2024年11月定例会 上原安夫 一般質問
◆上原安夫 議員
ハイサイ、チューウガナビラ(皆さん、こんにちは)。日本共産党の上原安夫です。
発言通告に基づき一般質問を行います。
初めに、教育行政について質問します。
沖縄県は、9月11日、中学校卒業時に進路が未決定だったり、高校を中退したりして進学や就職に距離を置く青少年の初の実態調査を公表しました。
県教育委員会によると、県内の中卒進路未決定者は約200人から300人で推移しており、2023年3月時点の未決定率は2.0%と全国平均の約2倍となっている。高校中退率も全国より高く、22年度は1.8%だったと報道がありました。
また、将来に向けて夢や目標を語れず、将来を悲観的に捉えがちな傾向が浮き彫りになるなど、進学や就職ができず孤立する青少年への支援の必要性も強調されています。
中学卒業後に、進学も就職もしない中卒進路未決定者等の県の実態調査について伺います。
○野原嘉孝 議長
比嘉真一郎教育委員会学校教育部長。
◎比嘉真一郎 教育委員会学校教育部長
お答えします。
中学校卒業時に進学も就職も決まっていない本市の生徒数は、沖縄県の中学校卒業時の進路状況調査により把握しております。
その調査によりますと、本市の進路未決定の生徒は、令和3年度34人、卒業生に占める割合は1.16%、令和4年度40人、卒業生に占める割合は1.55%、令和5年度35人、卒業生に占める割合は1.22%となっております。
次に、沖縄県と全国の状況については、文部科学省の学校基本調査の卒業後の状況調査によりますと、令和3年度、本県210人、全国7,109人、卒業生に占める割合は、本県1.28%、全国0.66%、令和4年度、本県235人、全国8,141人、卒業生に占める割合は、本県1.42%、全国0.75%となっております。令和5年度については、まだ公表されておりません。
○野原嘉孝 議長
上原安夫議員。
◆上原安夫 議員
沖縄県と全国の進路未決定の状況について、いずれの年度でも沖縄県が全国の約2倍になっていることが分かりました。沖縄県の割合が全国と比べて高い理由や背景について伺います。
○野原嘉孝 議長
比嘉真一郎教育委員会学校教育部長。
◎比嘉真一郎 教育委員会学校教育部長
沖縄県の進路未決定者の割合が高い要因は様々考えられますが、令和4年度中学校卒業時の進路状況調査結果によりますと、主な理由として、卒業までに進学や就職の意思確認できなかったこと、高校や専修学校などの受験で不合格になったこと、通信制高校への進学を希望しているが確定していないことなどから、進路未決定のまま卒業を迎えている状況が伺えるとしています。
○野原嘉孝 議長
上原安夫議員。
◆上原安夫 議員
県の調査では、進路未決定などに至った理由は、いじめや非行などの問題行動や学校生活不適応、学業不振など、様々な理由が重なり合っているとありました。また、相談や学習支援など、無料塾や若年妊産婦などの居場所施設など、しっかりとした支援づくりが求められているとの識者の指摘もあります。
本市の支援などについて伺います。
○野原嘉孝 議長
比嘉真一郎教育委員会学校教育部長。
◎比嘉真一郎 教育委員会学校教育部長
教育委員会では各中学校と連携し、進路未決定の過卒生のうち、高校進学を希望する者に対して、高校入試対策の学習支援や面接指導を行う学習支援室てぃんばうなど、高校進学へ向けた支援をしております。そのほか、沖縄県の子ども若者を支援する機関「子ども若者相談プラザsorae(ソラエ)」に進路未決定生徒の情報共有を行うなど、連携を図っております
○野原嘉孝 議長
上原安夫議員。
◆上原安夫 議員
朝日新聞によると、文科省が2022年度から始めた高校入学者選抜の改善等に関する状況調査によると、定員に余裕があるのに不合格になった人は23年度、全都道府県で延べ2,004人。都道府県別で見ると沖縄が延べ226人と最多で、東京や大阪、北海道など、9都道府県はゼロだったそうです。
東京都教育委員会の担当者は「点数がほとんど取れていなくても定員内であれば入学許可を出す。高校は学力が十分でなくても、入学後、社会に出ていく力をつけられるようにしっかり指導しなければならないと認識している」と説明。
埼玉県教育委員会は「入学を希望する人を定員内なのに不合格にする理由はない。県として県民のニーズに応える」と述べています。
一方、沖縄県教育委員会は「定員内不合格が最多なのは重く受け止めている」とし、学ぶ意欲のある生徒は受け入れるよう高校に通知を出してきた。しかし「最終的には受験した学校の校長が学力的についていけるかを考え判断することになっている」と言います。
県立高校入試の定員内不合格者数について、沖縄県と全国の状況について伺います。
○野原嘉孝 議長
比嘉真一郎教育委員会学校教育部長。
◎比嘉真一郎 教育委員会学校教育部長
文部科学省の高等学校入学者選抜の改善等に関する状況調査によりますと、定員内不合格者は令和3年度卒業で本県45人、全国505人、令和4年度卒業で本県62人、全国631人となっております。
令和5年度卒業については、まだ公表されておりません。
○野原嘉孝 議長
上原安夫議員。
◆上原安夫 議員
沖縄県の定数内不合格者数は、全国の約1割となっています。高い比率となっているのではないでしょうか。定数内でありながら不合格者を出している現状が、中学卒業後に行き場のない若者を生み出す要因となってはいけません。
琉球大学の長谷川裕教授は、沖縄の中卒進路未決定率が子供の貧困率から予測される数値を大きく上回っていると分析。「貧困だけでは説明できない問題が特に大きいように見える。一つは高校の定員内不合格の多さ」と指摘しています。
そして、中卒後の進路未決定は、その若者を不安定な境遇に置くことになると懸念し「貧困問題を抱えた沖縄では、定員内不合格を大幅に減らし、ゼロを目指してほしい」と述べています。那覇市からも、定員内不合格を大幅に減らしゼロを目指してほしい。この声を県に届けていただきたいと要望します。
次に、我が党が長年取り上げてきた学校トイレの洋式化と整備の進捗と取組について伺います。
○野原嘉孝 議長
稲福喜久二教育委員会生涯学習部長。
◎稲福喜久二 教育委員会生涯学習部長
お答えいたします。
小中学校のトイレの洋式化につきましては、トイレ改修事業と校舎等改築事業を計画的に行うことにより洋式化を進めております。
トイレ洋式化や乾式化の整備は、文部科学省の小中学校施設整備指針において衛生環境改善の観点からも重要とされており、洋式化と併せて、菌の繁殖・増殖を抑えることができる乾式化を実施し、トイレ環境の改善を図っております。
令和6年度は、小学校5校、中学校2校を実施しており、トイレ洋式化率につきましては、現時点において、小学校約88%、中学校約82%となっております。なお、トイレの洋式化につきましては、令和7年度までに完了する予定でございます
○野原嘉孝 議長
上原安夫議員。
◆上原安夫 議員
来年度の完了目指して頑張ってください。
次に、新真和志複合施設建設事業について質問します。
計画の概要と進捗状況について伺います。
○野原嘉孝 議長
浦崎宮人まちなみ共創部長。
◎浦崎宮人 まちなみ共創部長
お答えします。
新真和志複合施設建設事業は、老朽化した真和志支所、中央公民館・図書館などの7つの施設を集約し、真和志地域の新たなコミュニティ拠点となる複合施設を整備する事業で、契約金額は約46億9,000万円でございます。また、敷地の一部を有償で貸付け、民間事業者の資金及び責任で、民間施設や駐車場が整備される予定でございます。
複合施設につきましては、鉄筋コンクリート造4階建て、延べ面積は5,461平方メートルで、1階には真和志支所、障がい者福祉センター、精神障がい者地域生活支援センター、2階には中央図書館、教育研究所、3階には中央公民館、4階にはこども発達支援センターが入居する予定となっております。
民間施設につきましては、鉄筋コンクリート造7階建て、延べ面積は4,509平方メートルで、駐車場は142台となっております。
当該施設の構成といたしましては、交流や賑わいを生み出すカフェや運動療法を取り入れたフィットネスジム、近隣病院と連携ができるクリニック、周辺施設で働く方々の子育て支援ができる病児・障がい児保育も行う保育園など、周辺施設や複合施設、与儀公園と連携し、エリア全体の活性化や相乗効果が期待できるテナントを誘致する提案となっております。
当該事業の進捗状況としましては、事業に関する市民説明会を10月24日に開催したところでございます。
現在、旧市民会館の解体工事を行っており、令和7年度末に完了する予定でございます。その後、複合施設等の建設工事に着手し、令和10年度の供用開始を目指しております。
○野原嘉孝 議長
上原安夫議員。
◆上原安夫 議員
再質問します。
この事業について、10月24日に市民説明会が行われています。市民の皆さんからはどのような意見があったのか。また、以前、旧那覇市民会館の休館中に、会館周辺、特に会館の裏手、ガーブ川沿いの歩道が暗いということで市民からの意見がありましたが、その対応について伺います。
○野原嘉孝 議長
浦崎宮人まちなみ共創部長。
◎浦崎宮人 まちなみ共創部長
お答えします。
市民説明会での主な意見としましては、解体工事期間中のアスベストに関する心配の声や旧県立図書館の跡地利用、民間施設で計画されている保育園の概要などがございました。なお、当該事業においては、安全管理のための街灯設置などを予定しており、施設の敷地周辺にも配慮した照明計画を検討してまいりたいと考えております。
○野原嘉孝 議長
上原安夫議員。
◆上原安夫 議員
市民の皆さんが施設と公園を安心安全に利用できるように、照明計画もよろしくお願いします。
次に与儀公園との一体的利用について伺います。
○野原嘉孝 議長
浦崎宮人まちなみ共創部長。
◎浦崎宮人 まちなみ共創部長
お答えします。
新真和志複合施設については、与儀公園との一体利用の提案がなされ、複合施設や民間施設、公園の間に広場となるウェルスクウェアや丘陵型スロープ、複合施設と民間施設を2階でつなぐウェルデッキを配置し、相互に連続性を持たせ賑わいや交流を創出するものとなっております。
与儀公園につきましては、園路のバリアフリー化、インクルーシブ遊具や大屋根広場、多機能東屋などを配置した再編整備に加え、市民参加型のイベント開催など様々な方が安心して楽しめる提案となっております。
○野原嘉孝 議長
上原安夫議員。
◆上原安夫 議員
次に、次世代型路面電車LRT導入に向けた進捗と詳細について伺います。
○野原嘉孝 議長
幸地貴都市みらい部長。
◎幸地貴 都市みらい部長
お答えいたします。
LRT導入に向けた現状としては、那覇市LRT整備計画素案を基に関係機関との協議を行っているところであります。整備計画素案には、中心市街地、真和志地域、新都心地域の3つの拠点を結ぶ基幹的公共交通として、導入ルートのイメージ、導入空間の考え方、運行計画、導入車両、事業スキーム、概算建設費、需要予測、収支計画、費用便益分析などを取りまとめております。
導入ルートは、市域内に東西ルート本線及び支線、南北ルートを計画しており、東西ルート本線は、県庁北口から県立南部医療センター付近に至る約5キロメートル、東西ルート支線は、県庁北口から若狭海浜公園付近に至る約1キロメートル、南北ルートは、真玉橋付近から新都心に至る約5キロメートルを想定しております。
概算建設費は、支線を含め東西ルートで約320億円、うち国費は約180億円、また、南北ルートを含めた全体建設費は約480億円で、うち国費は約270億円を見込んでおります。
今後、市民意見を踏まえ、那覇市都市交通協議会での了承が得られましたら、LRT整備計画を策定し、許認可などの法手続を進め、2040年度の開業を目指して取り組んでまいります。
○野原嘉孝 議長
上原安夫議員。
◆上原安夫 議員
引き続き、頑張ってください。
次に道路行政について、古蔵上線の進捗と住民の皆さんへの周知について伺います。
○野原嘉孝 議長
幸地貴都市みらい部長。
◎幸地貴 都市みらい部長
お答えいたします。
都市計画道路古波蔵上線は、国道507号を起点に、国道330号を結ぶ路線であり、標準幅員13メートル、延長680メートルの地域幹線道路として令和元年度より事業に着手しております。
当該事業は、これまで一方通行であった交通形態を道路拡幅により片側1車線交互通行に改めるとともに、歩道や自転車通行空間を整備する予定となっております。
事業の進捗状況につきましては、現在までに土地1筆、建物1棟の用地補償契約を終え、ほか5棟の物件調査を行っており、併せて電線共同溝の設計及び分筆測量業務などを実施しております。
住民への周知につきましては、これまで3回の住民説明会に加え、令和6年7月から地域掲示板へ事業概要や進捗状況を掲載したポスターを掲示しております。今後も掲示板などを活用し、周知に努めてまいります。
○野原嘉孝 議長
上原安夫議員。
◆上原安夫 議員
引き続き頑張ってください。
次に与儀公園向かい、かねひでスーパー側道路、与儀30号についてですが、この道路はお買い物をする市民をはじめ、近くの小中学校・保育所等に通う通学路にもなっていますが、雨が降るたびに水はけが悪く、水たまりができて困っているとの声が寄せられています。水たまりの解消について伺います。
○野原嘉孝 議長
幸地貴都市みらい部長。
◎幸地貴 都市みらい部長
お答えいたします。
市道与儀30号の水たまりにつきましては、現場を調査したところ、道路の一部に水はけが悪い箇所があることを確認しております。現在、対策を検討しており、今後、修繕工事を実施してまいります。
○野原嘉孝 議長
上原安夫議員。
◆上原安夫 議員
水たまりを解消するため、今後の修繕工事、ぜひ頑張ってください。
次に、古波蔵中央線の信号手前の沿道敷地の草刈りについてです。ここは、近くの特別支援学校の保護者の皆さんからの声があって取り上げました。草刈りについて伺います。
○野原嘉孝 議長
幸地貴都市みらい部長。
◎幸地貴 都市みらい部長
お答えいたします。
議員御質問の箇所につきましては、沖縄県が管理する土地となっており、雑草が市道側に影響を及ぼす場合は、これまでも県へ除草の申し送りを行っております。
引き続き適切に管理していただけるよう今後も申送りを行いたいと思います。
○野原嘉孝 議長
上原安夫議員。
◆上原安夫 議員
次に、漫湖公園沿線の市道の中央線についてです。
ここは、付近の住民の方々から道路の中央線がほとんど消えているため、車で通行する際に向かいから来る車と正面衝突しそうになるとの声が寄せられています。中央線の塗り直しについて伺います。
○野原嘉孝 議長
幸地貴都市みらい部長。
◎幸地貴 都市みらい部長
お答えいたします。
市道漫湖公園沿線につきましては、中央線が消えている箇所が多数あることを確認しております。そのため、交通量や周辺環境を考慮し、市内での優先度を勘案の上、引き直しを実施してまいります。
○野原嘉孝 議長
上原安夫議員。
◆上原安夫 議員
ぜひ早めの引き直しを実施していただくようよろしくお願いいたします。
これで質問を終わります。