意見書案 核兵器禁止条約署名・批准

古堅 茂治

2021/06/09

核兵器禁止条約に署名、批准し、唯一の戦争被爆国にふさわしい核兵器廃絶に向けた努力を求める意見書

広島と長崎にアメリカの原子爆弾が投下されてから 72 年を経た 2017 年7月7日、国連会議で、歴史的な核兵器禁止条約が国連加盟国の3分の2にあたる122カ国の賛成で採択された。
核兵器禁止条約は、核兵器について、破滅的な結末をもたらす非人道的な兵器であり、国連憲章、国際人道法、国際人権法に反するものであると断罪し、核兵器は不道徳であるだけでなく、国際法史上初めて違法なものとした。
そして、開発、実験、生産、製造、取得、保有、貯蔵、移転、受領、配備、使用と使用の威嚇など、核兵器にかかわる活動を全面的に禁止するものとなっており、また、核保有国が条約に参加するために、その核兵器を廃棄する手順も定めている。さらに、被爆者や核実験被害者への援助も定めていて、被爆国、核実験被害国の国民の切望にも応えるものとなっている。
このように、核兵器禁止条約は、被爆者とともに日本国民や世界の人々が長年にわたり人類の死活にかかわる問題として熱望してきた核戦争の防止と核兵器の廃絶につながる画期的なものである。
この核兵器禁止条約の採択から2年が経過し、世界各国でも前向きな変化が生まれている。条約には、すでに70カ国が署名し、25カ国が批准している。
被爆者が呼びかけ、核兵器廃絶と核兵器禁止条約にすべての国が加盟することを求めている「ヒバクシャ国際署名」も国内外で大きく広がっている。
来年は戦争被爆75年、5年に1度の核兵器不拡散条約再検討会議が開かれる。最大規模の核軍縮交渉でもあるこの会議で、米英仏ロ中の核保有大国などが、核不拡散条約第6条に定められている核軍縮の交渉義務を果たすとともに、核兵器廃絶へ向けて力強く進む転機にすることが求められている。
よって、本市議会は、広島と長崎への原子爆弾投下や戦争で犠牲になられた方々に心から哀悼の誠を捧げるとともに、日本政府に対し、唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界と恒久平和の実現を願う世界の人々と連携し、核兵器の禁止・廃絶に向けて真剣に努力する証として、核兵器禁止条約に速やかに署名、批准することを強く求めるものである。
以上、地方自治法第 99 条の規定に基づき、意見書を提出する。

令和元年(2019年)8月19日
                           那覇市議会

あて先  衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 外務大臣 

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