2024年9月定例会 上原安夫 一般質問

上原 安夫

2024/11/27

◆上原安夫 議員 
 ハイサイ、チューウガナビラ(皆さん、こんにちは)。日本共産党の上原安夫です。発言通告に基づき一般質問を行います。
 初めに、教育行政について質問します。
 教職員の長時間過密労働は、このままでは学校がもたないという危機的な状況となっています。那覇市だけでなく、全国共通の深刻な実態です。現状を放置すれば過労死と教員不足をますます悪化させるだけです。
 その中で、8月末に、質の高い教師の確保のための環境整備についてという中央教育審議会の答申が出ました。
 この答申は、現場の教職員の声に応え、抜本的改革につながるものなのかどうか見解を伺います。

○上里ただし 副議長 
 比嘉真一郎教育委員会学校教育部長。

◎比嘉真一郎 教育委員会学校教育部長 
 お答えいたします。
 令和6年8月に中央教育審議会から答申された、「「令和の日本型学校教育」を担う質の高い教師の確保のための環境整備に関する総合的な方策について」において、学校教育における働き方改革のさらなる加速化や学校の指導・運営体制の充実、教師の処遇改善の具体的な取組の推進について提言されております。
 これらの取組により教師を取り巻く環境を整備することで、質の高い学校教育の実現に寄与するものと考えております。

○上里ただし 副議長 
 上原安夫議員。

◆上原安夫 議員 
 今教員不足と教員の苛酷な働き方は大きな社会問題になっています。
 教職員の大きな要求は、授業の持ち時間数の上限を定め教員の基礎定数を増やすこと、そして残業代不支給制度の廃止に取り組むことです。いずれも法の改正と予算が必要です。
 それに対して答申はゼロ回答ということで、多くの皆さんから期待外れという評価です。これでは日本の教育の前途が危惧されます。
 現在の教員不足について、全国の事例の一例ですが、先生が育休などに入り、代わりの先生を幾ら探しても見つからない、免許保持者の名簿に片っ端から当たる、ついには他県のつてを頼って電話をしても見つからない。70歳代、80歳代の退職教員に声をかけるときもある。誰も見つからなければ教員空席のまま教頭などが授業に入る、大変深刻な実態だと痛感します。
 那覇市の産休・育休を取得した教職員数について、5年前との比較を伺います。

○上里ただし 副議長 
 比嘉真一郎教育委員会学校教育部長。

◎比嘉真一郎 教育委員会学校教育部長 
 産休を取得した教職員数につきましては、令和元年度62人、令和5年度56人となっており、比較すると6人減となっております。
 また、育休を取得した教職員数につきましては、令和元年度59人、令和5年度75人となっており、比較すると16人増となっております。

○上里ただし 副議長 
 上原安夫議員。

◆上原安夫 議員 
 次に順番を変えて(6)不登校の児童生徒数について伺います。

○上里ただし 副議長 
 比嘉真一郎教育委員会学校教育部長。

◎比嘉真一郎 教育委員会学校教育部長 
 不登校児童生徒数は、令和3年度、小学校421人、中学校561人、総数982人、令和4年度、小学校575人、中学校728人、総数1,303人、令和5年度は速報値となりますが、小学校657人、中学校894人、総数1,551人となっております。

○上里ただし 副議長 
 上原安夫議員。

◆上原安夫 議員 
 不登校は増加傾向にあり、教職員の働き方がひどくなるにつれ、子供も学校に耐えられなくなり、不登校が増えているとの指摘があります。
 また、学校現場で苛酷な働き方が原因で早期にあるいは中堅になって退職することが常態化している。定年まで在職することがまれ、これがなければ多くの先生が学校に今でもいるはずと報告する専門家の声もあります。
 那覇市で定年前に退職した数と、そのうち40歳以上の退職者数について5年前との比較を伺います。

○上里ただし 副議長 
 比嘉真一郎教育委員会学校教育部長。

◎比嘉真一郎 教育委員会学校教育部長 
 教職員の定年前に退職した数につきましては、令和元年度22人、令和5年度15人となっており、比較すると7人減となっております。そのうち40歳以上の退職者数は、令和元年度14人、令和5年度13人となっており、1人減となっております。

○上里ただし 副議長 
 上原安夫議員。

◆上原安夫 議員 
 理由は様々でしょうが、昨年度だけでも退職者15人中13人が40歳以上、中堅になってからの退職ということが分かりました。
 次に、メンタルヘルス不調による病気休職数について5年前との比較を伺います。

○上里ただし 副議長 
 比嘉真一郎教育委員会学校教育部長。

◎比嘉真一郎 教育委員会学校教育部長 
 メンタルヘルス不調による病気休職者数は、令和元年度25人、令和5年度47人となっており、比較すると22人増となっております。

○上里ただし 副議長 
 上原安夫議員。

◆上原安夫 議員 
 メンタルヘルス不調による病気休職者数について、過去と現在の状況を比較できる全国の状況について伺います。

○上里ただし 副議長 
 比嘉真一郎教育委員会学校教育部長。

◎比嘉真一郎 教育委員会学校教育部長 
 文部科学省が実施しております公立学校教職員の人事行政状況調査の結果において、全国公立小中学校のメンタルヘルスによる病気休職者数は、平成24年度3,692人、令和4年度4,778人となっており、比較すると1,086人増となっております。

○上里ただし 副議長 
 上原安夫議員。

◆上原安夫 議員 
 全国では12年前と比較して約1,000人も多く休職しています。病気休職者が年々増え続けていることは、現場が苛酷であることを物語っているし、もしこの5,000人近くの離脱がなければ、この先生方が生き生きと働いていたら、教員不足につながることはなかったのではと考えます。
 異常な長時間労働を野放しにする、残業代不支給という1971年に自民党が強行した公立学校教育職員給与特別措置法の廃止という要求に対して、今回の中央教育審議会の答申は、残業代を支払うことは適当でないと述べ、長年の運動と現場の声に背を向けています。
 定額働かせ放題と言われるこの制度の廃止が強く求められています。そもそも残業代は割増し賃金が義務づけられ、労働時間を抑えるための世界共通の制度です。教職員に残業代が支払われれば年間で9,000億円、ただし教職員は残業代がほしいのではありません。長時間労働に歯止めをかける労働基準法どおりの制度、まともな労働条件が欲しいのです。その下でこそ教育の専門家としての力がより発揮されるのではないでしょうか。
 次に、教職員の残業を含む平均勤務時間を伺います。

○上里ただし 副議長 
 比嘉真一郎教育委員会学校教育部長。

◎比嘉真一郎 教育委員会学校教育部長 
 本市立小中学校の令和5年度における教職員の1日当たり平均勤務時間は、出退勤システムによる打刻情報を集計したところ、小学校で約9時間15分、中学校で約9時間33分となっております。

○上里ただし 副議長 
 上原安夫議員。

◆上原安夫 議員 
 次に、小学校において授業時数について伺います。

○上里ただし 副議長 
 比嘉真一郎教育委員会学校教育部長。

◎比嘉真一郎 教育委員会学校教育部長 
 小学校の年間標準授業時数は学校教育法施行規則で定められ、1学年は850時間、2学年は910時間、3学年は980時間、4学年以上は1,015時間となっております。
 例えば4学年以上の標準授業時数である1,015時間を年間35週で計画すると、週当たり29時間となります。さらに週29時間を平日の5日間で計画すると、4日は6校時、残り1日が5校時ということになります。

○上里ただし 副議長 
 上原安夫議員。

◆上原安夫 議員 
 教職員の働き方について、以前は1日8時間労働に収めるために、小学校の場合、1日4時間を授業に充て、残り半分の4時間を授業準備その他の仕事をするルールでした。
 今は8時間のうち6時間が授業、給食時間などを含め勤務時間のほとんどが授業になり、多くの仕事を時間外にやらざるを得なくなる現場の状況があります。このことが長時間労働を生む原因との指摘があります。
 以前のように1日4時間の授業に戻すための教員の基礎定数を増やしてほしい、組合や現場から上がっているこの声に応えることが何より重要で、解決への道です。
 日本共産党の試算では、1日4時間の授業にするためには、小中学校で全国9万人の基礎定数が必要です。これは1校当たり平均3人の正規教員が増えることになります。この基礎定数増の要求は、多くの人々の支持を広げて、社会の各方面に広がっています。
 2023年に全国連合小学校校長会が喫緊の課題は、教員一人当たりの授業の持ちコマ数である定数の改善を図り、授業の持ちコマ数軽減を進めていく必要がある。同じく、前日本中学校校長会が教師の本務である授業と授業準備に要するための時間を勤務時間内に設定するため、教員定数の改善を図ると要望しています。
 そこで再質問です。那覇市も教員の人員増について県や国に要望を出しているのか伺います。

○上里ただし 副議長 
 比嘉真一郎教育委員会学校教育部長。

◎比嘉真一郎 教育委員会学校教育部長 
 本市といたしましては、県市町村教育委員会連合会を通して、教職員の適正配置について沖縄県知事や沖縄県教育委員会教育長に対し、継続して要請を行っているところでございます。

○上里ただし 副議長 
 上原安夫議員。

◆上原安夫 議員 
 那覇市も正規の教職員大幅増員のため、共に頑張っていきましょう。
 中央教育審議会は正規の教職員の大幅増と残業代の支給を否定しています。そこには、軍事費は倍増しながら教育予算を増やさない政府の姿勢があります。私は政治を変えることが今何より大事になっていると痛感します。政治を変えることが教職員の過酷な働き方を変え、子供の教育をよくしたいとの願いに応えることだと述べ、次の質問を行いす。
 次に、コロナ後遺症が原因で長期に登校できない児童・生徒数について伺います。

○上里ただし 副議長 
 比嘉真一郎教育委員会学校教育部長。

◎比嘉真一郎 教育委員会学校教育部長 
 教育委員会は、コロナ後遺症が原因で長期に登校できない児童生徒数については、把握してございません。

○上里ただし 副議長 
 上原安夫議員。

◆上原安夫 議員 
 これは、しんぶん赤旗で報道されたある中学生の1例ですが、2年生の夏休みにコロナに感染し、症状は軽かったそうですが、その後ひどい倦怠感に襲われ、朝起きられなくなり不登校になりました。2年生の時、後遺症で休んだ時は5類への移行前で出席停止で休めていたのが、今は欠席扱いになり進級が難しくなると学校との関係で不安に悩まされているとのことでした。
 この件で文部科学省は、昨年の国会でコロナ後遺症の子供について、校長の判断で出席しなくてもよいと認めた日として欠席扱いにしない対応が可能、日数について上限は設けていないと答弁、全国の学校への周知徹底を図りたいと述べています。コロナは繰り返し感染の波が予想されます。後遺症が原因で学校を休まざるを得ない児童・生徒が今後出る可能性があります。その時には機械的な欠席の扱いではなく、児童・生徒に寄り添った対応をよろしくお願いします。
 次に、福祉行政について。
 緊急通報システム事業の概要について伺います。

○上里ただし 副議長 
 當山忠彦福祉部長。

◎當山忠彦 福祉部長 
 緊急通報システム事業は、慢性疾患などがあり、生死に関わる危険性が高い65歳以上の独居高齢者などや65歳未満の重度の障がいがある方などに対し、緊急時通報装置を配付し、体調不良時などの緊急事態になった時に、この装置を使って受託事業者に通報することで、家族などの協力員への連絡や救急車両の手配など、迅速に対応する環境を整備するものです。
 利用者からの通報以外に、月1回の定期コールによる安否確認も行っております。
 令和6年7月末時点の利用実績は、独居高齢者などについては、シルバーハウジング62世帯、一般住宅74世帯の利用登録があり、4件の通報による救急車出動や20件の健康相談などがございました。重度の障がいがある方などについては、5人の利用登録があり、機器点検のためのテスト通報1件のほかは、協力員対応を要する通報はございませんでした。

○上里ただし 副議長 
 上原安夫議員。

◆上原安夫 議員 
 体調不良の時だけでなく、月1回の安否確認も行い、高齢者の命を守る大事な事業です。ところが当事者である高齢者の皆さんから緊急通報システム事業そのものがよく知られていない。自分がその対象なのかも知らないとの声があります。この事業の周知について伺います。

○上里ただし 副議長 
 當山忠彦福祉部長。

◎當山忠彦 福祉部長 
 事業の周知につきましては、市ホームページへの掲載のほか、ちゃーがんじゅう課では、窓口で配布している、介護保険べんり帳や、事業の申請窓口である地域包括支援センターにおいて、相談を受けた際、事業対象と思われる方に案内しております。
 また、障がい福祉課では、身体障害者手帳などの所持者へ、障がい福祉のしおりを配布し周知に努めております。必要としている方に事業が行き渡るよう、引き続き、様々な媒体を通じて周知を図ってまいります。

○上里ただし 副議長 
 上原安夫議員。

◆上原安夫 議員 
 必要な人に行き渡るよう、引き続き頑張ってください。
 次に、道路行政について。古蔵小学校と国場県営住宅近くの三叉路の安全対策について伺います。

○上里ただし 副議長 
 幸地貴都市みらい部長。

◎幸地貴 都市みらい部長 
 お答えいたします。
 市道国場6号と国場7号が交差する三叉路の安全対策につきましては、警察による一時停止の規制標示が設置されたことから、事故の抑制効果が期待できるものと考えております。
 他方、国場6号は、小学校や学童施設が隣接するなか、真玉橋方面から古波蔵方面への抜け道として車両速度が速くなる傾向があるため、路面標示などによる注意喚起の設置を含め、安全対策について検討を行ってまいりたいと考えております。

○上里ただし 副議長 
 上原安夫議員。

◆上原安夫 議員 
 この三叉路は通学路でもあり、地域住民や自治会の皆さんは子ども飛び出し注意の看板を何枚も張り出し、通行する運転手の皆さんに注意喚起を行っています。地域の皆さんからは、いつ人命に関わる事故が起きるか、大変心配されていましたので、今回質問させていただきました。
 引き続き十分な安全対策が図れるよう、取り組んでいただきますよう要望して私の質問を終わります。

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