2024年2月定例会 湧川朝渉 懲罰動議への反対討論

湧川 朝渉

2024/09/03

◆湧川朝渉 議員 
 グスーヨー チューウガナビラ(皆さん、こんにちは)。日本共産党の湧川朝渉です。日本共産党を代表して古堅茂治議員への懲罰動議に反対の立場から討論を行います。
 同僚議員の皆さん、市民の皆さん、民主政治において古堅茂治議員には懲罰を科される理由が全くないことは今日の弁明でも明らかになりました。
 私は今回の反対討論でその懲罰に値しない理由を簡潔に述べたいと思います。
 政治資金規正法は政治資金による政治腐敗の防止を図るために、1948年に議員立法によって成立した法律で、幾度も改正が繰り返されています。この法律では、政治資金の流れを国民に公開して、国民の不断の監視と批判を仰ぐということを通じて政治活動の公正と公明を確保し、我が国における民主政治が健全に発達するようにすることを目的としております。
 政治団体の会計責任者は毎年12月31日現在で、当該政治団体の収入・収支及び資産等の状況について翌年の3月末、国会議員関係者団体については5月末日までに報告することが義務づけられています。
 収支報告書とは、政治団体の収入支出の増額やこれらの明細などを記載した報告書をいい、毎年12月31日現在で作成されるものです。この収支報告書は、当該政治団体の1年間の収入及び支出の状況等に関する決算書とも言うべきものです。
 収支報告書については、12月31日までに作成された会計帳簿に沿って領収書と突合して作成されるべきものであり、提出に際しては1件5万円以上、国会議員の政治団体は1件1万円以上の領収書の写しを添付し、さらにこの報告書は政治資金規正法に従って作成したものであって、真実に相違ありませんの宣誓書も併せて提出することとなっています。
 収支報告書は、官報または都道府県の公報、ホームページにおいて公開されるとともに、収支報告書、添付された領収書の写しそのものも閲覧または写しの交付の対象となっており、収支報告書は政治団体の政治資金の収支を国民の前に公開するという法の目的からみて、極めて重要な役割を担ったものです。
 それでは、重要な役割を担っている収支報告書に基づいて古堅茂治議員の発言が懲罰に当たる理由がないことをここで詳しく説明したいと思います。
 逮捕起訴されている久高友弘前議長が代表の自民党政治支部は、先月2月19日に出資先をおくま亮後援会から奥間亮個人名に訂正しています。奥間亮個人名への変更などで奥間亮議員個人への確認と了解を得ての訂正でしょう。
 ところが、沖縄県選挙管理委員会に提出された領収書では、宛先は自由民主党那覇市支部。金額16万円。ただし寄附金として。2021年8月2日。領収書の発行者は住所が那覇市具志○○番地メゾン○○おくま亮後援会と記入されています。この領収書は、3月5日の総務委員会に出席の全議員がその事実を確認しているところです。
 そこで、2月18日までの収支報告書の正しい記載、おくま亮後援会を2月19日領収書の写しと一致しない奥間亮個人に書き替え、訂正したのは明らかな偽造に当たります。領収書の写しは、開示請求で誰でも入手できることを知らなかったのでしょう。
 自民党那覇市支部の訂正は、この真実の証しとなる領収書の記載と明らかに違います。領収書の写しと照らし合わせれば明白な私文書偽造、政治資金規正法違反、虚偽記載に当たります。
 この虚偽が、古堅茂治議員が本会議で明らかにしたおくま亮後援会の不記載を隠すために、奥間亮個人へ訂正したのであれば、極めて悪質で重大問題となります。政治資金規正法で罰則、罰金の適用対象となる悪質事例に当たるのではないでしょうか。
 古堅茂治議員が日本共産党の代表質問で、おくま亮後援会が逮捕起訴されている久高前議長が代表を務める自民党那覇市支部から16万円の寄附を受けていた事実、さらに収支報告書に添付を記載していなかった不記載の事実が正しかったことは、この領収書の写しで改めてはっきり証明されています。
 この事実の前に懲罰動議に賛成できる議員はいないのではないでしょうか。この重大な偽造問題の真相解明も求められています。
 自民党國場幸之助代議士が代表の自民党沖縄県第一選挙区支部は、先月2月19日に、2021年9月19日、12月30日のおくま亮後援会の寄附を削除し、訂正しています。事もあろうに領収書は2020年の領収書です。領収書と突合して正確な記載が求められ、さらにこの報告書は政治資金規正法に従って作成したものであって、真実に相違ありませんとの宣誓書を提出する政治資金報告書において、とても信じられない、いい加減な記載と領収書の写しの添付となっています。
 国会議員関係の政治団体については、収支報告書を提出するときは、あらかじめ収支報告書、会計帳簿、領収書等について、政治資金適正化委員会の登録を受けた税理士などによる政治資金監査を受けることなどが義務づけられています。
 自民党の國場幸之助代議士を代表とする自民党沖縄県第一選挙区支部も登録政治資金監査人によって会計帳簿や領収書などが適切に保存されているか。金額や日付などに誤りがないかなどを政治資金監査マニュアルに基づき、政治資金監査を実施し、監査報告書が提出されています。
 領収書と突合して正しく記載すれば、記載すべき会計責任者、事務担当者、そして専門の監査役、登録政治資金監査人の3人が領収書の年月日の間違いを見落とす初歩的な重大ミスを犯しています。収支報告書で本当に領収書と突き合わせたのか、本当に監査を実施したのかも疑われます。
 古堅茂治議員が代表質問で取り上げた自民党沖縄県第一選挙区支部からの寄附のおくま亮後援会の収支報告書への不記載は、訂正前の収支報告書です。その時点の収支報告書に照らせば、政治資金規正法違反、不記載に当たります。前年の領収書が添付されていることについては、明らかな偽造、虚偽記載に当たります。これが事の真実です。
 古堅茂治議員の発言が懲罰に当たらないのは明々白々です。懲罰動議を提出した議員、賛成した議員に猛省を求めるものです。
 同僚議員の皆さん、市民の皆さん、自民党那覇市支部の記載の偽造、自民党沖縄県第一選挙区支部の領収書添付の偽造は、誰の目にも明らかです。懲罰を科すべきは、真実を明らかにした日本共産党の古堅茂治議員ではなく、政治資金法に違反し、偽造、虚偽記載を行った方々ではないでしょうか。
 政治資金規正法は、政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、政治資金の流れを透明化し、民主政治の健全な発展に寄与することを目的とすると明記されています。
 そこで、政治とカネの問題は、地方政治でも那覇市議会でも真相を徹底的に明らかにして、間違いを正していく必要があります。それが市民の負託を受け、法令を遵守する議員の務めです。
 日本共産党は、その立場から久高前議長の金銭授受、収賄事件、政治とカネの問題を取り上げて追及してきました。古堅茂治議員の代表質問、一般質問は、金権腐敗政治の一掃を願う市民の思いに応えたものです。
 同僚議員の皆さん、市民の皆さん、最後に那覇市議会のホームページにメール投稿がありました。今回の懲罰に関することなどで、私はこの本会議場で紹介したいと思います。
 「初めまして、お世話になります。問合せ内容と送り先が合っているか分かりませんが、御容赦ください。SNSにて政治資金に関する質問をした市議への懲罰動議が可決されたと知り、新聞等を読みました。今自民党の政治資金不記載の問題は、いくら秘書がやったなどと言い訳をしても、国民は実質、裏金、脱税問題として関心を多く寄せています。自民党をはじめ、全ての政党の会計におかしなところがないか、見直してほしいと思っていますし、おかしなところがあれば追及するのが当然の行いだと思います。その当然の行いをした古堅議員がなぜ懲罰動議にかけられなければならないのでしょうか。心底納得がいかず、怒りすらも感じています。
 不利な質問をしたら懲罰動議にかけ、数の力でねじ伏せる。そんなことが許されるならば、どんな悪事も多数派でいる限り許される。最悪な市政になってしまいます。
 自民党は昨年、批判がさんざん上がっている中で、インボイス制度を施行しました。市民には厳しい帳簿づけや納税を強いておきながら、なぜ自民党には脱税とおぼしき行為が許されるのでしょうか。古堅議員の質問に何らおかしいところはありません。懲罰動議は撤回すべきです。奥間亮市議をはじめ、自民党に所属する議員、その他の政党でも政治に関わる人たちは全員会計をつまびらかにして正してください。私は那覇市民ではありませんが、今多くの国民がこの横暴に怒り、今後、注目しています。正しい判断がなされるよう願っています」。
 これが那覇市議会に寄せられた県民からのメールです。多くの市民、県民の思いを代弁した投稿ではないでしょうか。
 同僚議員をはじめ、市民の皆さん、重要な役割を担う収支報告書と領収書の写しなどを活用して説明し、改めて明らかにした事実に照らしても、また政治家と政治団体は厳格に遵守すべき政治資金規正法に照らしても古堅茂治議員に懲罰を科する理由は全くありません。
 数の力で市議会議員の政治団体の不記載をはじめ、政治とカネの問題の追及を抑え込もうとする懲罰動議には道理も大義もありません。多くの市民からも厳しい批判を受けることとなるでしょう。日本共産党は懲罰の脅かしに屈することなく、政治とカネの問題の真相解明に引き続き全力を尽くしていく決意をはっきりと申し上げます。
 不記載問題もまだまだあります。引き続きしんぶん赤旗と協力して暴露してまいります。良識ある議員の皆さんの御判断を心からお願いを申し上げます。
 これで懲罰動議に対する反対討論といたします。

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