主要国で異常に低い水準です。世界の食料危機は、食料の6割以上を外国に依存している日本の危うさを浮き彫りにしております。コロナ禍やロシアのウクライナ侵略、異常気象を要因とする食料品の物価高騰も国民を苦しめています。
食料自給率の現状と農業の果たしている役割について見解を伺います。
○上里ただし 副議長
高宮修一経済観光部長。
◎高宮修一 経済観光部長
お答えします。
食料自給率についてカロリー(供給熱量)ベースでお答えいたします。
農林水産省の概算値では、令和3年度は全国38%、沖縄県32%と、全国平均より低くなっております。また、生産額ベースでは、全国63%、沖縄県52%と、カロリーベースと同様に低い状況にございます。
他方、農業は、地域社会とのつながりや自然環境への好影響のほか、人々が生きていく上で必要な野菜や米、穀物などの農産物の根幹であることを鑑みると、大変重要な役割を果たしているものと認識してございます。
○上里ただし 副議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
台風6号も襲来しました。台風などの災害があっても、農業振興地域がなく補助金が得られない本市の農業者を助けることが必要です。農業を支援することは、都市部の通勤農業に光を当て、農業後継者の育成に大きく寄与し、食料自給率のアップ、地球沸騰化防止、耕作地の減少を食い止めて、県土の保全、防災にも大きな効果があります。
本市の農業の状況と支援強化について見解を問います。
○上里ただし 副議長
高宮修一経済観光部長。
◎高宮修一 経済観光部長
本市の農業の状況といたしましては、市のほぼ全域が市街化区域となっており、また、狭隘な市域のため農地自体が非常に少なく、市内の農業従事者の多くが市外に農耕地を持つ形態となっており、農業の振興促進を目的とする地域、いわゆる農振地域の指定ではないことから、十分な支援が受けられないとの声がございます。
今後、それらの抱える不利性を踏まえつつ、ニーズを的確に把握しながら、本市における支援策を検討してまいりたいと考えております。
○上里ただし 副議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
質問のまとめとして、知念市長の答弁を求めたいと思います。
農業支援は、市民、県民の食料を守る行政の決意でもあります。温暖化防止の取組は、持続できる地球環境を未来の子供たちに残していく待ったなしの課題となりました。市長の本気度が問われますので、所見を求めたいと思います。
○上里ただし 副議長
知念覚市長。
◎知念覚 市長
お答えいたします。
地球温暖化が農業に与える影響ということで、確かに今は負の連鎖に陥っていると思うんですね。そこを我々は正面から向き合っていかなければならない。前々からそうなんですけど、なかなかこれが進まないという根本的な原因があろうかと思っております。
那覇市の場合でも地道に進めてはいますけれども、やはり市民生活で省エネをしていくというのも限界があります。基になるエネルギーの問題というのが大きいと思いますので、今の第3次那覇市環境基本計画をどういう方向でつくっていこうかという議論をしています。その際にやはり事業者としっかりと情報交換しながら、技術革新がどの程度まで来るのかとか、そういうものも見据えた上で正面から当たらないとこの問題は根本的には解決しないだろうというような話までは今させてもらっています。
ただ、当面できることはゼロカーボンアクション、これは私たち市民も含めて少しでも一歩一歩着実に進めることができる。それと両輪で今後対応していって、将来の子供たちに地球をしっかり残していくというお約束をする、お誓いもしたいというふうに考えております。
○上里ただし 副議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
向こう7年間必死に取り組まないと大変なことになる。これが今の現実であります。しっかり取り組んでいただきたいと思います。
次に、台風・防災・停電・断水対策について。
高層市営住宅の停電対策について、台風6号の影響によるエレベーターの長時間停止が多くの市民を苦しめました。真地団地の建て替えではエレベーターの非常用電源の設置をすべきだと思います。見解を問います。
○上里ただし 副議長
浦崎宮人まちなみ共創部長。
◎浦崎宮人 まちなみ共創部長
お答えします。
エレベーター用の非常用電源につきましては、設置及び維持管理に多額の費用を要することや、設置スペースの確保などが課題となっております。
また、法令上の義務づけがない非常用電源の設置につきましては、他の市営住宅や民間住宅での事例が少なく、使用頻度や費用対効果などを考慮して、その必要性を十分検討する必要があると認識しております。
そのようなことから、現在行っている真地市営住宅建替事業におきましては、エレベーター用の非常用電源の設置は予定しておりません。
なお、本市では、近年市営住宅の入居者も高齢化の傾向などもあることから、引き続き導入事例や先進技術などを参考に設置の検討を重ねてまいりたいと考えております。
○上里ただし 副議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
台風がどんどん大きくなって襲来します。新設の場合は必ず設置をしていくことが、私は望ましいと思います。
今回の台風6号でのエレベーターの被害状況を伺います。
○上里ただし 副議長
浦崎宮人まちなみ共創部長。
◎浦崎宮人 まちなみ共創部長
お答えいたします。
台風6号による市営住宅のエレベーター被害状況につきましては、停電や昇降路内へ雨水が流入したことにより、9つの市営住宅で17基に故障が発生し、復旧までに最長で9日間要したものもございました。
○上里ただし 副議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
それだけではなくて、停電で止まったエレベーターも何か所もあるというふうに聞いております。
高層化している市営住宅のエレベーターが止まることは、移動手段をエレベーターに頼っている高齢者、障がい者にとっては死活問題です。
停電しても、非常用発電機を外部から持ち込んで再稼働させることは可能かどうか伺います。
○上里ただし 副議長
浦崎宮人まちなみ共創部長。
◎浦崎宮人 まちなみ共創部長
お答えいたします。
議員御提案の移動式の発電機などによるエレベーターの稼働につきましては、これまで本市でも検討した経緯がございます。
エレベーター製造メーカーからは、電力の安定供給に課題があることなどを理由に、動作保証ができず推奨できないとの意見をいただいております。また、本市の調査においても事例を確認することができておりませんでした。
本市としましては、エレベーター用の移動式非常用電源の導入について、今後も製造メーカーの意見を踏まえながら検討を重ねてまいりたいと考えております。
○上里ただし 副議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
少なくとも停電による断水には備えたほうがいい。非常用発電機が必要だと指摘はしておきたいと思います。
次に、字識名で発生した土砂・擁壁崩落への対応を伺います。
○上里ただし 副議長
當間順子総務部長。
◎當間順子 総務部長
現場の状況は、当該住宅裏の擁壁が幅約7メートル、高さ約5メートルの範囲で崩落しておりましたが、住宅や人身への被害は確認できませんでした。
その後、災害救助法の適用確認のため、市職員で被害認定調査を実施しております。調査結果は、被害が住家に及んでいないことから災害救助法には該当しない旨、住民へ説明をいたしました。
○上里ただし 副議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
モニターをお願いします。
(モニター使用)
犠牲者が出なかったのが幸いだったと思えるぐらい大きな崩れ方です。
2番お願いします。
(モニター使用)
住居に迫っている状況です。
次、お願いします。
(モニター使用)
大きな土のうを応急措置でやっている状況であります。モニターありがとうございました。
災害に遭ったお宅と隣のお宅に話を伺いに行きました。「崩れたときは生きた心地がしなかった。擁壁の応急措置だけでも100万円がかかり、今後再建には莫大な費用がかかる上に今後の大雨が心配だ」と話されておりました。
災害救助法がこうした災害に適用されず、自己責任で終わらせるのはあまりにもふびんであります。県とも連携して市の支援ができないのか伺います。
○上里ただし 副議長
浦崎宮人まちなみ共創部長。
◎浦崎宮人 まちなみ共創部長
お答えします。
現在、このような被害に対する本市独自の補助制度等はございません。また、沖縄県に確認したところ、県においても補助制度はないとのことでした。
本市としましては、現在他自治体の事例について調査研究を行っているところでございますが、所有者が防災や減災を目的とした対策工事を行うことなどに必要となる費用の一部を助成する制度の創設に向けて引き続き検討してまいります。
○上里ただし 副議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
取り組んでいただきたいと要望します。
次に、地滑り危険箇所である市道真地7号の石垣の崩壊の危険性について、現状と対策を問います。
○上里ただし 副議長
幸地貴都市みらい部長。
◎幸地貴 都市みらい部長
市道真地7号は交通量が比較的多く、通学路になっていることから、パトロールにより定期的に石垣の状態や道路に異常がないかを確認しております。
去る8月18日にも石垣の状態を確認しておりますが、石垣のずれやその上部の斜面などに大きな変動は確認されておりません。
異常があった場合には、関係機関と情報を共有し、周辺住民への注意喚起を行い、また、大型の土のうによる石垣の保護や通行止めなどの安全対策を実施するなど、沖縄県や関係機関と協力しながら対応してまいりたいと考えております。
○上里ただし 副議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
この市道真地7号の石垣に関しては、今回で4回目の質問です。石積みの隙間が広がって膨らみが出て、崩壊の危険性は変わっておりません。当局も定期的な観察をしていることは、それを認識してのものと思います。
那覇市道の安全確保のために本市が改修工事をすべきです。見解を問います。
○上里ただし 副議長
幸地貴都市みらい部長。
◎幸地貴 都市みらい部長
市道真地7号沿いに設置されている石垣につきましては個人所有の石垣となっており、基本的には所有者で対策を行っていただくものと考えております。
道路管理者として定期的な観察を行い、異常があった場合には、沖縄県や関係機関との協力を行いながら、大型土のう等による安全対策を実施してまいりたいと考えております。
○上里ただし 副議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
この間も今もそうですが、当局は地主の責任を述べるのみであります。被害が出たときの責任は確実に行政にも問われます。多額の費用がかかるために、この急斜面の石垣を改修するメリットは所有者には全くありません。よって、土地の譲渡も申し出ておられます。
逆に改修して安全の恩恵を受けるのは市民です。市民の安全、生命を守る立場で、改修を行うことを強く要求しておきます。
次に、繁多川二丁目のまつしろ公園に隣接し、松城中学校敷地の地滑り危険箇所の擁壁の改修と市道の改修について対応を問います。
○上里ただし 副議長
幸地貴都市みらい部長。
◎幸地貴 都市みらい部長
まつしろ公園に隣接する市道繁多川7号につきましては、擁壁の一部や側溝の一部において傾きを確認しております。
今後は、関係課と連携をしながら調査を行った上で、必要な対策を検討してまいりたいと考えております。
なお、コンクリート舗装のひび割れなどにつきましては、現地確認を行い必要な補修を行ってまいりたいと考えております。
○上里ただし 副議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
モニターをお願いいたします。
(モニター使用)
現場は首里の金城町が見える高台となっています。
モニター、次お願いします。
(モニター使用)
幅のある擁壁なんですが、かなり傾いています。
次、お願いします。
(モニター使用)
その影響で道路も裂けて、毎年補修される状況となっています。
次どうぞ。
(モニター使用)
側溝の蓋も斜めに押されている状況であります。
モニターを終わります。
早めに対策工事をするようよろしくお願いを申し上げます。
台風による防災対策として関連していますので再質問します。
今回の台風6号で、公園の樹木について隣接している民家への被害状況を伺います。
○上里ただし 副議長
幸地貴都市みらい部長。
◎幸地貴 都市みらい部長
本市が管理する公園の樹木による隣接家屋などへの被害状況といたしましては、大石公園において隣接地への枝落ちや赤嶺緑地での隣接する駐車場への落葉の飛散などがございました。
○上里ただし 副議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
台風のたびに木の枝と落ち葉が飛んできて掃除が大変だと、以前は屋根も壊されたという大石公園の隣の家屋の方から相談がありました。
公園の樹木で隣接家屋に被害を与えないよう樹木剪定を徹底すべきだと思います。見解を伺います。
○上里ただし 副議長
幸地貴都市みらい部長。
◎幸地貴 都市みらい部長
お答えいたします。
本市が管理する公園の樹木の剪定につきましては、公園の維持管理業務を委託している那覇市シルバー人材センターによる目視点検や、隣接住民などからの通報によって、隣地への越境や異常がある樹木を把握し、優先度を考慮しながら造園業者による剪定を行っております。
委託事業者による点検を徹底し、早めに剪定を行うよう鋭意取り組んでまいりたいと考えております。
○上里ただし 副議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
次に、マイナンバーカードについて質問します。
マイナカードに身分証と保険証をひも付けしている他のG7の状況を問います。
○上里ただし 副議長
渡慶次一司市民文化部長。
◎渡慶次一司 市民文化部長
お答えします。
G7各国の状況として、加藤国務大臣は、令和5年7月5日の衆議院特別委員会において、G7各国の状況を申し上げますと、異なる行政分野に共通するいわゆる個人番号制度を有した上で、個人番号を確認できるICチップつきの身分証明書となるカードを健康保険証として利用できるという国は、我が国以外はないということは確認しておりますと発言していると承知しています。
○上里ただし 副議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
答弁を分かりやすく言うと、ドイツ、フランス、イギリスは共通番号を使っておりません。イタリアは共通なのは納税者番号のみで、アメリカは社会保障番号のみが共通で、紙で発行して身分証としては使えないという状況です。カナダは社会保障番号を利用していますが、カード自体は廃止しています。日本のように何にでもひも付けをしようとしている国はG7ではないということです。
個人情報を一つのICカードに集約すると、個人情報の漏えいの危険性や政府による監視社会につながるとして、G7の中では国民の多くが反対をしています。
マイナンバーカードと国民健康保険証、後期高齢者保険証、介護保険証とのひも付け状況と課題を伺います。
○上里ただし 副議長
根間秀夫健康部長。
◎根間秀夫 健康部長
本市におけるマイナンバーカードと国民健康保険証とのひも付けは、令和5年7月19日時点で、被保険者7万3,432人のうち2万5,183人、ひも付け率は34.2%となっております。
後期高齢者医療保険証とのひも付けでは、令和5年7月18日時点で、被保険者3万4,699人のうち9,176人、ひも付け率は26.4%となっております。
なお、マイナンバーカードと介護保険被保険者証では、現在のところひも付けはございません。
課題としましては、ひも付け情報の誤登録等によりマイナ保険証に対する被保険者の不安が高まっていることや、マイナンバーカード取得そのものやひも付けなど、デジタル化への対応が難しい方への対処のほか、保険者ではひも付け情報をリアルタイムで確認できないことなどが挙げられます。
○上里ただし 副議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
再質問します。
要介護者や障がい者は、マイナカードの取得と管理が困難となっており、取得率が低いそうであります。そこに利便性は認められません。見解を問います。
○上里ただし 副議長
宮城寿満子福祉部長。
◎宮城寿満子 福祉部長
要介護者や障がいのある方のマイナンバーカードの取得率については把握してございませんが、介護保険証や障がい者福祉サービスの手続等と同様、マイナンバーカードについても御自身で取得、管理ができる方もいらっしゃれば、家族等支援者の助けを借りて対応する方もいらっしゃるものと考えております。
また、マイナンバーカードが活用できる分野・サービスの状況や、取得した方の活用意向・生活スタイルなどにも左右されるものとの認識でございますので、その利便性につきましても一概に判断できるものではないと考えております。
○上里ただし 副議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
マイナ保険証は5年で更新が必要です。更新を忘れたら無保険扱いになってしまいます。認知症の方や障がい者には、これが大きな壁となってきます。
政府は資格確認書を発行するから大丈夫と言っていますが、国保・後期高齢者保険証はそもそも一年証であり、毎年ひも付けを確認して発送する作業の煩雑さが増大するのではありませんか。作業とコスト増への見解を問います。
○上里ただし 副議長
休憩いたします。
(午後2時22分 休憩)
(午後2時22分 再開)
○上里ただし 副議長
再開いたします。
根間秀夫健康部長。
◎根間秀夫 健康部長
資格確認書等発送事務につきましては、マイナンバーカード所持やマイナ保険証へのひも付け状況の確認、所得情報と自己負担限度額の変更の有無の確認など、発送対象者の選定、抽出、分類作業などの事務負担の増加が見込まれます。
加えて、マイナ保険証のひも付け状況等確認のためのシステム改修費、資格確認書やチラシ、ポスター等の印刷製本費、郵送のための通信運搬費のほか、被保険者本人や御家族、医療機関等からの電話や窓口対応の増加が予想されております。
○上里ただし 副議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
次、再質問の2番目、約7割の国保の加入者がマイナカードにひも付けをしていないのに、政府の言う確認書の発行は意義があるのか伺います。
○上里ただし 副議長
根間秀夫健康部長。
◎根間秀夫 健康部長
資格確認書の発行対象者は、マイナンバーカードによりオンライン資格確認を受けることができない方に対して交付するとしております。具体的には、マイナンバーカードを紛失中や更新中の方、未取得者、マイナンバーカードを保有しているが健康保険証利用登録を行っていない方となり、そのほかにも家族が本人の代理として薬局に薬剤を取りに行く場合などが想定されているところでございます。
資格確認書の発行により、現行保険証の廃止後も医療機関で保険適用を受けることが可能となることから、保険診療の持続性が図られるものと考えております。
○上里ただし 副議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
国保証や後期高齢者保険証滞納者などへの短期保険証の在り方について、納税相談につながるとしてきた当局の説明は、今後どうなるか伺います
○上里ただし 副議長
根間秀夫健康部長。
◎根間秀夫 健康部長
マイナンバーカードと健康保険証の一体化により、国民健康保険税や後期高齢者医療保険料の滞納者に対して交付してきた短期被保険者証は廃止となります。そのため、同保険証の更新の機会を納付相談につなげてきたその手段がなくなることになります。
同保険証廃止後は、現行も行っている電話及び文書等による納付勧奨や納税相談の働きかけをより一層強化し、滞納者との接触の機会を確保できるよう多様な手法を研究してまいります。
○上里ただし 副議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
用意していただいた再質問をもっとしようと思いましたが、時間がありません。
マイナンバーカードはトラブル続きで、資格確認書の同時携帯が求められてまいります。そうであれば紙保険証廃止は必要ない、これが現実ではないでしょうか。ぜひ一緒に国に対して要求していこうではありませんか。終わります。