2021.2定例会 代表議事録 古堅茂治

古堅 茂治

2021/06/09

2021年那覇市議会2月定例会
2月16日(火)本会議
日本共産党代表質問
古 堅 茂 治 議員

○古堅茂治 議員
 ハイサイ、グスーヨーチューウガナビラ。オール沖縄・日本共産党の古堅茂治です。(皆さん、こんにちは。オール沖縄・日本共産党の古堅茂治です)。日本共産党市議団を代表して質問を行います。
 新型コロナ感染症で亡くなられた方々に衷心よりお悔やみを申し上げるとともに、闘病中の方々に心からお見舞いを申し上げます。困難な状況下で奮闘されている医療・介護の従事者と、エッセンシャルワーカーとして、日々の社会生活、経済活動を支えておられる各分野の従事者に深い敬意と感謝を表明いたします。
 それでは、
1.コロナ禍について
質問いたします。
 (1)昨年の2月14日のコロナ感染県内初確認から1年です。感染症の状況と特徴を伺います。

 (2)11回補正予算を組み、城間市政が取り組んでいる主な対策と支援、特徴。

 (3)14回補正予算を組み、玉城県政が取り組んでいる主な対策と支援、特徴。

 (4)昨年12月に、琉球新報らが実施したアンケートで判明した深刻な生活実態の概要。

 (5)住居確保給付金や緊急小口資金の特例貸付など生活者支援等の活用状況。

 (6)生活保護の役割、受給状況と課題。

 (7)観光産業の影響と休廃業・解散企業の動向、経済への影響。

 (8)雇用情勢と非正規労働者、女性、若者への影響。

 (9)コロナ禍でも、保育所やこども園、放課後児童クラブは、国の原則開所方針を踏まえた行政の要請に基づき、基本的に開所しています。社会を支えるエッセンシャルワーカーとしての使命感に支えられた対応を高く評価いたします。
 そこで、国が行ったエッセンシャルワーカーへの慰労金についての状況を伺います。

 (10)本市としても、エッセンシャルワーカーとして、社会的役割を発揮している保育所と放課後児童クラブの従事者へ慰労金の支給に取り組むべきです。見解を伺います。

 (11)コロナワクチン接種への取組、体制、予定。

 (12)私は、昨年6月定例会の代表質問で、「那覇市立病院の建替えについては、新型コロナ感染症へ、より適切に対応ができるよう、設計などを見直して改善を図るべき」と具体的に提案を行いました。今回、実施されます感染症対応強化への設計変更の内容と、市立病院建替えのスケジュール。

 (13)米軍は感染拡大の要因です。県内と米軍関係者のコロナ感染者数と発生率を伺います。
2.政治倫理、清潔な政治について
 (1)2019年7月の参院選広島選挙区での大規模買収事件、昨年6月の逮捕後も議員に居座り続け、総額2,000万円を超す議員歳費等を受け取っていた河井案里前参院議員が有罪判決を受け辞職しました。自民党公認だった河井案里陣営は、夫の河井克行元法務大臣・衆院議員が主導し、地方議員などに現金を提供し、票の取りまとめを依頼したものです。自民党本部は、河井案里氏に破格の1億5,000万円の資金を援助、そのうち1億2,000万円は公金の政党助成金です。元会計担当者は、自民党本部からの資金が大規模買収の原資だったと供述しています。菅総理と自民党本部には、使途を解明する責任があります。票をカネで買う買収行為は、民主主義を破壊する重大な犯罪です。見解を伺います。

 (2)放送行政などを所管する総務省の幹部4人が、放送事業会社に勤める菅首相の長男から、判明しているだけで延べ12回も接待を受けています。長男が勤める会社の子会社は、総務省から衛星基幹放送事業者認定を受けていて、国家公務員倫理法に基づく倫理規程が禁じる「利害関係者」からの接待に当たる可能性があります。疑惑が持たれている菅首相の長男らの官僚接待への見解を伺います。

 (3)自民党の松本前国対委員長代理、田野瀬前文部科学副大臣、大塚前国会対策副委員長の3人が、時短営業と会食自粛のさなか、銀座の高級クラブで深夜飲食、公明党の遠山前幹事長代理も同じく銀座のクラブで深夜飲食、政治資金からのキャバクラ飲食費支出も発覚しました。国民には罰則、与党幹部はルール無視での深夜飲食です。自民党と公明党の国会議員の政治倫理崩壊極まれり、清潔な政治を求める国民から厳しい怒りの声が沸騰しています。見解伺います。

 (4)中山石垣市長は、島外の人との飲食会合、外出自粛を自ら呼びかけながら、医療ひっ迫の宮古島市で飲食店5軒をはしごしたとして、銀座深夜飲酒よりも悪質と批判を浴びています。自民党と公明党推薦の中山市長のモラル崩壊も極まれりです。見解を伺います。

 (5)しんぶん「赤旗」が情報開示請求で入手した資料で、菅首相が官房長官在任中の7年8か月に支出した官房機密費のうち、官房長官が自由勝手に使う資金「政策推進費」が86億8,000万円余であることが判明しました。領収書のいらない「政策推進費」は、官房長官に渡った時点で支出が完了し、使い道は官房長官にしか分からない仕組みです。国民には自助を押し付け、菅氏自身は86億8,000万円余、1日307万円の莫大な公助を受け、血税を自由、好き勝手に使って、支出先が全く不明です。こんな異常な税金の使われ方は許されません。見解を伺います。

3.沖縄振興費、新たな振興計画について
 (1)2021年度沖縄振興費は4年連続同額3,010億円、一括交付金は981億円で7年連続減額、2012年度の同交付金創設以来の最低を更新、初めて1,000億円を割っています。琉球新報は社説で、「沖縄関係予算が政治の駆け引き材料にされているという疑念を抱かざるを得ない」と批判しています。沖縄いじめとも言える基地を絡めた菅自公政権の一括交付金減額への見解を伺います。

 (2)一括交付金減額と対照的に、県を通さず国主導で市町村に直接交付するアメとも言える沖縄振興特定事業推進費が増額され、前年度より全県で30億円増えて85億円です。この特定事業推進費の推移を伺います。

 (3)玉城知事が発表した新たな振興計画の骨子案の概要と特徴を伺います。

 (4)次期振興計画に対する本市の見解と課題を伺います。

4.2021年度施政方針・予算案について
 (1)施政方針と関連施策に込めた市長の思い、決意を伺います。

 (2)一般会計予算案の概要・特徴を伺います。

 (3)コロナ禍による本市の税収と財政への影響、見通し、対応などを伺います。

5.平和行政・第32軍司令部壕の保存公開について
 (1)市長は施政方針で、「平和こそが発展の礎です。全ての人々が戦争の不条理や愚かさを知り、『命どぅ宝』の思いを胸に刻むことを願いながら、平和を希求する心を発信し続けてまいります。」と強調しています。評価いたします。取組を伺います。

 (2)本市議会の「旧日本軍第32軍司令部壕等の保存整備と内部公開を求める意見書」が力を発揮しています。意見書で設置を求めた保存公開の可否について検討する県の有識者委員会が初会合を1月22日に開催しています。玉城知事は「司令部壕は住民を巻き込んだし烈な沖縄戦の軍事的中枢施設、戦争の不条理さ、残酷さとともに平和の尊さを伝える重要な戦争遺跡だ」と挨拶、委員との歓談では「公開の範囲や保存の仕方を議論いただき、可能な限り貴重な遺跡として活用したい」と述べ、積極的姿勢を表明しています。初会合の特徴と、事務局に加わっている本市の役割を伺います。

 (3)沖縄大学の研究員によって、旧日本軍第32軍司令部に慰安婦として動員されていたことを裏付ける資料が新たに発見されています。見解を伺います。

 (4)「平和の発信場所である旭ヶ丘公園の恒久平和のモニュメント『なぐやけ』に、多くの人が訪れてもらえるよう誘導サインを設置します。」との施政方針の取組を伺います。さらに、平和への願い、思いを誘導できるように、旭ヶ丘公園を平和公園か平和の杜に名称変更すべきです。見解を伺います。

 (5)1月22日、核兵器禁止条約が発効、人類史上初めて核兵器を違法とする国際法が生まれました。核兵器保有国や、核兵器に依存する国を、「国際法違反の国」として、政治的・道義的に追い詰め、「核兵器のない世界」への道を切り開く新しい時代が始まりました。そのような中で、唯一の戦争被爆国・日本の菅自公政権が世界の流れに背を向けて、「核抑止力の維持・強化」を持ち出し、国民多数が望む核兵器禁止条約への参加を拒否していることは、恥ずべき態度であり、内外で失望を広げています。核抑止という考えは、いざとなれば広島・長崎のような破滅的な人道的結果を容認するものであり、到底許されるものではありません。見解を伺います。

6.文化行政について
10点質問します。
 (1)首里城復興基本計画(素案)の基本施策。

 (2)首里城復興基本計画に関する有識者懇談会及び新・首里杜構想検討部会、琉球文化継承・振興検討部会で活発に議論されている概要と特徴。

 (3)中城御殿の整備計画に城郭内に文化財展示収蔵機能を附加することについて。

 (4)2022年度の首里城再建開始に合わせ、本市が所有する国宝尚家関係資料のうち、首里城に関連した文書(もんじょ)の一部を翻刻・公開する那覇市歴史博物館の取組。

 (5)歴代国王の位牌を安置した重要文化財である崇元寺跡地一帯の適切な保存・活用を図るため、国史跡指定に向けた整備への取組。

 (6)沖縄を愛した詩人、歌謡曲の作詞家としても有名な佐藤惣之助氏の功績と本市との関わり。

 (7)佐藤惣之助詩碑の移設除幕式について。

 (8)市民・県民が待ち望んでいる沖縄随一の都市型劇場「那覇文化芸術劇場なはーと」の進捗状況と、質の高い舞台作品の公演やアウトリーチ等の事業実施、芸術活動などを通して、新たな価値を生み出すまちを先導する取組。

 (9)しまくとぅばは、ウチナー芝居、組踊、琉球舞踊、古典音楽、民謡など、沖縄の伝統文化とアイデンティティーの根幹・基層となっています。しまくとぅばの継承・普及に頑張っている市内の団体と本市の取組を伺います。

 (10)本市は、昨年の3月に那覇市文化芸術基本条例、9月に那覇市文化芸術基本計画を策定し、歴史と共に築いてきた豊かな文化芸術を将来にわたり継承・発展させ、新たに創造することを通して、まちに活力を与え、多様性に寛容な社会を実現することで、市民及び那覇市に集う全ての人が心豊かに過ごせるよう、本市文化芸術の薫り高いまちの実現に向けて施策を展開しています。全ての市民が文化・芸術を創り出し楽しむことができるよう力を尽くしている那覇市文化協会の役割を伺います。

7.経済施策について
7点質問します。
 (1)経済分野での主なコロナ対策と課題。

 (2)緊急事態宣言で時短協力金を支給する推定事業者数と推定支給総額。

 (3)コロナ禍で打撃を受けた商店街の活動継続や活性化を図るため、商店街や通り会等が行うPR事業、課題解決のための事業などの提案事業に対し、頑張るマチグヮー等支援基金を活用し支援する取組。

 (4)コロナ感染状況を踏まえ、市域事業者が新たな生活様式に対応しながら事業活動の継続及び事業転換や業態変更などへの取組支援。

 (5)民間事業者のノウハウを活かしたアイデアソン・ハッカソンのイベントを開催し、オープンデータの利活用を推進する取組。

 (6)第一牧志公設市場の整備の進捗状況と完成効果。

 (7)「牧志公設市場の衣料部・雑貨部は、2021年度末に廃止する方針とし、入居事業者に対しては移転補償を通して事業再開の支援を行う」との施政方針の取組を伺います。

8.都市基盤整備について
 (1)交通渋滞の緩和やバリアフリー化等、安全性、快適性の向上を図る道路網の整備と、LRT、鉄軌道導入など体系的な交通網整備。

 (2)策定中の水道事業経営戦略及び下水道事業経営戦略について。

 (3)新真和志支所複合施設建設の概要を伺います。

9.公私連携幼保連携型認定こども園の基本協定の更新について
 (1)本市では、2016年度より、子育て支援の充実などを図るため、公立幼稚園の幼保連携型認定こども園への移行を順次進めています。このうち、半数程度を公私連携型として設置していますが、2016年度に移行した公私連携型4園の基本協定は今年度で期間満了となります。そこで、基本協定更新に向けた手続きを伺います。

 (2)更新後の基本協定の変更点の概要を伺います。

10.中学校夜間学級(いわゆる夜間中学)について
 本市議会は11月定例会で、本市への夜間中学の設置実現を積極的に推進するよう強く求める決議を全会一致で採択しました。市民を代表する市議会の決議への対応を伺います。

11.米軍基地問題等について
 今年は、日米両政府が米海兵隊普天間基地の全面返還で合意して25年です。世界一危険と言いながら、それを放置し、閉鎖も返還も実現しないのは、日米両政府が県内移設=辺野古新基地建設に固執し続けてきたためです。そして、県民投票での7割を超える新基地埋め立て反対の圧倒的民意と民主主義を否定し、強権を振るい埋立工事を強行してきました。しかし、埋め立ては、最も深い所で海面下90メートルにも及ぶ軟弱地盤の改良工事が、専門家らからも実施不可能と指摘されるなど、完成の見通しは全く立たない状況で、破綻は明白です。新基地建設のための莫大な予算はコロナ対策に回すべきです。県解を伺います。
 あとは、質問席より再質問を行います。

○久高友弘 議長
 城間幹子市長。
○城間幹子 市長
 古堅茂治議員の代表質問1.コロナ禍についての御質問のうち、私のほうから(9)、(10)エッセンシャルワーカーへの慰労金について順次お答えいたします。
 政府は令和2年度、第2次補正予算において、医療・介護・障がい福祉の分野で働く方への慰労金について予算措置を行っております。実際の給付等は、主に県が主体となり現在、対象者である医療従事者や介護施設等の職員への給付を実施中とのことであります。
 次に、保育所や放課後児童クラブの従事者への慰労金の支給についてですが、本市としましては、保育所等については、介護施設等と同様に感染防止対策を徹底した上で原則、開所という国の方針に基づき、感染リスクを抱えながら保育を継続していることを踏まえ、国の責任で慰労金を支給することが望ましいと考えていたところでございます。
 そのような中、沖縄県においては、今年1月に再度、県独自の緊急事態宣言が発出され、さらに2月28日まで延長されました。このような第3波の状況を踏まえ、本市としましては、保育従事者等や放課後児童クラブの職員の皆様に対し謝意を表するとともに、労をねぎらうため慰労金を本市単独事業として給付する予定で現在、準備を進めております。
 具体的には、保育所、こども園、地域型保育事業所、認可外保育施設、私立幼稚園といった就学前のすべての教育・保育施設と放課後児童クラブを対象にその施設に勤務する保育士や保育教諭、放課後児童支援員、事務員、調理員の皆様など、原則として全ての職員へ給付する予定です。
 そのため、対象者は7,200人程度に上るものと想定しており、予算は予備費から約8,700万円を充当し、年度内の給付を計画いたしております。
 エッセンシャルワーカーである保育士等の皆様に対しては、コロナ禍の中、子供たちを感染から守るために丁寧な感染防止対策を講じた上で、原則開所の方針に御協力いただいたことに対し、この場をお借りして改めて感謝申し上げるとともに、本慰労金を謝意の気持ちとして受領していただければと考えております。
 続きまして、御質問の4番目、(1)についてお答えいたします。
 今回の施政方針は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大という困難の中、一つ一つ課題を乗り越えていく決意を込めさせていただきました。また、市制施行100周年の節目を契機に、未来に向けた新たな行動を起こしてもらいたい。その思いを温故起新という言葉で表しております。
 この先も厳しい対応が求められる感染症対策は、ニーズに応じた切れ目のない支援を行っていくとともに、ワクチンについても市民の皆様が安心して接種できるよう全力を尽くしてまいります。
 重要施策として位置づける子供政策分野においては、子供たちの健やかな成長のために力を注いでいくとともに、経済振興分野では地域の魅力を再認識し、選ばれるまちづくりに取り組むこととしております。
 また、命どぅ宝の心を発信し続けていく平和への思いのほか、多様な主体の皆様とともに協働の絆を紡ぎ、協働によるまちづくりを深化させていきたいと考えております。
 そのほか、デジタル化の取組、首里城の復興に関連した古都首里のまちづくり、那覇軍港の着実な跡地利用及び次期沖縄振興計画の策定に向けた取組の推進などについても思いを述べさせていただきました。
 私たちは今、大きな試練の渦中にありますが、県都として未来に向かって羽ばたこうという気概をもって常に32万市民の幸せを願い、市政運営にまい進していく決意でございます。

○久高友弘 議長
 松田義之選挙管理委員会委員長。
○松田義之 選挙管理委員会委員長
 ハイサイ。古堅茂治議員の代表質問2番、(1)、(2)についてお答えします。
 選挙は国民が主権者としてその意思を政治に反映させることのできる重要かつ基本的な機会であります。また、選挙の自由と公正を守るために、公職選挙法は様々な禁止をしております。選挙買収についても罰則規定を設けており、選挙犯罪の中でも最も悪質な犯罪と言われております。
 なお、今回の選挙で裁判所は民主主義の根幹である選挙の公正を害する犯行と指弾したとの報道がありました。選挙管理委員会としましては、投票の呼びかけのみならず、選挙運動でできること、できないことをもっと有権者に伝えていく必要があると改めて思っております。

○久高友弘 議長
 長嶺達也健康部長。
○長嶺達也 健康部長
 御質問の1.コロナ禍について、そのうち(1)、(11)、(12)及び(13)について順次お答えいたします。
 (1)感染状況につきましては、沖縄県の2月14日時点の発生状況公表内容によりますと、陽性者数7,990人のうち、回復され入院勧告解除等になった方が7,510人、入院数253人のうち、重症が2人、宿泊療養中が52人、自宅療養者50人、入院。・療養調整中が24となっております。
 また、入院1週間以内の重症化率(直近1週間)は0.6%でございます。大変残念ではございますが、死亡退院が101人になりました。御冥福をお祈り申し上げます。
 今年1月中旬までは若い年代の陽性者が多かった状況から家族感染が増え、高齢者への感染も広がっております。また、感染源が不明な陽性者も多く、引き続き厳しい状況でございます。
 次に、(11)新型コロナウイルス感染症の予防接種は、感染症の患者や重症者、死亡者の発生をできる限り減らし、結果として新型コロナウイルス感染症のまん延の防止を図ることを目的としております。
 予防接種の実施において、市町村の主な役割は、地区の医師会等と連携し必要な医療機関等の確保、集団接種のための会場等の確保及び運営、市民への接種勧奨や情報の提供、接種に関する相談、健康被害救済の申請受付があり、現在、実施計画等を策定中でございます。
 予防接種の開始時期につきましては、国が接種順位を定めており、最初に医療従事者等、続いて65歳以上の高齢者、基礎疾患を有する方、高齢者施設等の従事者、16歳~64歳までの方の順で進め、おおむね9月に接種を完了することを目標としております。
 ワクチン接種を進めていくには、医療機関をはじめ、様々な分野の方々の御協力が必要となります。医療機関の皆様には取扱い等に特性のあるワクチンの管理をはじめ、集団接種や個別接種、往診による接種等、市との連携について那覇市医師会と調整を行っております。
 本市の体制にといたしましては、令和3年2月1日に新型コロナウイルスワクチン接種推進室を設置し、現在8人が担当しております。市民への情報提供、予約や相談等、予防接種の実施に向け、今後も体制強化を図ってまいります。
 次に、(12)新病院の新型コロナの影響を踏まえた設計内容の一部見直しにつきましては、市民の命を守るために感染症対応を強化するとともに、一般診療との両立を図ることを目指し、今回見直しを行っております。
 具体的には動線計画の見直しにより、急病センターから直接感染症対応を行う病棟へ患者を搬送するため、急病センターに隣接して専用エレベーターを1基増設することとしております。また、病室の配置計画を見直し、感染症対応病棟に個室を重点的に配置するとともに、あらかじめ陰圧装置を整備することといたしました。
 これらの変更により、感染症患者の受入可能な病床数は、最大時において現病院の1.7倍となる41床を確保できます。また、患者数の増加に合わせ、段階的な病床拡大を行うことが可能となることで、極力一般診療に影響を与えない設計となっております。
 新病院は感染症指定病院として整備するのではございませんが、協力病院として引き続きその役割を果たせるよう整備してまいりたいと考えております。整備スケジュールにつきましては、新型コロナの影響により実施設計及び自走式立体駐車場の整備が次年度へ繰り越しとなりますが、令和3年度は沖縄振興特別措置法の最終年度であることから、財源としてのハード交付金を可能な限り有効活用できるよう、令和4年1月に予定している本体工事の建設着工については変更せず進める予定としております。
 今回の設計一部見直しの結果、総事業費は約3億5,000万円増加し、約278億円となる見込みとなりますが、新病院が提供する医療機能を充実するための費用増加となってございます。
 最後に、(13)県内と米軍関係者のコロナ感染状況についてでございます。
 県内におけるコロナ感染者数は、2月14日現在、7,990人、県内の人口約146万人に対し発生率0.55%となります。一方、米軍関係者のコロナ感染者数は992人、米軍関係者数を2011年の県の資料から約4万7,300人とした場合、発生率は2.1%となります。

○久高友弘 議長
 仲本達彦企画財務部長。
○仲本達彦 企画財務部長
 代表質問の1番目、(2)、(3)の御質問に順次お答えいたします。
 まず本市では、命を守る、経済をつなぐ、日常をつくるを3本柱として具体的な施策を幅広く進めてまいりました。命を守る観点からは、医療従事者のための宿泊ホテルの確保、小児・妊婦等へのインフルエンザ予防接種事業などのほか、現在、通所介護サービス利用の高齢者等へのPCR検査の実施に向け、鋭意取り組んでいるところでございます。
 経済をつなぐ観点からは、頑張る事業者応援事業、とまーるクーポン事業などのほか、土産品消費促進事業等を展開しております。
 日常をつくる観点からは、GIGAスクール事業、スクール・サポート・スタッフ配置事業、テレワーク推進施設整備事業などを実施してまいりました。
 次に、沖縄県では経済対策基本方針を定めたほか、各分野を網羅した感染症対策を幅広く講じております。1例としましては、介護・医療施設職員への定期的なPCR検査強化事業、営業時間短縮の協力金としてのうちなーんちゅ応援プロジェクト、おきなわ彩発見キャンペーン事業、ハピ・トク沖縄クーポン事業、小中学校の学習指導の支援員配置事業等となっております。

○久高友弘 議長
 宮城寿満子福祉部長。
○宮城寿満子 福祉部長
 代表質問1、(4)~(6)について順次お答えいたします。
 初めに、(4)琉球新報社とおきなわこども未来ランチサポートが行ったインターネットアンケートの結果につきましては、新聞報道によりますと、手取り所得がコロナ前の半分以下に減った方が28.9%、家賃や公共料金の支払いが困難と答えた方が25.7%、また現在の困り事として、新型コロナウイルスの感染を心配する方が72.1%、今必要なものとして個人への給付金が58.8%に上るなど県民の厳しい生活実態が表れたと報じられております。
 続きまして(5)住居確保給付金や緊急小口資金等の活用状況についてお答えいたします。
 直近の令和3年1月分として支給した住居確保給付金の総支給件数は594件、うち新規支給決定数は30件、総支給額は2,001万4,100円となります。前年同月の総支給件数は13件となっておりますので、対前年同月比で46倍の利用状況となります。令和2年4月~令和3年1月までの累積総支給件数は4,650件、うち累積新規決定件数は865件、累積総支給額は1億5,656万1,000円となっております。前年同月の総支給件数は86件となっておりますので、対前年同月比で54倍の利用状況となります。
 次に、緊急小口資金及び総合支援資金の特例貸付決定状況について、市社会福祉協議会に確認しましたところ、2月5日までに貸付決定した件数は、緊急小口資金が1万1,268件、支給額は21億3,560万円、総合支援資金が1万789件、支給額は56億1,088万5,000円となっております。
 続きまして(6)生活保護の役割、コロナ禍での受給状況、扶養照会の課題についてお答えいたします。
 最後のセーフティーネットと言われている生活保護は、資産の活用、能力の活用、あらゆる制度の活用をしてもなお生活を維持できないときに生存権を保障する憲法第25条の理念に基づき、健康で文化的な最低限度の生活を営むために必要な保護を行い、自立した生活を送れるよう支援する制度です。
 令和3年1月末時点での本市における生活保護受給平均世帯数は、1万274世帯となっており、平均保護率は40.91‰となっております。現在、コロナ禍の状況によりますが、住居確保給付金や緊急小口資金の貸付など様々な支援制度が充実していることもあり、極端に生活保護受給者が増えている印象は受けておりません。
 また、扶養照会については、生活保護制度における扶養義務の規定で、その人的範囲として夫婦のほか、直系血族及びきょうだいとこれら以外の三親等内の親族とされていますが、そのことで生活保護申請をためらう方がいらっしゃることについては、マスコミ報道等により承知しているところでございます。
 扶養照会につきましては、より弾力的に運用できるよう厚生労働省で検討しているとマスコミ等でも報道されていることから、今後、国の動向について注視してまいりたいと考えております。

○久高友弘 議長
 名嘉元裕経済観光部長。
○名嘉元裕 経済観光部長
 代表質問1番目の(7)、(8)について順次お答えいたします。
 初めに、(7)観光産業への影響と休廃業・解散企業の動向、経済への影響についてお答えいたします。
 新聞報道等によりますと、2020年に全国で休業や廃業、解散を行った企業は5万6,103件、前年比5.3%の減となっておりますが、県内は460件、前年度比8.2%の増で2年ぶりに増加しており、この比率は徳島県の9.3%に次いで全国で2番目に高い増加率となっております。
 特に宿泊や医療等のサービス業が103社22.3%で最も割合が高く、次いで建設業が64社13.8%となっております。県内の休廃業・解散によって失われた正規雇用は1,162人、売上高186億円とされており、多大な影響を受けております。
 県内の経済状況について、日本銀行那覇支店が昨年12月に発表した県内企業短期経済観測調査結果によりますと、業況判断D.I.は、全産業でマイナス19ポイント、中でも宿泊・飲食サービスがマイナス62ポイントと最も大きな値となっております。9月の前回調査と比べますと全産業で13ポイント、宿泊・飲食サービスは24ポイント上昇しているものの、観光関連産業は依然として厳しい状況が続いております。
 次に、(8)雇用情勢と非正規、女性、若者への影響についてお答えいたします。
 沖縄労働局の発表によりますと、2020年平均の県内の有効求人倍率は0.9倍で、前年比で0.04ポイントの悪化となっております。また、県の発表によりますと、令和2月12月における完全失業率は3.4%となっており、失業者数では男女別で比較すると、男性は前年同月に比べ18.2%の増加の1万3,000人、女性は62.5%の増加の1万3,000人となっております。
 次に、県内の雇用者に占める非正規雇用者の割合は、39.3%で、対前年同月と比べ非正規雇用者の割合が2.1%増加となっており、このことからも非正規で働く割合の高い女性への影響もあるものと考えております。
 次に、若者への影響について、沖縄労働局の発表によりますと、令和2年10月末現在、新規高卒者の就職内定率は26.7%で、前年同期比で1.3ポイントの低下、新規大卒者の内定率は49.5%で、前年同期比で1.6ポイントの低下となっており、さらに新規専修学校卒業者の就職内定率は31.6%で、前年同期比6.3ポイントの低下となっていることからも、県内の若年者雇用状況にも影響がみられております。

○久高友弘 議長
 屋比久猛義総務部長。
○屋比久猛義 総務部長
 御質問の2.政治倫理、清潔な政治についての(2)~(5)について順次お答えいたします。
 初めに、(2)放送行政などを所管する総務省の幹部等が関連事業会社に勤める菅首相の御長男から個別に接待を受けたとの報道については、様々なメディアにより承知しております。状況について現在調査中であることでございますが、内容によっては国家公務員倫理法に基づく倫理規定に抵触する可能性もあることから、政府におかれましては、国民に疑念を抱かれることのないよう、しっかりと事実関係を確認した上で説明責任を果たしていただきたいと思っております。
 次に、(3)緊急事態宣言下において、政府幹部等数名による午後8時以降の銀座クラブへの訪店については、コロナ禍において国民が大きな制約を受けている中で、規範を示すべき立場の方々の行動として不適切であったと感じております。
 本市においても市内飲食業者に対し午後8時以降の時短営業を要請し、市民の皆様への不要不急の外出を控えるよう御協力をいただいているところでございます。事態収束に向けて必死で頑張っている多くの事業者や市民の皆様の努力を無駄にしないためにも、国民を牽引するリーダーの皆様にはどうかより強い自覚をもって行動いただきたいと思うところでございます。
 次に、(4)について、先月実施された宮古島市長選の候補者支援のため、中山石垣市長は同市を訪れた際、地元の支援者と接待を伴う飲食店などで会食していたことを先日明らかにし、石垣市議会において陳謝したとのことでございます。コロナ禍という厳しい状況が続く本県でございますので、本市といたしましては、より一層気を引き締めて市民県民と力を合わせ一丸となって事態を乗り越えていきたいと考えております。
 次に、(5)について、去る1月29日、加藤内閣官房長官が記者会見により、菅首相が官房長官を務めていた第2次安倍政権下で支出した内閣官房報償費は約95億4,000万円、そのうち政策推進費が約86億9,000万円であったことを明らかにしておりますが、その使途については説明されておりません。
 政策推進費についても公金である以上、国民の不信を招くことがないよう、より厳正な執行が政府には求められているものと認識しております。

○久高友弘 議長
 仲本達彦企画財務部長。
○仲本達彦 企画財務部長
 代表質問3番目の御質問に一括してお答えいたします。
 令和3年度の沖縄振興一括交付金の国の予算額は、981億円で、令和2年度比で33億円、令和元年度比で112億円の減額となっております。沖縄振興において重要な一括交付金が減少傾向にあることは、本市のまちづくり全般に多大な影響があり、減少分を一般財源で補うこととなれば、財政運営上も大きな支障が生じるものと懸念しております。
 また、沖縄振興特定事業推進費の推移は、本市への交付額として、令和元年度が約3億6,000万円、令和2年度が約8億6,000万円、令和3年度は約23億9,000万円を見込んでおります。
 次に、新たな振興計画の骨子案では、目標として沖縄21世紀ビジョンで掲げた5つ将来像の実現に加え、SDGsを取り入れることやアフターコロナの新しい生活様式に適合することが掲げられております。
 さらに従来の誰一人残すことのない優しい社会の実現や強くしなやかな自立型経済の構築に加え、持続可能な海洋島しょ圏の形成を施策展開の基本方向としております。
 計画体系は、世界に誇れる環境地域モデルの形成や県民所得の向上につながる稼ぐ力の強化など、33の基本施策の下、111の施策展開で構成されております。骨子案では基本的な課題を網羅する幅広い施策が設定されており、沖縄21世紀ビジョンに示す基本理念の実現に資するものであると認識しております。
 なお、同計画の実効性を担保するためには、その裏づけとなる財源確保や法整備が不可欠であると考えております。国において確実に対処されることが今後の課題になるものと認識しております。
 続きまして代表質問4番目の(2)、(3)の御質問に順次お答えいたします。
 初めに、2021年度の一般会計予算案につきましては、対前年度比2.2%増となる1,610億1,700万円となっております。コロナ禍による市税減収はあるものの、旺盛な行政需要に対応すべく過去最高の予算規模となっております。
 まず喫緊の課題である感染症防止対策として、新型コロナウイルスワクチン接種を行ってまいります。次に子供政策では、保育士確保に向け引き続き復職支援や正規雇用の促進などを図ってまいります。また、経済振興政策では、コロナ禍による市域事業者の事業転換や業態変更などへの取組などを支援してまいります。公共施設では、那覇文化芸術劇場なはーとの整備のほか、市営住宅や学校校舎建替事業などを着実に進めてまいります。
 このように、次年度一般会計案は、コロナ対策をはじめ、市民ニーズに応える様々な施策を展開する予算編成となっております。
 次に、コロナ禍による税収につきましては、新増築分家屋などにより固定審査税が増となったものの、とりわけ法人市民税、個人市民税への影響が甚大であり、対前年度比約21億5,000万円の減となっております。これらに対し、財政調整機能の役割を担う地方交付税、臨時財政対策債を大幅に増額することにより補っております。自主財源の柱である市税収入の減収、財政調整基金残高の減、臨時財政対策債など市債の増により、本市財政への影響は避けられず、今後も厳しい財政状況が続くものと認識しております。
 状況の改善には経済の回復が強く望まれるため、今後とも国の動向を注視しつつ、引き続き広範な経済対策を講じていく必要があろうかと考えております。

○久高友弘 議長
 屋比久猛義総務部長。
○屋比久猛義 総務部長
 御質問の5.平和行政・平和教育について順次お答えいたします。
 初めに、(1)について、本市では戦争の恐ろしさについて理解を深め、平和の尊さを学び、平和に対する意識の高揚や戦争の実相を次の世代へ継承する人材育成を目的として、平成8年より毎年、長崎市で開催される青少年ピースフォーラムへ市内中学生の派遣事業を継続して実施しております。
 令和2年度は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により中止せざるを得ませんでしたが、令和3年度は長崎市への派遣事業実施を予定しております。また、6月23日の慰霊の日の前後1週間は本庁舎1階ロビーにおいて平和に関するパネル展を実施する予定です。パネル展では戦時中の写真や対馬丸事件のパネルなどのほかに、市内小中学生が平和に対する思いを1枚の葉っぱ形のメッセージカードに書き込み、その葉を集め、大きな平和の大樹を作成する企画も予定しております。
 さらに、今年度より市内小中学生向けに実施した平和への思い、絵画コンクールを次年度も開催し、優秀作品を10月頃に本庁舎1階ロビーにて展示する予定です。平和の尊さを伝えていく取組を今後も進めてまいります。
 次に、(2)について、令和3月1月22日に開催された第32軍司令部壕保存・公開検討委員会第1回会合では、戦跡・沖縄戦研究分野をはじめ、法律・経済・地質学・地域振興・情報技術など、様々な分野の委員が参加され、活発な議論がございました。
 議論の特徴としましては、「保存・公開ができる・できない」という論点ではなく、壕内の印象や委員それぞれの分野における意見が述べられたことが挙げられます。また、議論の内容を周知することが重要であり、そのことにより県民・観光客も含めて関心の高まりが期待できるとの考えで一致し、会合を公開するという決定においては、県民総じての事業にしたいとの強い思い(メッセージ)が込められていると感じております。
 本市の関わりといたしましては、委員会の準備段階において、地域振興分野の委員候補となる地域団体代表者を推薦するとともに、壕内の第2・第3・第5坑道の視察、第1回会合への参加など、検討委員会の事務局員として職員を関わらせております。また、文化財指定をテーマとして来月3月29日開催予定の第2回会合には、事務局職員に加えて文化財担当課職員を会合に同行させるなど、今後とも県と緊密な連携を図るべく取り組んでまいりたいと考えております。
 次に(3)について、新聞報道によると、「太平洋戦争時に日本軍が本土の芸者らを連れ開設した偕行社にいたとみられる女性らが、第32軍司令部壕の特殊軍属として動員されていたことが分かった」、「沖縄戦の識者は、特殊軍属が慰安婦、慰安所を示すとし、司令部に慰安婦がいたことを公文書が裏付ける重要な資料と指摘」などと報じられております。
 このような資料の研究により、沖縄戦の実相が正しく次世代に継承されていくことは大変重要であるものと認識しております。
 続きまして(4)について、恒久へいわモニュメント「なぐやけ」については、これまで案内板等がなく設置場所が分かりづらいとの声があったため、県内外の人を誘導できるよう、旭ヶ丘公園内にT型誘導板3基と案内板1基の誘導サインの設置を予定しております。
 具体的な設置場所等につきましては、同モニュメントに関連の深い団体である那覇市連台遺族会や自治会等の意向を確認しながら調整し、進めてまいりたいと考えております。
 また、議員御提案の公園の名称につきましても関係部署と引き続き調整し、検討してまいりたいと考えております。
 最後に、(5)について、核兵器禁止条約の発効は、「核兵器のない世界」を願い自ら体験した凄惨な証言を続けてこられた被爆者の声や核兵器の廃絶と恒久平和を求める市民社会の声が国際世論を後押しした成果であります。
 本市が加盟する日本非核宣言自治体協議会においては、令和2年度総会で条例発効後1年以内に開かれる締約国会議に日本がオブザーバーとして参加し、核保有国と非核保有国の橋渡し役として、核軍縮に向けた具体的な議論に参画することを求める決議をしております。
 この条約の発効をもって直ちに核兵器が廃絶されるわけではございませんが、本市といたしましては、引き続き、核兵器廃絶を求める自治体及び団体と連携し、国際社会とともに核不拡散と核兵器廃絶を強く求めてまいります。

○久高友弘 議長
 仲本達彦企画財務部長。
○仲本達彦 企画財務部長
 代表質問の6番目、(1)、(2)の御質問に順次お答えいたします。
 初めに、首里城復興計画の素案では、8つの基本施策が示されております。
 1つ目は、正殿等の早期復元と復元過程の公開、2つ目は、火災の原因究明及び防火設備・施設管理体制の強化、3つ目は、首里城公園のさらなる魅力の向上、4つ目は、文化財等の保全、復元、収集、5つ目は、伝統技術の活用と継承、6つ目は、新首里杜構想による歴史まちづくりの推進、7つ目は、歴史の継承と資産としての活用、8つ目は、琉球文化のルネサンスとなっております。
 基本計画の策定に向けては、これまでに首里城復興基本計画に関する有識者懇談会、新首里杜構想検討部会及び琉球文化継承・振興検討部会がそれぞれ3回開催され、本市からは関係課長がオブザーバー参加し、情報収集と必要な情報発信を行っております。
 各会議とも各分野の専門家の委員による議論が公開で行われており、とりわけ新首里杜構想によるまちづくり、首里城公園のさらなる魅力の向上及び琉球文化のルネサンスの施策については、より活発な議論が展開されております。今後、各会議での議論を踏まえ、3月には首里城復興基本計画が策定される予定となっております。

○久高友弘 議長
 比嘉世顕市民文化部長。
○比嘉世顕 市民文化部長
 代表質問の6.文化行政の御質問に(3)~(10)について順次お答えいたします。
 初めに、(3)中城御殿の整備計画に城郭内文化財展示収蔵機能を付加し改訂することについてお答えいたします。
 首里城の火災を受けて、首里城復旧・復興推進本部会議での中城御殿整備計画において、中城御殿に展示・収蔵機能を持たせ、首里城に展示されていた美術工芸品などの文化財を展示・収蔵することが検討されております。文化財が守られる環境づくりは重要であることから、本市といたしましては県や本部会議の議論の推移を注視してまいりたいと考えております。
 続きまして(4)首里城に関連する尚家文書の翻刻・公開の取組についての御質問にお答えいたします。
 本市が所蔵する尚家文書の中に、百浦添御普請日記と題する1842年から1846年に行われた首里城修理の記録が存在します。令和3年度にこの首里城修理記録を現代語に訳し、分かりやすい解説を加えた資料集を刊行する尚家文書公開・刊行事業を予定しております。首里城の再建に向けての取組が進められる中、かつての首里城修理工事がどのような形で行われたのかを広く伝え、再建の機運を一層高めることにつながるものと考えております。
 続きまして(5)崇元寺跡の国史跡指定に向けた取組についてお答えいたします。
 崇元寺跡は、歴代国王の位牌を安置した琉球王国の国廟であり、1527年頃に創建されたと考えられております。琉球国王即位の際に中国から派遣される冊封使が沖縄を訪れた際には、亡くなった先王をまつる先王論祭の儀式が崇元寺で執り行われました。このように琉球王国時代の重要な施設であることから、昭和8年には国宝保存法により国宝に指定されております。
 残念ながら寺院の建物等は沖縄戦によって焼失し、残された石門と石垣が旧崇元寺第一門及び石牆として国の重要文化財に指定されております。また、現在、崇元寺公園となっております一帯は昭和57年に発掘調査が行われており、遺構が良好な状態で出土しております。現在、当該地の史跡としての評価を検討する必要があるため、崇元寺公園内の発掘調査を再び実施しており、新たな遺構が検出されるなど一定の成果を上げております。次年度以降、今回の調査成果を報告書にまとめ、国指定に向けて資料を作成するとともに、国指定史跡の指定に向け、国・県と調整を進めてまいります。
 続きまして(6)、(7)の佐藤惣之助についての御質問にお答えいたします。
 六甲おろしや美わしの琉球のほか、古賀政男作曲の東京娘、人生の並木路などを作詞した佐藤惣之助は1980年に川崎市で生まれ、1922年に沖縄及び台湾を旅行し、首里や那覇の風景を詠み、琉球諸嶋風物詩集を刊行しました。
 川崎市出身の陶芸家で人間国宝の濱田庄司が製作した佐藤惣之助詩碑は、戦後に川崎市民から、沖縄と川崎を結ぶ友情の絆、そして戦火で疲弊した沖縄県民の希望の灯となるよう本市に贈呈され、当時は琉球大学構内であった首里城跡地に設置され、惣之助の17回忌に当たる昭和34年5月15日に除幕式が行われました。
 詩碑はその後、平成4年の首里城復元の際に、首里赤平町の虎瀬公園内に移設され、現在に至っております。この詩碑を首里城公園内の一角に改めて移設するため、昨年末の12月に移設工事の制限付一般競争入札を実施したものの、応札者がなく、入札参加資格を有する業者約30社と個別に交渉したものの、人員不足などの理由により契約には至っておりません。
 移設工事につきましては、予算の繰越手続を経て改めて入札を実施する予定であります。移設除幕式につきましては、惣之助の命日に合わせ令和3年5月15に予定しておりましたが、移設工事の状況を踏まえ、延期することといたしました。除幕式の日程につきましては、那覇文化芸術劇場なはーとの開館時期に、那覇市市制100周年記念事業の一環としての実施に向け、関係者と調整を進めているところであります。
 続きまして(8)那覇文化芸術劇場なはーとの建設工事の進捗状況としましては、建物の躯体工事を完了し、屋上防水、外壁塗装などの外部工事と併せて内部天井や壁などの内装工事や電気工事、機械工事、舞台設備工事などの配管、機器設置を進めております。これまで磁気探査による異常点の確認探査等により時間を要したこと、作業員の確保に苦慮したこと、新型コロナウイルスの影響や追加敷地の外構工事の追加などがあり、これまで工程の再検討等を行い、工期内完成に向け取り組んでまいりましたが、工期内完成が困難となったことから工期を令和3年5月31日まで延長する手続を進めております。
 これまで令和3年秋頃としておりました開館日については変更はなく、先日、市長定例記者会見の場で、本年10月31日開館と発表したところでございます。施設完成後、開館までの期間は音響や照明備品の整備、施設スタッフの舞台機構の訓練等を行なってまいります。開館後は記念式典を皮切りに、こけら落としシリーズや那覇市市制100周年記念事業の開催を予定しております。
 那覇文化芸術劇場なはーとでは、伝統芸能をはじめ、演劇、ミュージアム、クラシック音楽のほか、市民と一緒に創り上げるアート作品や参加型の公演事業、ロビーコンサート等を準備しております。文化芸術の力を最大限に生かし、まちに活力を与え、多様性に寛容なまちづくりを推進してまいります。
 続きまして(9)しまくとぅばの継承・普及に頑張っている市内の団体と本市の取組についてお答えいたします。
 本市では那覇市文化協会とNPO法人沖縄県沖縄語普及協議会の2団体の取組を把握してございます。ほかにも様々な団体がしまくとぅばの継承・普及に取り組んでおられるものと理解しております。本市の取組といたしましては、平成17年度から実施しておりますうちなーぐち講座・成果公演がございます。
 また、今年度策定いたしました那覇市文化芸術基本計画におきまして、うちなーぐちの普及・継承の多様な手法が創設されるための環境整備を図り、うちなーぐちの普及啓発のための効果的な取組を今後、推進していくこととしております。那覇市文化協会をはじめとしたしまくとぅばの継承・普及に取り組んでおります団体などとも連携を図ってまいりたいと考えております。
 最後に、(10)那覇市文化協会の役割等についてお答えいたします。
 那覇市文化協会は、地域と密着した文化活動や文化を通した交流事業などを多数行っており、同協会に所属する伝統芸能の人間国宝の皆様をはじめとする多くの方々が活躍されております。このような多様な文化活動を実践してきた方々において、県都である那覇市の誇れる文化の保存・継承・発展に貢献いただいております。
 その活動を牽引する那覇市文化協会は、本市の質の高い市民文化活動を維持するとともに、文化行政の推進に欠かせない存在であると認識しております。本市といたしましては、市民の伝統文化の保存・継承等をはじめとする多様な文化活動の発展のため、引き続き同協会と連携を図りながら支援を継続していきたいと考えております。

○久高友弘 議長
 武富剛教育委員会学校教育部長。
○武富剛 教育委員会学校教育部長
 御質問のうち、学校教育部所管分についてお答えいたします。
 教育委員会としましては、しまくとぅばを日常生活の中で気軽に親しむことで身近に感じ、また沖縄の伝統文化や芸能等の関心を高めていくことを目的として、平成24年度から29年度までの間、本市で作成いたしました小冊子「ちかていあしばな しまくとぅば」を市内小中学校に配布しております。平成30年度以降は配布された小冊子を各学校で保管し、活用しております。
 また、県から毎年配布される小学校向けと中学校向けの「しまくとぅば読本」も活用しております。学校では、しまくとぅばで授業や給食時間の始めと終わりの挨拶、運動会のラジオ体操、お昼の放送で「くがに」言葉を流すなど、しまくとぅばに気軽に触れる機会を設けております。
 また、今年度は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため中止となりましたが、例年は「琉球王朝祭り首里」「語やびら島くとぅば大会」に参加する児童生徒もおります。

○久高友弘 議長
 名嘉元裕経済観光部長。
○名嘉元裕 経済観光部長
 代表質問7番目の(1)~(4)及び(7)について順次お答えいたします。
 初めに、(1)経済分野での主なコロナ対策と課題についてお答えいたします。
 本市の新型コロナウイルス感染症の対応については、3つの基本方針及びこれを支える6つの柱に基づき、各種支援に取り組んでおります。そのうち、経済対策につきましては、市内事業者等に対する経営相談支援、国や県のセーフティーネットに関する融資手続支援、うちなーんちゅ応援プロジェクトの給付金窓口支援に関する事業を実施しております。
 また、経済をつなぐ応援給付や、ちむぐくる応援給付、コロナ関連融資を受けた事業者応援給付等の事業者応援給付金支援、働き方改革からニーズが高まっているテレワークを推進する施設整備やライブハウス・民謡酒場等における新たな収益モデルへの転換、休業要請等に応じた県協力金への追加協力金給付等の事業活動継続支援に関する事業を実施しております。
 その他、商店街等が感染拡大防止や道路空間を活用したマルシェ事業等への商店街支援、市内宿泊・飲食等消費促進クーポン事業等の消費促進活性化支援に関する事業を実施しております。
 本市の場合、県経済の中心市として多くの法人・個人事業者が立地し事業活動を展開しており、影響を受けた市域事業者全てを網羅した給付等の支援措置は、規模相応に事業費が巨額となるため、財政措置が困難となるなどの課題があるものと認識しております。
 次に、(2)緊急事態宣言で時短協力金を受給する推定事業者数と推定額につきましてお答えいたします。
 沖縄県によりますと、時短協力金の支給対象となる事業者は、県全体では約9,900事業者あり、要請期間である令和2月12月17日から令和3年2月末までの延べ数は約3万7,300事業者、事業規模での総支給額は約236億円を見込んでいるとのことです。
 那覇市における上乗せ協力金については、2,700事業者、支給額3億2,400万円をすいていしております。なお、本市においては県の要請期間のうち、令和2月12月17日から12月28日の全ての期間に要請に応じ、県の協力金支給を受けた事業者を対象としております。
 次に、(3)頑張るマチグヮー等支援基金を活用し支援する取組についてお答えいたします。
 本市では、従来からの取組の1つに、中心商店街を対象に活性化に向けた自主的な取組を支援するため、頑張るマチグヮー等支援基金を活用した補助事業を実施しております。併せて今年度は、中心商店街を含めた市内商店街に対し新型コロナウイルス感染症の影響を最小限にとどめることを目的に、商店街が緊急的に取り組むコロナ対策事業に補助金を交付する那覇市商店街新型コロナウイルス感染症対策支援事業を実施しているところであります。
 中心商店街を生かしたまちづくりに当たっては、商店街・通り会としての活性化の取組が重要と考えておりますので、他の商店街等の状況をみながら支援策等の実施に向けて取組を進めてまいりたいと考えております。
 次に、(4)市域事業者の事業転換や業態変更などへの取組支援についてお答えいたします。
 新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、市域経済が大変厳しい状況となっている中、地域の事業者においては倒産の回避や雇用の維持等を目的とした事業活動の継続に加え、新たな社会生活様式に対応した取組が求められております。本市では、これらの市域事業者がコロナ禍を乗り越えるため、業態の転換や新たな事業等への挑戦を支援することを目的に、市内事業者事業刷新支援事業を計画し、令和3年度当初予算額1,500万円を計上しております。
 当該事業は沖縄振興特別推進交付金の活用を予定しており、事業実施を通じて市域事業者の事業活動の維持・存続から成長へとつなぎ、ひいてはこれらがモデルケースとなって多くの業種等に波及し、沖縄の経済振興・発展に資する取組となるよう支援してまいりたいと考えております。
 次に、(6)第一牧志公設市場の整備の進捗状況と整備完成後の効果等についてお答えいたします。
 第一牧志公設市場につきましては、昨年4月末に旧市場の解体工事を完了し、新市場の建設工事を進めているところでございます。現在、軟弱地盤対策工事を行っており、令和3年度から本体工事に取りかかり、令和4年4月の新市場供用開始を目指してまいります。
 完成後は沖縄の食の魅力や食を中心とした沖縄独特なマチグヮー文化が体感できる施設として生まれ変わり、街歩きの拠点となることで回遊性が向上することが期待できるとともに、那覇市、ひいては沖縄県の観光振興にも大きく寄与するものと考えております。
 次に、(7)牧志公設市場衣料部・雑貨部を取組についてお答えします。
 牧志公設市場衣料部・雑貨部につきましては、土地の賃貸借契約が令和3年度末に満了となることから、平成28年度から平成29年度にかけて、市場事業者の営業実態や来場者数、維持管理の収支分析、市場事業者、周辺事業者等との意見交換等の基礎調査を実施しました。そして令和元年度には基礎調査に基づき那覇市中心市街地活性化委員会諮問し、「中心市街地の活性化に寄与していくためには公営では難しく、将来的には民間主導で運営することが望ましい」との答申を受けております。
 それらも踏まえて庁内で検討し、近隣の商業施設の進出や市民ニーズの変化、建物の老朽化及び入居事業者の高齢化などに伴う施設利用の状況変化から廃止とする方針を決定し、事業者へもその旨の説明を実施してきたところでございます。
 今後の取組としましては、入居事業者に対してしっかりとした支援となるように移転補償を行いなが土地賃貸借終了に向けた手続を進めてまいります。

○久高友弘 議長
 仲本達彦企画財務部長。
○仲本達彦 企画財務部長
 代表質問7番目の(5)の御質問にお答えいたします。
 今回のイベントではオープンデータを活用した地域課題の解決をテーマとしております。アイデアとマラソンを合わせた造語であるアイデアソンでは、オープンデータを活用し、地域課題の解決に向けた提案をいただきます。また、ソフトウェアのエンジニアリングを指すハックとマラソンを組み合わせたハッカソンでは、アイデアソンでの提案を基にしたアプリケーションの開発を想定しております。
 このようなイベントを通してオープンデータの有用性を広く市民に周知し引き続き利活用推進に取り組んでまいります。

○久高友弘 議長
 金城康也都市みらい部長。
○金城康也 都市みらい部長
 代表質問8番目、(1)についてお答えいたします。
 渋滞問題は本市の重要テーマであることから、令和元年度策定の那覇市都市計画マスタープランにおいて、都市交通体系の方針を掲げております。その内容としましては、本市の慢性的な交通渋滞を緩和するため、都市交通に対する考え方の転換を図る必要があることから、手段、経路、時間の分散を軸とした交通需要マネジメントに取り組んでおります。
 体系的な道路網の整備につきましては、道路は都市活動を支える重要な都市基盤であることから、広域的な幹線道路や地域の幹線道路など、必要とされる役割に応じた道路網の形成に取り組んでおります。
 石嶺線や真和志線、一銀線などの都市計画道路につきましては、無電柱化の推進やバリアフリー化を図るなど、快適で魅力的な道路空間づくりに取り組んでおります。体系的な交通網の整備につきましては、過度に自動車に依存した環境から公金交通への転換を図るため、バスやモノレール、LRTなどの公共交通機関が有機的に連携し、まちづくりと一体となった公共交通ネットワークを構築するとともに、乗り換えの快適性や利便性の向上など、多様な移動手段の利用環境の向上などに取り組んでおります。
 加えて徒歩や自転車で快適に移動できるような歩行空間や自転車通行空間を確保するとともに、シェアサイクルポートの拡充など利用環境の向上に取り組んでおります。

○久高友弘 議長
 大嶺政信上下水道部長。
○大嶺政信 上下水道部長
 代表質問8番目、(2)の御質問についてお答えいたします。
 初めに、水道事業の経営戦略の目的につきましては、人口減少による収入の減少、復帰後に整備した施設の更新需要が増大するなど事業環境が厳しさを増す中で、中長期的な経営の基本計画を策定し、経営基盤の強化に努めるためのものでございます。
 経営戦略の特徴につきましては、既存計画である水道事業ビジョンを引き継ぎながら、那覇市第5次総合計画を補完する計画として水道施設更新耐震化基本計画における投資試算と、それを賄うための財源を均衡させた投資・財政計画が中心となっております。
 経営戦略の課題につきましては、水道施設更新耐震化基本計画に基づき、令和3年度から令和12年度までの10年間で約116億円の投資が必要となりますが、それを賄うための国庫補助金を含めた財源の確保が課題となっております。
 次に、下水道事業の経営戦略の目的につきましては、水道事業と同様であり、経営戦略の特徴につきましても既存計画である下水道事業基本計画を引き継ぎながら、那覇市第5次総合計画を補完する計画として、下水道ストックマネジメント計画における投資試算と、それを賄うための財源を均衡させた投資・財政計画が中心となっております。
 経営戦略の課題につきましては、下水道ストックマネジメント計画に基づき、令和3年度から令和12年度までの10年間で約110億円の投資が必要となりますが、それを賄うための国庫補助金を含めた財源の確保や企業債の償還が課題となっております。
 経営戦略策定の進捗状況としましては、現在、令和3年2月1日から3月1日までの1か月間、パブリックコメントを実施しているところであり、広く市民の意見を取り入れ、今年度内での策定を目指しているところでございます。

○久高友弘 議長
 仲本達彦企画財務部長。
○仲本達彦 企画財務部長
 代表質問8番目、(3)の御質問にお答えいたします。
 今年度、取りまとめました基本計画案では、複合施設のコンセプトとして、「まちの力がわになり広がる しあわせ賑わい創造施設」と設定したほか、基本方針を一部見直し、施設規模は5,000平方メートル程度、設置施設としては、真和志支所、中央公民館・図書館、福祉関連施設などといたしました。
 事業費は、土地取得費や解体費等は除き、建設費のみで約31億8,000万円を想定し、次年度、順調に着手した場合、約5年後の供用開始を目指しているところでございます。
 そのほか、現市民会館の部分復元については、厳しい財政状況や復元に伴う課題を踏まえますと、限定的にせざるを得ないこと、与儀公園については、本事業の進捗と歩調を合わせた一体整備の必要性について示したところでございます。

○久高友弘 議長
 末吉正幸こどもみらい部長。
○末吉正幸 こどもみらい部長
 代表質問9.公私連携幼保連携型認定こども園の基本協定の更新について順次お答えいたします。
 初めに、(1)手続についてにお答えいたします。
 基本協定の更新に当たっては、こども園の運営を継続的かつ安定的に行うことができる能力を有することが前提であることから、那覇市こども政策審議会の諮問・答申等を踏まえて、対象4法人全ての運営能力の確認後に、基本協定の規定に基づき更新の協議を開始いたしました。
 協議は、公募時の条件を基本に、昨年9月から12月までの間に、合計4回実施し、本年1月に基本協定の更新に関する合意書を締結したところであり、3月末までに本協定を締結する予定となっております。
 次に、(2)更新後の主な変更点としましては、法人の安定的な園運営の実現等を目的に、基本協定の有効期間を5年から10年とすること、第三者評価の実施を5年に2回から10年に2回に緩和すること、慰霊の日を法人の判断で閉園とすることができることなどのほか、用地につきましては、過去に民営化した保育所と同様に、有償貸付とする一方、無償貸付としていた園舎を法人へ無償譲渡することなどがございます。
 なお、園舎については、調理室の設置など、法人の自由裁量による施設整備を推進することが望ましいとする本市の考え方から、無償譲渡についての議案を本定例会に上程しております。

○久高友弘 議長
 武富剛教育委員会学校教育部長。
○武富剛 教育委員会学校教育部長
 代表質問10.中学校夜間学級についてお答えいたします。
 採択された決議意見書に述べられておりますように、全ての人々の学ぶ権利が保障されることは重要なことであると考えております。今年度、ワーキングチームでは、現状を把握し、本市における夜間中学校の在り方等に関することを検討してまいりました。
 県や、県内の9市町村が次年度以降検討を予定していることより、今後、その動向を注視しつつ、ワーキングチームから提出された報告を基に、県や他市町村と連携しながら、分教室や本市独自の支援事業として支援教室の設置を含め、引き続き検討していく必要があると考えております。

○久高友弘 議長
 屋比久猛義総務部長。
○屋比久猛義 総務部長
 御質問の11.米軍基地問題等についてお答えいたします。
 普天間飛行場については、平成25年12月に、5年以内の運用停止が閣議決定され、安倍前首相が普天間飛行場負担軽減推進会議において、「できることは全て行う」と述べるなど、政府としての見解が示されましたが、運用停止は実現せず、政府は「辺野古が唯一の解決策」との姿勢を変えず、新基地建設工事が強行されております。
 令和元年に政府は、当初計画額約2,300億円としていた総工費が約4倍に達する9,300億円、当初5年としていた埋立工事の工期が約9年3か月延び、基地として提供されるまでに約12年が必要となると公表しております。
 また、辺野古新基地の建設予定地の大浦湾の海底には非常に柔らかい軟弱地盤が広範に分布し、最深で90メートルにまで存在し、国内の地盤改良船は、水面下70メートルまでの施工実績しかないことから、工期と工事費がさらに膨らんでいくことが考えられるところです。
 過去に行われた2度の知事選挙や衆議院選挙などの一連の選挙及び辺野古米軍基地建設のための埋立賛否を問う県民投票で、辺野古埋立反対の明確な民意が示されていることから、政府は工事を中止して沖縄県が求める対話に応じるべきであると考えています。

○久高友弘 議長
 古堅茂治議員。
○古堅茂治 議員
 答弁で、コロナによる市民生活、雇用、経済に甚大な影響があることが分かりました。そして那覇市の取組も報告がありました。市職員はこの厳しい中にあっても、先ほど市長から答弁がありました保育所と放課後児童クラブの従事者への市独自の慰労金支給をはじめ、14部局、6行政委員会、1外郭団体が一丸となって円滑な市政運営と施策の展開に知恵と力を発揮しています。高く評価いたします。
 そこで、職員を代表して政策統括調整監と、予算編成を行う企画財務部長の決意を伺います。

○久高友弘 議長
 渡口勇人政策統括調整監。
○渡口勇人 政策統括調整監
 職員の頑張り、褒めていただき、誠にありがとうございます。
 昨年2月に市長が陣頭指揮を執る那覇市危機管理対策本部を立ち上げて以降、新型コロナウイルス感染症対策状況等々の変化を踏まえて、柔軟かつ迅速に具体的な対応策の取りまとめを行ってまいりました。
 今般のコロナ禍にあって市民の生活を守り、安全安心を図りつつ、経済をつなぎ、ウィズコロナ・アフターコロナを見据えた日常をつくるために、従来の組織の枠組みを超えた対応が必要であると考えております。今後、全庁を挙げての取組が必要となるワクチンの接種など、人や金の資源を集中配分するに当たっては、全職員の協力の下、危機感をもって各部の横断的な調整に鋭意取り組んでまいりますので、市民、そして議員の皆様の御理解と御協力をよろしくお願いいたします。

○久高友弘 議長
 仲本達彦企画財務部長。
○仲本達彦 企画財務部長
 今後とも厳しい財政運営を余儀なくされるものと認識をしておりますが、最小の経費で最大の効果を上げるという原則を踏まえながら、旺盛な市民ニーズへの適切な対応と持続可能な財政運営、この両者の両立を図ることを念頭に引き続き職員の総力を結集し、対処してまいりたいと考えております。

○久高友弘 議長
 古堅茂治議員。
○古堅茂治 議員
 引き続き、心ひとつに頑張ってください。
 コロナ対策、支援策の本市の課題を伺います。

○久高友弘 議長
 仲本達彦企画財務部長。
○仲本達彦 企画財務部長
 いまだ終息の兆しがみえない中、引き続き幅広いニーズを捉え、切れ目のない対策を確実に展開していかなければならないと考えております。また、そのためには十分な財源確保も併せて課題になるものと認識しております。

○久高友弘 議長
 古堅茂治議員。
○古堅茂治 議員
 政府は地方自治体への財政支援を強めるべきです。新型コロナの厄介な特徴は、無症状感染者が知らず知らずのうちに感染を広げてしまうことです。ノーベル賞受賞者も提言しています。政府はPCR等検査を抜本的に拡充し、無症状者を含めた感染者を把握・保護することで新規感染者を減らす、積極的検査戦略を実行すべきです。見解を伺います。

○久高友弘 議長
 長嶺達也健康部長。
○長嶺達也 健康部長
 新型コロナウイルス感染症拡大予防のためには、感染予防に対する一人一人の行動変容が求められる中、同時に医療体制の確保、PCR等の検査体制の拡充が重要であると考えております。市内4協力医療機関、那覇市医師会には引き続き協力を依頼し、PCR等、検査体制について必要な体制の確保を図っているところでございます。

○久高友弘 議長
 古堅茂治議員。
○古堅茂治 議員
 感染抑止の要、保健所の体制の補強と職員の残業状況を伺います。

○久高友弘 議長
 長嶺達也健康部長。
○長嶺達也 健康部長
 感染症対応においては、全庁体制で取り組んでおり、保健所をはじめ、事務職や技術職も合わせて最大62人で応援体制を整備しております。このうち40人が保健所以外の部署からの応援派遣となっております。加えて令和3年2月以降は、新型コロナウイルスワクチン接種推進室も設置され、職員8人が新たに配置されております。できる限り時間外勤務をしないよう努めているところではございますが、医療機関からの発生届が午後遅い時間に届いたり、施設等で複数の患者が発生した場合には、施設の調査に出向くなど時間外勤務をせざるを得ない場合もございます。
 職員体制については、12月より他市町村からの保健師を3人受け入れておりまして、体制を強化しております。令和3年度は保健総務課感染症グループに保健師を含む定数職員3人、再任用職員及び会計年度任用職員も増員し、現体制を維持するとともに全庁的な応援体制の継続と併せて保健所の体制強化を図ってまいりたいと考えております。国の動向としまして、総務省は新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえ、保健所の恒常的な人員体制を強化するために、必要な地方財政措置を講ずるとし、感染症対応に当たる保健師数を増員することとしております。また、厚生労働省も都道府県単位で潜在保育士等を登録する人材バンクの創設や自治体間の保健師等の応援派遣スキームを構築するとしており、保健所体制の強化につながるものと考えております。

○久高友弘 議長
 古堅茂治議員。
○古堅茂治 議員
 保健所の頑張りを高く評価いたします。
 次、生活保護問題です。現在、生活保護基準を下回る経済状況にある世帯が、実際に生活保護を受給している割合・捕捉率は、政府の調査で22.9%です。自分の子供や兄弟に知られたくない、祖父母や孫、ひ孫まで問い合わせがいくかもしれない。その思いから利用できない方が多くいます。田村厚労大臣は、我が党の小池晃参院議員の質問に、「扶養者照会は義務でない」との重要な政府見解を示しています。政府の調査でも、扶養者照会で金銭的援助に結びついたのはたったの1.6%です。無駄な労力を使い、義務でない扶養者照会を政府は撤廃すべきです。見解を伺います。

○久高友弘 議長
 宮城寿満子福祉部長。
○宮城寿満子 福祉部長
 お答えいたします。
 扶養義務者による扶養は生活保護法第4条第2項の保護に優先して行われるものと定められており、同条第1項の保護の要件とは異なる位置づけのものとして規定しています。また、扶養照会の内容としては、仕送り等の金銭的援助についてだけではなく、要保護者の日常生活、社会生活、自立の観点から定期的な訪問や連絡、病院への付き添いなどの精神的な支援についても確認しております。
 先ほどの答弁とも重なりますが、生活保護申請をためらう方がいらっしゃることについては、マスコミ報道等により承知しているところでございます。扶養照会につきましては、より弾力的に運用できるよう厚生労働省で検討しているとマスコミ等での報道もされていることから、今後、国の動向について注視し必要な対応をとってまいりたいと考えております。

○久高友弘 議長
 古堅茂治議員。
○古堅茂治 議員
 生活保護法にもない扶養者照会は撤廃すべきです。
 次、経済問題です。地域経済の根幹に中小企業を位置づけ、振興を図ることが非常に大事になっています。見解を伺います。

○久高友弘 議長
 名嘉元裕経済観光部長。
○名嘉元裕 経済観光部長
 お答えします。
 市内事業者の99%を占める中小企業は、本市経済の発展及び雇用の担い手として重要な役割を果たしております。本市としましても中小企業の振興を重要と位置づけ、平成22年度に那覇市中小企業振興基本条例を制定し、本市の附属機関とする那覇市中小企業振興審議会からの提言等も踏まえ、中小企業の成長発展が雇用を増やし、市民の所得や生活の向上につながるとの観点から、様々な施策事業を展開しているところでございます。

○久高友弘 議長
 古堅茂治議員。
○古堅茂治 議員
 本市の位置づけ、取組、高く評価いたします。
 新型コロナ危機の下、世界の50の国・地域が消費税減税に踏み切っています。消費税の減税は、コロナで生活に困窮している人、営業に苦しむ中小・小規模事業者にとって最も効果的な支援策です。見解を求めます。

○久高友弘 議長
 仲本達彦企画財務部長。
○仲本達彦 企画財務部長
 今般の大幅な経済活動の縮小に対し消費税減税の検討を求める声があることは承知しておりますが、政府は直近の国会においても消費税については社会保障に必要な財源であると言明しております。他方、国会においては新型コロナウイルス感染症対策やコロナ終息後を見据えた経済対策を盛り込んだ第3次補正予算が成立したところでございます。本市といたしましては、今後も政府の施策の展開を注視してまいりたいと考えております。

○久高友弘 議長
 古堅茂治議員。
○古堅茂治 議員
 本市独自の事業者への時短営業協力金の支給、評価いたします。
 協力金を規模に応じた内容に拡充してほしい、関連事業者にも支給してほしい、屋台業者や運転代行、新規開店業者にも支給してほしい、こういう市民の声が寄せられています。支援拡大と柔軟で幅広い適用への改善が求められています。減収の事業者に十分な補償支援ができるよう国に積極的な財政支援を求めるべきです。見解を伺います。

○久高友弘 議長
 名嘉元裕経済観光部長。
○名嘉元裕 経済観光部長
 お答えいたします。
 国においてはこれまでにも持続化給付金や家賃支援給付金、雇用調整助成金の特例措置などの支援策を講じてきたところでありますが、今後、令和2年度第3次補正予算による新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の追加や緊急事態宣言の影響緩和に係る新たな一時支援金などの実施も予定しているとのことでございます。
 本市としましては引き続き国の経済対策の動向に注視してまいりたいと考えております。

○久高友弘 議長
 古堅茂治議員。
○古堅茂治 議員
 世論調査では、菅政権のコロナ対応を評価しないが5割、6割を超え、後手後手、無為無策と批判が高まっています。支持率も3割台に急落しています。今、政治がやるべきことは、検査体制の抜本的充実と医療体制の崩壊を防ぐこと。医療機関への減収補填。減収事業者への十分な補償。観光関連業者への直接支援。文化芸術復興基金の創設。大学授業料半額補助。地方自治体への緊急包括支援交付金の増額など、命と暮しを守り、生活と雇用、営業を維持、継続させるための政治的役割が今、求められています。政府は、抜本的な対策を強化すべきです。見解を伺います。

○久高友弘 議長
 仲本達彦企画財務部長。
○仲本達彦 企画財務部長
 新型コロナウイルス感染症に伴う財政的な影響は今後も広く及ぶものと認識しております。また、全国自治会、全国市長会、中核市長会等の関係団体においても財政支援を求める提言をそれぞれ政府へ要請しております。
 本市といたしましても、安定した財政運営が行えるよう引き続き市長会等と連携を図ってまいりたいと考えております。

○久高友弘 議長
 古堅茂治議員。
○古堅茂治 議員
 次、幼保こども園です。公私連携法人との協議の状況と結果、用地の貸付額を伺います。

○久高友弘 議長
 末吉正幸こどもみらい部長。
○末吉正幸 こどもみらい部長
 基本協定に関する協議につきましては、本市及び法人双方から要望を提出し実施いたしました。本市からは、先ほど答弁いたしました基本協定の有効期間の延長などの5項目、法人からは指定の取り消しに関する手続の明確化の1項目について正式な提案がございました。
 なお、正式な提案以外にも様々な点について協議を重ね合意に至ったところでございます。
 次に、用地の貸付は法令や条例に基づき実施いたしますが、教育保育を認定こども園法に基づく公私連携型として提供するという観点から、相場よりも低廉な貸付額を設定する必要があることを前提としております。貸付額の算定に当たっては、過去に民営化した保育所の貸付額を参考に、公共性が高く非営利の事業に使用する用地であることに鑑み、本市の条例・規則等に基づき減額を行い、相場と比較して低廉な貸付額を設定することとしております。
 貸付額につきましては、貸付用地の広さ等の違いにより、園ごとに差はございますが、4園平均で貸付面積は427坪、貸付額は年間21万6,000円となっており、坪単価に換算しますと、1坪平均年508円となります。なお、今回の合意内容につきましては、来年度以降、更新を予定する法人とも協定変更の協議を行う予定であり、そのため、平成29年度移行園を運営法人等に対しても本市より今回の更新内容の説明を実施しており、大枠としては理解をいただけたものと考えております。

○久高友弘 議長
 古堅茂治議員。
○古堅茂治 議員
 担当部署の法人に寄り添ったきめ細かい協議、取組、高く評価いたします。
 次に、文化行政です。文化芸術の振興と、しまくとぅばの継承・普及にも大きな役割を果たしている文化協会への支援と予算を拡大すべきです。見解を伺います。

○久高友弘 議長
 比嘉世顕市民文化部長。
○比嘉世顕 市民文化部長
 お答えいたします。
 那覇市文化協会への支援、予算の増額可否につきましては、支援の在り方を含め検証し、必要に応じて関係部署と調整を図ってまいりたいと考えております。

○久高友弘 議長
 古堅茂治議員。
○古堅茂治 議員
 ぜひ増額してください。
 しまくとぅばの継承・普及に関する首里城復興有識者懇談会での議論を伺います。

○久高友弘 議長
 比嘉世顕市民文化部長。
○比嘉世顕 市民文化部長
 お答えいたします。
 沖縄県に伺ったところ、首里城復興基本計画に関する有識者懇談会において、委員の名桜大学教授、波照間永吉氏は、しまくとぅばの復興なしでは文化の復興はないとし、8つの基本施策の1つ、琉球文化のルネサンスの中に位置づけていただきたいと意見を述べられております。沖縄県においては、委員の提案なども踏まえ、しまくとぅば継承・普及について検討を進めていくとのことでございます。

○久高友弘 議長
 古堅茂治議員。
○古堅茂治 議員
 私は、ウチナー芝居劇場「沖映」で4年間、音響効果を担当してきました。ここに琉球新報の伊佐記者・大城記者が書いた「焦土に咲いた花、戦争と沖縄芸能」があります。標準語で組踊やうちなー芝居を演じるよう命じられた時代があったこと、しまくとぅばや沖縄芸能を守り続けてきた役者の苦労、思いが書かれています。しまくとぅばは、琉球処分や同化政策、差別を乗り越え、先祖代々守り抜いてきたものです。琉球王朝文化の象徴、戦後復興のシンボル、県民の心の拠り所である首里城の再建に、うちなーんちゅの魂を入れる大事な役割をも担っています。しまくとぅばの継承・普及に活動している団体への支援策と、支援策拡大を伺います。

○久高友弘 議長
 比嘉世顕市民文化部長。
○比嘉世顕 市民文化部長
 お答えします。
 本市主催のうちなーぐち講座・成果公演は、企画運営を実施するに当たり、活動されている方々へ広く企画提案を呼びかけ、応募いただける事業を行っております。また、平成31年度に実施したNPO法人などを対象に公募した那覇市民活動支援事業助成金では、うちなーぐちを活用した団体へ支援した実績がございます。支援拡大につきましては、那覇市文化芸術基本計画に掲げており、これまでの取組に加え、うちなーぐちの普及・継承のための効果的な施策展開を検討するほか、文化芸術団体や家庭、地域、企業などとの連携した取組を展開してまいります。

○久高友弘 議長
 古堅茂治議員。
○古堅茂治 議員
 (冊子を掲げる)本市のNPO団体はこのような本も発刊しています。しまくとぅばの継承・普及に力を尽しているNPO団体から事務局スペースとして市の施設を活用できないかとの要望があります。見解を伺います。

○久高友弘 議長
 比嘉世顕市民文化部長。
○比嘉世顕 市民文化部長
 お答えいたします。
 本市の施設活用につきましては、那覇市民協働プラザにございます那覇市民活動支援センターで社会貢献活動を行う市民活動団体やボランティアなどに活動を行うための支援ブース及び事務室の貸し出しを行っております。

○久高友弘 議長
 古堅茂治議員。
○古堅茂治 議員
 ぜひ親身に要望に応えるようにしてください。
 次に、第32軍司令部壕保存・公開検討委員会から1997年8月に県へ答申された保存・公開基本計画の基本理念と基本方針の概要を伺います。この問題の原点が理解できます。

○久高友弘 議長
 屋比久猛義総務部長。
○屋比久猛義 総務部長
 1997年の第32軍司令部壕保存・公開基本計画の基本理念の中で、第32軍司令部壕は「沖縄戦の実相を伝える歴史的遺産(語り部)である。」「戦争の対極にある文化と平和が明確に認識できる場である。」「今日の沖縄を決定づけた歴史的戦跡である。」との歴史的価値が示されており、基本方針には平和を求めてやまない沖縄の心を基本に国際平和の創造に寄与することを目指し、「沖縄戦をはじめとする沖縄の歴史的体験を語る場。」「平和教育・学習の場。」「平和発信の場。」の拠点施設として整備するとあり、保存・公開の在り方については、「戦跡文化財として位置づけ保存・公開する必要がある」と示されています。

○久高友弘 議長
 古堅茂治議員。
○古堅茂治 議員
 全くそのとおりです。保存・公開、市議会意見書にもあるように、戦争遺跡は、沖縄戦の「生き証人」といえる存在となり、沖縄戦を追体験し、戦争と平和について考える教育力をも備わるものとなります。戦争遺跡の文化財指定全国第1号は、沖縄陸軍病院南風原壕です。文化財指定に携わった大城和喜元南風原文化センター館長は、「壕を保存するための最良の方法は、法律で網をかぶせ、すなわち文化財に指定することが最善。」と述べています。そこで、戦争遺跡の文化財指定状況を伺います。

○久高友弘 議長
 比嘉世顕市民文化部長。
○比嘉世顕 市民文化部長
 戦争遺跡の文化財指定についてお答えいたします。
 まず全国の指定状況は、戦争遺跡保存全国ネットワークによる調査によりますと、令和元年7月時点で、指定及び登録文化財を含め269件の指定、または登録がございます。
 次に、沖縄県内の状況につきましては、令和元年5月時点で24件の戦争遺跡が指定されていることを確認しております。

○久高友弘 議長
 古堅茂治議員。
○古堅茂治 議員
 第32軍壕の戦争遺跡文化財指定の取組、本市としても県と連携して積極的にバックアップすべきです。見解を伺います。

○久高友弘 議長
 比嘉世顕市民文化部長。
○比嘉世顕 市民文化部長
 お答えいたします。
 第32軍司令部壕の文化財指定についての論点整理について、議員御指摘のとおり、第32軍司令部壕保存・公開検討委員会によってなされ、指定につきましても沖縄県において取り組んでいくものと認識しております。本市は第32軍司令部壕保存・公開検討委員会に事務局員と参画しておりますので、沖縄県より意見照会、情報提供などを求められた場合、積極的に協力してまいる所存でございます。

○久高友弘 議長
 古堅茂治議員。
○古堅茂治 議員
 次、夜間中学です。未就学者数、不登校児童生徒数を伺います。

○久高友弘 議長
 武富剛教育委員会学校教育部長
○武富剛 教育委員会学校教育部長
 平成30年7月の文科省作成の「夜間中学の設置・充実に向けて」によりますと、潜在的入学希望者として義務教育未修了者数は、全国で12万8,187人、沖縄県では6,541人、そのうち那覇市は1,444人となっております。これは平成22年度の国勢調査で未就学者として把握されたもので、在学したことのない者、または小学校を中途退学した者の人数となっております。
 次に、不登校児童生徒数については、平成30年度文部科学省の児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の問題に関する調査によりますと、全国の児童生徒1,000人当たりの不登校児童生徒数は、小学校7.0人、中学校36.5人、沖縄県は小学校10.9人、中学校41.9人となっております。本市の同様の調査では、児童生徒1,000人当たり不登校児童生徒数は、小学校12.5人、中学校45.9人となっております。

○久高友弘 議長
 古堅茂治議員。
○古堅茂治 議員
 未就学者、不登校で義務教育を終えた人、在日外国人らの生きるために学び直したい、そんな思いを抱えた人たちの受け皿となるのが夜間中学です。
 モニター資料を御覧ください。各自治体での取組状況です。そして政府のチラシもあります。
 夜間中学で学んでいる方々からは、やり直しができる場、不安や劣等感を乗り越え、生きる自信を取り戻す場、成長し交流できる場となっていることが、生き生きと報告されています。夜間中学校には、『学ぶことは生きること』という教育の原点があります。そして、夜間中学は、憲法の求める教育を受ける権利の保障、義務教育の保障、国際人権規約の教育を受ける権利、これらを現実に実現する上で非常に重要な役割を担っています。32万市民を代表する本市議会の全会一致の決議には道理も大義もあります。県都への夜間中学設置については、市長の施政方針、「誰一人取り残さない」SDGsの取組の有言実行が求められています。
 そこで、『学ぶことは生きること』、教育に長年携わっていました教育長と市長の見解を伺います。

○久高友弘 議長
 田端一正教育委員会学校教育部長。
○田端一正 教育委員会学校教育部長
 様々な方々の教育の機会の確保の観点から、中学校夜間学級の設置は重要なことだと考えております。本市での設置につきましては、ワーキングチームの報告を精査し、今後協議を重ねて対応してまいりたいと考えております。

○久高友弘 議長
 城間幹子市長。
○城間幹子 市長
 古堅茂治議員が先ほどおっしゃっておりましたように、中学校の夜間学級等の設置の意義につきましては、多様性を認め合う寛容な社会の実現や誰一人取り残さないというSDGsの理念からも誰もが認めるところでございます。本市での設置につきましては、その都度の教育委員会からの検討報告を待ちたいと思います。

○久高友弘 議長
 古堅茂治議員。
○古堅茂治 議員
 ぜひ夜間中学設置を図ってください。
 次に、本市で米海兵隊員が強制わいせつ容疑で逮捕された悪質事件が発生しています。厳重抗議すべきです。見解を伺います。

○久高友弘 議長
 屋比久猛義総務部長。
○屋比久猛義 総務部長
 1月31日に在沖米海兵隊員による強制わいせつ事件は、未明かつ裏手の駐車場という人目につきにくい状況下で行われ、悪質性が際立つものであり、被害者女性のみならず、市民に大きな恐怖と不安を与えるもので、深い憤りを感じております。容疑者である米兵については基地外への外出時間を規制したリバティ制度や国際通り周辺への立ち入りを禁止する米軍の新型コロナウイルス感染対策指針にも違反している可能性があることから、在沖米軍に対して事件を重く捉えるとともに、再発防止の徹底を求めたいと考えております。

○久高友弘 議長
 古堅茂治議員。
○古堅茂治 議員
 施政方針にあります。「温故知新」、歴史、過去にあったことをよく調べ、学び、そうして得られた知見を生かして、新たな道理や知識を得て、自分のもの、みんなのものとすることが求められています。50年前、米軍占領下の1970年12月20日未明、当時のコザ市のゲート通りで、県民の生命を虫けらのように扱う横暴な米軍支配に憤激した県民が決起し、米兵車両を焼き払うコザ事件を起こして、鉄をも溶かす県民の怒りを全世界にアピールしました。11日後の12月31日の大晦日には、私の出身地、国頭村安田の山中で、保守の山川村長を先頭に、「山を守れ」と保革を超えた村民が決起し、着弾地点には地元住民が座り込み、18歳、高校生の私も参加してのろしをあげ、発射台には1,000人近い村民が押し寄せて米軍に立ち向かい、実弾演習を阻止しました。
 年が明けた1971年の1月13日、毒ガス漏れを米国新聞の報道で知った県民が決起し、全県ぐるみの運動と世論の力で、知花弾薬庫から総量1万3,000トンの毒ガス兵器一次分を撤去させました。
翁長前知事が強調していたように、県民が保革を超えて、心ひとつに力を合わせれば、県民は大きな力を発揮し、新基地建設を強行する日米両政府を追い詰めて打ち負かすことができます。正義は必ず勝利します。共に力を合わせて頑張ってまいりましょう。
 代表質問を終わります。
  以上

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