19年11月議会古堅茂治一般議事録

古堅 茂治

2021/06/09

2019年那覇市議会11月定例会
12月11日(水)

一般質問  
日本共産党 古 堅 茂 治

○古堅茂治 議員
 ハイサイ、グスーヨー チューウガナビラ。オール沖縄・日本共産党の古堅茂治です。
 琉球王国の文化として生まれた首里織のネクタイを締めて質問をさせていただきます。
平和行政について。
 配付資料、モニター画面をご覧ください。
(モニター投影 ①)
 なぐやけの碑の碑文です。
 碑文には、慰霊の文言はありません。なぐやけの碑には、2万9,533人の本市関係戦争犠牲者の名簿が奉納されています。
 その前で開催された2019年那覇市戦没者追悼式で、市連合遺族会の瑞慶山良祐会長は、碑が、「市民にわかりづらい。来年は終戦75年の節目であり、那覇市の慰霊の碑であるとわかるように表記してほしい」と挨拶で訴えていました。 
 戦争で肉親を失った遺族の皆さんの悲しみは、戦後74年経過しても、今なお癒えることはありません。
 遺族会会長の要望に応えて、有識者も活用して戦争犠牲者を慰霊し、命どぅ宝・反戦平和の沖縄の心を発信する那覇市の碑であることがわかる、那覇にふさわしい新たな碑文を建立すべきです。対応を伺います。

○桑江豊 副議長 
 屋比久猛義総務部長。
○屋比久猛義 総務部長
 那覇市戦没者追悼式において、市連合遺族会会長がご挨拶の中で述べられた、那覇市恒久平和のモニュメント「なぐやけ」へのご要望につきましては、具体的な市連合遺族会の意向をお聞きしながら、しっかり検討してまいりたいと考えております。

○桑江豊 副議長 
 古堅茂治議員。
○古堅茂治 議員
 6月23日は、恒久の平和を希求するとともに戦没者の霊を慰めるための慰霊の日です。
 那覇市は、この慰霊の日を休まないとする条件を公私連携の認定こども園との協定書で法人に押しつけています。
 さらに、戦没者追悼式に市の部長以上の幹部が参加しながら、遺族会会長の要望への鈍感な対応、慰霊のない碑文に何の違和感も持たない、この感覚、底辺にあるのはなんでしょうか。
 そこで、平和行政のあり方については、有識者委員会を設置して、検証し、惰性と風化を打ち破り、改善を図ることが求められています。委員会設置と新たな碑文の建立を強く求めます。
 次に、旭ヶ丘公園には、本市の戦争犠牲者の名簿が奉納され、対馬丸記念館、小桜の塔、海鳴りの像、戦没新聞人の碑など、恒久平和を希求する碑や施設があります。
 また、ニライカナイの平和の理想郷・海の彼方を向く龍柱があり、首里城から龍脈でつながっています。
 そこで、旭ヶ丘公園の名称に「平和」を冠して、旭ヶ丘平和公園へ名称変更するよう提案いたします。対応を伺います。

○桑江豊 副議長 
 屋比久猛義総務部長。
○屋比久猛義 総務部長
 旭ヶ丘公園には、本市戦没者の追悼と恒久平和を願う平和のモニュメント「なぐやけの碑」を建立しており、毎年、那覇市戦没者追悼式も開催していることから、平和公園という名称は恒久平和を発信するという点で意義があるものと感じております。
 一方で、同公園は長年、地域住民や多くの市民から親しまれている公園でもございますので、名称の変更につきましては、慎重な検討が求められるものと考えております。

○桑江豊 副議長 
 古堅茂治議員。
○古堅茂治 議員
 意義があるのであれば、それに向けて努力するのが仕事ではないでしょうか。平和を原点とする城間市長の英断が求められています。
 新たな碑文の建立と旭ヶ丘平和公園への名称変更に対する市長の見解を伺います。

○桑江豊 副議長 
 城間幹子市長。
○城間幹子 市長
 那覇市の戦没者の追悼式が市議会の皆さん方との共催によって開催されて、ことしで3回目になりました。
 恒久平和を希求するという思いは議員の皆様とも一致しているものと思っております。
 この追悼式はしっかりと続けていかなければならないという思いでございます。
 平和のモニュメント「なぐやけの碑」が恒久平和のシンボルであるということをこれからも願っているところでございます。
 旭ヶ丘公園、この名称ですけれども、平和への思いの発信地としても私は多くの存在意義があると思っております。
 また、地域住民の方々を中心にこの公園は利活用されております。定着した公園の名称を変更するということにつきましては、多くの皆さん方の声を伺いながら、その熟度を見極めていきたいと思っております。 

○桑江豊 副議長 
 古堅茂治議員。
○古堅茂治 議員
 戦後75年の節目に地域の皆さんとともに、その那覇市の平和の発信の場にふさわしい、そういう名称をぜひ実現してほしいと思います。
 次に、
消防分野への女性の参画について。
 消防や防災現場では、女性傷病者、高齢者などさまざまな人がおり、多様なニーズがあり、対応もさまざまです。消防職員への女性の参画状況を伺います。

○桑江豊 副議長 
 島袋弘樹消防局長兼総務部参事監。
○島袋弘樹 消防局長兼総務部参事監
 消防局では、平成15年に初めて女性消防吏員を採用して以来、平成31年4月1日現在、7人の女性消防吏員が在籍しております。
 女性消防吏員は、119番通報を受理する指令情報課の指令員2人、主に消火活動等を行う警棒隊員に2人、救急隊員に2人を配置しており、全員が24時間勤務の交替制勤務となっております。
 なお、ほか1人は育児休暇中であります。

○桑江豊 副議長 
 古堅茂治議員。

○古堅茂治 議員
 この消防分野の女性職員の拡充に向けた取り組みを伺います。

○桑江豊 副議長 
 島袋弘樹消防局長兼総務部参事監。
○島袋弘樹 消防局長兼総務部参事監
 平成31年4月1日現在、本市の消防職員数281人に対し女性消防吏員数は7人で、率は約2.5%となっております。
 一方、総務省消防庁から平成27年に通達されました「消防本部における女性消防吏員の更さらなす活躍に向けた取組の推進について」によりますと、全国の女性消防吏員の比率を令和8年度当初までに5%まで引き上げる目標値が設定されております。
 これを受け、本市消防局では、女性消防吏員の活躍を推進するため、平成30年度に那覇市消防局女性活躍推進委員会を立ち上げるなど、積極的な取り組みを開始しております。
 また、今年度は、女性消防吏員の増員につなげるためポスターを作成し、県内の高等学校や専門学校及び大学へ配布するとともに、初の試みとして、消防士を目指す女性を対象としたオープンセミナーを、女性消防吏員を中心に開催いたしました。
 今後も国が目標とする5%に近づけるよう、継続して女性活躍推進に取り組んでまいります。

○桑江豊 副議長 
 古堅茂治議員。
○古堅茂治 議員
 高く評価いたします。 
 次に、道路行政について。
 モニター画面をご覧ください。
(モニター投影 ②)
 首里汀良町三丁目の市道・鳥堀石嶺線で歩道に水が流れていて、点字ブロックも常時濡れ、すべる、転ぶなど、危険性を歩行者に与えています。抜本的な対策を伺います。

○桑江豊 副議長 
 玉城義彦都市みらい部長。
○玉城義彦 都市みらい部長
 議員ご質問の歩道に流れている雨水の原因としましては、道路沿いの民地が高台となっていることにより、雨天時に地下浸透した水が1カ所より集中して湧き出しているものと思われます。
 対策としましては、湧き出している箇所に集水桝を設置し、その集水桝から埋設管により側溝へ排水することで、歩道表面への流出を防ぐこととしております。
 工事につきましては、今年度内の完成をめどに、現在発注作業を進めているところでございます。

○桑江豊 副議長 
 古堅茂治議員。
○古堅茂治 議員
 次に、
首里城の再建・古都首里のまちづくり・文化行政について。
 首里城の焼失は、深い悲しみとともに、470年余り続いた琉球王国の歴史と文化を見つめ直し、考える機会ともなっています。
 そして、ウヤファーフジ・先祖代々から受け継いできたウチーナーンチュの魂、誇りと尊厳を自覚し、沖縄の伝統文化を守っていくことが、いかに大切なことであるかを再認識させられています。
 そこで、首里城の早期再建に向けては、沖縄の立場で、県民を主体に英知を結集し、超党派で心ひとつに力を合わせて取り組んでいくことが求められています。
 首里城は、琉球王国の歴史と文化の象徴で、歌三線、舞踊、組踊などの芸能や織物、染物、工芸、空手、料理、泡盛、祭祀などの沖縄独自の伝統文化を育んできました。その伝統文化は、私たち沖縄県民に生きる力を与えています。
 そして、首里城には、万国津梁の大交易、薩摩藩の琉球支配、明治政府の琉球処分による琉球王国の終焉、日本陸軍の駐留、正殿の老朽化と首里市議会での取り壊し決議、伊東忠太東京帝国大学教授と鎌倉芳太郎沖縄研究者のご尽力による取り壊し中止、沖縄戦での壊滅的破壊、米軍による占領・異民族支配、跡地に米軍布令での琉球大学設置、跡地での琉球政府創立式典で瀬長亀次郎立法院議員の米軍への宣誓拒否、日本への復帰、国立・琉球大学の移転、超党派の県民運動での復元の実現など、沖縄の苦難の歴史、県民の歩みが刻まれています。
 1816年、琉球に来航した英国船ライアラ号の艦長ベイジル・ホールは、英国に帰国途中にセントヘレナ島で元フランス皇帝のナポレオンに面会し、武器を持たない琉球という国があると報告すると、何を持って戦争するかと聞かれ、戦争もないと言ってナポレオンを驚かせたとの話が伝わっています。
 さらに、ヨーロッパで話題となった(冊子を掲げる)「朝鮮・琉球航海記」を刊行しています。
 首里城は、人間の尊厳を何よりも重く見て、戦争につながる一切の行為を否定し、平和を求め、人間性の発露である文化をこよなく愛する心、命どぅ宝・反戦平和の沖縄の心、世界との交易と平和交流の架け橋となる万国津梁、沖縄のアイデインティティも育んでいます。そして、沖縄県民の心のよりどころともなっています。
 そこで、首里城の焼失の歴史を伺います。

○桑江豊 副議長 
比嘉世顕市民文化部長。 
○比嘉世顕 市民文化部長
 首里城は、これまでに5回焼失しております。
 1回目は、内乱により1453年に焼失し、その後、失火により1660年、1709年に焼失しております。4回目は、1945年の沖縄戦により灰燼に帰しました。
 戦後は、本土復帰20周年の記念事業として、1992年に復元されましたが、去る10月31日に5回目の焼失をいたしました。

○桑江豊 副議長 
 古堅茂治議員。
○古堅茂治 議員
 焼失を乗り越え、蘇るのが首里城です。
 沖縄戦では、首里城と周辺の地下に日本軍の司令部壕や陣地壕、要塞が集中的に構築され、米軍の最大の攻撃目標となり、大量の艦砲弾や銃弾が撃ち込まれ、首里の文化遺産は全て灰燼に帰してしまいました。
 そこで、県民は、1973年に首里城復元期成会を、屋良朝苗知事を初代会長にして結成し、超党派で復元運動を展開しました。(「蘇る首里城」を掲げる)これらの活動は、期成会発刊のこの「蘇る首里城」に詳しく記載されています。
 国は、この県民の運動の高まりにおされて、戦災文化財・首里城の復元を、琉球王国の歴史、建築、土木、工芸などの技術の粋を結集した巨大プロジェクトとして実施してきました。
 この首里城復元の経緯と首里城の概要を伺います。

○桑江豊 副議長 
 玉城義彦都市みらい部長。
○玉城義彦 都市みらい部長
 首里城復元整備は、1982年(昭和57年)の第二次沖縄振興開発計画の中で首里城一帯の整備が位置づけられ、1984年(昭和59年)に沖縄県の首里城公園基本計画が策定されました。
 1986年(昭和61年)には、首里城公園計画区域のうち城郭内側の約4ヘクタールを、国の都市公園整備事業で復元整備されることが閣議決定され、城郭外側の約14ヘクタールを県営公園事業として整備されることが決定されました。
 翌、1987(平成元年)年には、首里城正殿、北殿、南殿等を含む主要建物が完成し、首里城地区の一部、約1.7ヘクタールが開園、これまで計9回の部分開園を経て、本年2月に4.7ヘクタールの区域全てが開園されたものでございます。

○桑江豊 副議長 
 古堅茂治議員。
○古堅茂治 議員
 首里城公園基本計画・首里杜構想の概要を伺います。 

○桑江豊 副議長 
 玉城義彦都市みらい部長。
○玉城義彦 都市みらい部長
 沖縄県の首里城公園基本計画によりますと、首里杜構想は、首里城を中心とする一帯を首里杜地区、これをとりまき2本の水系が骨格となった首里のまち一帯を首里歴史的風土保全地区として、首里のまちづくりに一つの方向性を示すと同時に、首里城公園の位置づけを明らかにするものとされております。
 基本方針として、1つ目に、首里城一帯について戦災によって失われた文化遺産の再現を図り、風格ある歴史的環境の創出を目指す。
 2つ目に、沖縄の気候風土から生まれた広場(ナー)を原形とし、可能な限りひらかれた公園を目指す。
 3つ目に、県立博物館や隣接する県立芸術大学と連携した企画運営により、沖縄固有の文化の継承、創造の場として活用を図り、歴史・文化の拠点づくりを目指す。
 4つ目に、首里城公園は首里杜構想の中心にあり、周辺の歴史的風土の保全及び環境整備の方向を示し、かつ、観光の拠点となることを目指す、の4つがまとめられ、公園の施設配置や景観、植栽、利用運営などに関する考え方がまとめられたものでございます。

○桑江豊 副議長 
 古堅茂治議員。
○古堅茂治 議員
 配付資料、モニター画面をご覧ください。
(モニター投影 ③)
 NPO法人首里まちづくり研究会が作成したパンフです。とてもわかりやすいものとなっています。 
 戦前、古都・首里を訪れた民藝運動の提唱者である柳宗悦氏は、その印象を「日本第一の美しい都市」と表現し、絶賛されています。
 そこで、焼失した首里城の再建とともに、沖縄戦で失った日本一美しい都市の再生、そして、首里城を中心に琉球王国の歴史と文化を探訪できるまちづくり、文化が保存され継承されるまちづくりが求められています。
 歴史と文化のかおる古都・首里のまちづくりに対する本市の方針を伺います。

○桑江豊 副議長 
 玉城義彦都市みらい部長。
○玉城義彦 都市みらい部長
 本市の方針といたしましては、那覇市都市計画マスタープランの首里地域の将来像に、「首里城を中心とする地域に残る数多くの歴史・文化遺産や地形・水系などの自然環境を活かしたまちづくりを進めると同時に、地域に根差した伝統産業(泡盛、紅型など)の育成や新たな観光商業地区の形成に向けた環境整備を進め、歴史と文化の薫る首里のまちをめざす」としております。
 現在、改定に向けて取り組んでいる新たなマスタープランにおきましても、現都市計画マスタープランを踏襲しながら、地域に残る文化財や御嶽・樋川などの数多くの歴史・文化遺産を生かした首里らしいまちを将来像としております。

○桑江豊 副議長 
 古堅茂治議員。
○古堅茂治 議員
 戦前、沖縄は京都、奈良に次ぐ国宝がありました。その概要を伺います。

○桑江豊 副議長 
 比嘉世顕市民文化部長。 
○比嘉世顕 市民文化部長
 戦前、沖縄県には首里城正殿や園比屋武御嶽石門を初めとする22の国宝があり、いずれも現在の那覇市に所在しておりました。

○桑江豊 副議長 
 古堅茂治議員。
○古堅茂治 議員
 首里城公園とその周辺で復元した戦災文化財を伺います。

○桑江豊 副議長 
 比嘉世顕市民文化部長。 
○比嘉世顕 市民文化部長
 首里城公園とその周辺で戦後に復元された文化財といたしましては、1956年の園比屋武御嶽石門、1958年の守礼門などがございます。

○桑江豊 副議長 
 古堅茂治議員。
○古堅茂治 議員
 首里城公園内で那覇市が所有し管理を行っている文化財を伺います。

○桑江豊 副議長 
 比嘉世顕市民文化部長。 
○比嘉世顕 市民文化部長
 首里城公園内で本市が所有し管理を行っている文化財といたしましては、玉陵、園比屋武御嶽石門、龍淵橋、円鑑池がございます。

○桑江豊 副議長 
 古堅茂治議員。
○古堅茂治 議員
 首里城公園内と、その周辺で復元されていない戦災文化財の状況を伺います。 

○桑江豊 副議長 
 比嘉世顕市民文化部長。 
○比嘉世顕 市民文化部長
 首里城公園内につきましては、円覚寺跡の山門や中城御殿等が復元されておりません。
 また、首里城公園周辺につきましては、御茶屋御殿などが復元されておりません。

○桑江豊 副議長 
 古堅茂治議員。
○古堅茂治 議員
 答弁で、本市の方針と現状は明確です。
 本市議会が全会一致で採択した「琉球王国の歴史と文化を象徴する首里城の早期再建などを求める意見書」では、「琉球王国の歴史的文化遺産の再生と計画的再建を総合的に推進していくこと」を求めています。
 そこで、本市も、同じ立場で、国や県、関係機関に働きかけるべきです。見解を伺います。

○桑江豊 副議長 
 仲本達彦企画財務部長。

○仲本達彦 企画財務部長
 首里地域に存する多数の歴史・文化遺産を有効に活用することが、本市の都市計画マスタープランに掲げる歴史と文化の薫首里のまちをめざすことに資するものと考えております。 
 このことから、本市といたしましても、整理すべき今後の課題はあるものの、先に採択されました議会での意見書と同様に、琉球王国の歴史的文化遺産の再生と計画的再建を総合的に推進することは、極めて大きな意義があるものと考えております。
 これらの考え方について、今後、再建を進める国や県ともしっかりと共有をしていく必要があるものと考えております。

○桑江豊 副議長 
 古堅茂治議員。
○古堅茂治 議員
 答弁、評価いたします。
 組織編成です。知念副市長にお聞きします。
 首里城再建とともに、周辺の戦災文化財の復元と一体で総合的、計画的に推進するよう国や県、関係機関に積極的に働きかけ、連携を図るためにも、政策統括調整監をトップに、庁内関係部局を横断するプロジュエクトチームを立ち上げるべきです。見解を伺います。

○桑江豊 副議長 
 知念覚副市長。
○知念覚 副市長
 本定例会、多くの議員の皆様から首里城火災を受けた全庁横断的な組織体制を編成すべきだという声がございます。
 本市といたしましても、今月中にはその横断的な組織を立ち上げたいという方向で今進めております。
 この組織において議員ご提案のまちづくりを初め、各部が直面するさまざまな課題等について、課題を共有し、対応等について幅広く議論してまいりたいというふうに考えております。 

○桑江豊 副議長 
 古堅茂治議員。
○古堅茂治 議員
 答弁、高く評価いたします。
 首里城再建と周辺文化財の復元と一体となった整備を先駆けて提起した本市議会の意見書が力を発揮し、国会と県議会、有識者と市民からも同じ声が上がり、その流れがつくられつつあります。そこで、庁内組織だけでなく、有識者の委員会を立ち上げ、さらに促進することが必要です。有識者委員会設置も進めてください。
 
次の質問です。
 本市は、2006年7月8日、市制施行85周年を記念し、歴史及び文化に関する資料の収集、保存、展示、公開、調査及び研究をすることにより、市民の教養、学術及び文化の向上に寄与することを目的に、那覇市歴史博物館を設置しています。同館の入場者数、取り組み、課題を伺います。 

○桑江豊 副議長 
 比嘉世顕市民文化部長。 
○比嘉世顕 市民文化部長
 歴史博物館は2006年、パレットくもじ4階に開館し、ことしで14年目になります。
 年間の入館者は、2016年度1万5,735人、2017年度1万5,112人、2018年度1万7,142人で、年間の平均入館者は約1万6,000人でございます。
 首里城火災後は入館者が増加し、11月は対前年約2倍の2,658人となっております。
歴史博物館は、国宝の尚家資料を展示する特別展、常設展及び企画展を開催するとともに、尚家文書の修理事業に継続して取り組んでおります。
 課題といたしましては、観覧スペースが狭く、一度に修学旅行などの団体の受け入れができないことがございます。

○桑江豊 副議長 
 古堅茂治議員。
○古堅茂治 議員
(ガイドブックを掲げる) 歴史博物館は、那覇市の史跡・旧跡ガイドブックを発行しています。
 その概要を伺います。

○桑江豊 副議長 
 比嘉世顕市民文化部長。 
○比嘉世顕 市民文化部長
 「那覇の史跡・旧跡ガイドブック」は、沖縄戦や戦後の都市開発などで失われた琉球王国時代の歴史・文化遺産や旧地名を解説した説明標示板106カ所と、市内の国・県及び市指定の文化財67カ所を掲載した内容となっております。
 説明標示板の設置に当たっては、那覇市旧跡・歴史的地名等標示委員会を設置し、当該委員会で106カ所を選定しております。 

○桑江豊 副議長 
 古堅茂治議員。
○古堅茂治 議員
 「琉球国王尚家関係資料」の重要性と修復状況を伺います。

○桑江豊 副議長 
 比嘉世顕市民文化部長。 
○比嘉世顕 市民文化部長
 国宝「琉球王国尚家関係資料」の尚家文書1,207点は、琉球王国時代の行政文書が中心で、首里城の修築に関する記録「百浦添御普日記」なども含まれております。
 また、薩摩藩や中国との対外関係を示す史料も数多くあり、琉球の国内行政のみならず、外交の面も解明できる点が評価されております。
 尚家文書の修理は、国の補助金や民間の助成金を活用し事業を行っております。本年度は61冊修理、今年度末までに408冊の修理を終えます。残る未修理文書は799冊でございます。

○桑江豊 副議長 
 古堅茂治議員。
○古堅茂治 議員
 尚家文書の総冊子数、総ページ数を伺います。

○桑江豊 副議長 
 比嘉世顕市民文化部長。 
○比嘉世顕 市民文化部長
 国宝に指定された尚家文書は1,207冊で、ページ数は約17万6,000ページでございます。

○桑江豊 副議長 
 古堅茂治議員。
○古堅茂治 議員
 (冊子2冊を掲げる)市政75周年に「かがやく琉球王家の至宝 尚家継承文化遺産」、市政85周年に、国宝『琉球国王尚家関係資料』の全てが発刊されています。写真、目録、解説のみです。
 今、琉球王国の歴史と文化への興味と関心が高まっています。国宝である尚家文書の刊行の意義と課題等を伺います。

○桑江豊 副議長 
 比嘉世顕市民文化部長。 
○比嘉世顕 市民文化部長
 尚家文書は、くずし字が読める研究者など一部の人の利用に限られております。くずし字で書かれた尚家文書を現代文字に変換し、刊行することで、誰もが本を手にすることができ、尚家文書の内容を理解することが容易になります。
 また、首里城再建を後押しする取り組みにもつながり、意義あることと考えております。
 本市といたしましては、事業が長期間にわたること、多額の費用を要する事業となることが課題と考えております。

○桑江豊 副議長 
 古堅茂治議員。
○古堅茂治 議員
 尚家文書を所有する本市にしかできない役割を果たして、首里城再建を後押しすべきです。そのためにも、専門的見識を持つ有識者で刊行委員会を立ち上げ、尚家文書の刊行事業をスタートさせるべきです。見解を伺います。

○桑江豊 副議長 
 比嘉世顕市民文化部長。 
○比嘉世顕 市民文化部長
 尚家文書の刊行は、再建の取り組みを後押しすることにもつながり、意義あることと考えております。
 本市といたしましては、事業が長期間にわたること、多額の費用を要することから、どのように取り組んでいくのか、検討してまいります。

○桑江豊 副議長 
 古堅茂治議員。
○古堅茂治 議員
 城間市長にお聞きします。
 寄付や激励をお寄せ頂いた方々の思いに応えて、市民・県民に尚家文書を公開し、首里城再建を力強く後押しするためにも、刊行事業のスタートへの英断が求められています。
 第二尚氏王統の始祖・尚円王と同じ伊是名島出身の城間市長の見解、決意を伺います。 

○桑江豊 副議長 
 城間幹子市長。
○城間幹子 市長
 お答えをいたします。
 尚家文書には、首里城再建や首里城周辺のソフト、ハード面での整備で参考になる資料が含まれていると伺っております。
 首里城再建に関しまして、尚家文書の活用が求められているならば、専門家への提供も可能であるというふうに認識しております。
 刊行についても同時並行で考えてまいります。

○桑江豊 副議長 
 古堅茂治議員。
○古堅茂治 議員
 ぜひ刊行事業をスタートさせてください。評価いたします。
 文化芸術基本条例の制定とその実現に向けた計画の策定の進捗状況を伺います。簡潔にお願いします。 

○桑江豊 副議長 
 比嘉世顕市民文化部長。 
○比嘉世顕 市民文化部長
 お答えいたします。
 文化振興基本計画につきましては、前年度に骨子案を作成しており、市民とのシンポジウムや県立芸術大学とのワークショップなどを行ってまいりました。
 それらを参考に素案を作成し、庁内委員会・幹事会で議論を重ねているところでございます。
 文化芸術基本条例に関しましても、現在素案を作成し、基本計画と同様に庁内委員会・幹事会で議論を行っております。
 引き続き、基本計画策定及び基本条例制定に向け取り組んでまいります。 

○桑江豊 副議長 
 古堅茂治議員。

○古堅茂治 議員
 頑張ってください。
 最後に、首里城は焼けても、沖縄県民の魂を焼くことはできません。
 ウチナーンチュ 
 マキティナイビランドー 
グスーヨー ヒヤミカチ 
ククル ティーチ チカラアーチ 
チバティ イカヤーナーサイ
 首里城再建と周辺の戦災文化財の復元と一体となった古都・首里のまちづくりに、超党派で、心ひとつで頑張っていきましょう。
 終わります。  
以上

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