2021年9月定例会 古堅茂治 一般質問 議事録
◆古堅茂治 議員
ハイサイ、グスーヨー チューウガナビラ(皆さん、こんにちは)。オール沖縄・日本共産党の古堅茂治です。一般質問を行います。
1.新型コロナ対策について。
現在、日本はコロナ対策として、海外からの入国規制を実施しています。しかし、米軍は、日米地位協定で特権が与えられ、日本の検疫や規制を受けずに基地経由で自由に入国しています。このことが、県内での感染拡大の要因の一つともなっています。在沖米軍の感染状況を伺います。
○野原嘉孝 副議長
長嶺達也健康部長。
◎長嶺達也 健康部長
米軍での感染状況についてお答えいたします。
沖縄県が発表している在沖米軍基地内における新型コロナウイルス感染症発生状況によれば、9月8日現在、累計で2,406人となっております。7月に186人、8月に600人の新規感染者数となっております。また、新聞報道によりますと、在沖米軍基地内の新型コロナウイルス新規感染者が8月30日までの直近1週間で240人となり、人口10万人当たりに換算すると500人を超えると推計されるということでございます。
○野原嘉孝 副議長
古堅茂治議員。
◆古堅茂治 議員
米軍の感染が高いことが答弁でも明らかです。在沖米軍の3割以上、2万人近くが主に本島中部の民間地域に居住しています。その居住先からの感染拡大と新たな変異株の流入が危惧されます。
そこで政府は、最低限、米軍の感染対策の徹底、基地外居住の実態公表、米軍関係者を日本が検疫・規制できるよう日米地位協定の抜本的改定を実施すべきです。見解を伺います。
○野原嘉孝 副議長
仲本達彦総務部長。
◎仲本達彦 総務部長
米軍関係者につきましては、嘉手納飛行場など米軍基地から直接入国する場合、検疫について国内法の適用がないことが課題とされております。米軍への国内法適用など日米地位協定の改定につきましては、引き続き関係市町村と共に軍用地転用促進・基地問題協議会の要請活動の中で取組を進めてまいりたいと考えております。
○野原嘉孝 副議長
古堅茂治議員。
◆古堅茂治 議員
県民の命と安全を守るためにも米軍基地はなくす必要があります。
次に、2.自然保護・水源地保全について。
私の生まれ島・故郷の国頭村を含む本島北部・やんばるの山々は、那覇市民と県民の飲料水の大切な水源地となっています。そして、ヤンバルクイナ、ノグチゲラ、ヤンバルテナガコガネ等の希少動植物がその地域だけに生息しています。7月26日には、奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島の世界遺産登録が国連教育科学文化機関(ユネスコ)で決定されました。見解を伺います。
○野原嘉孝 副議長
玉寄隆雄環境部長。
◎玉寄隆雄 環境部長
お答えいたします。
市民、県民の大切な水源地でもあります本島北部のやんばるの山々を含む地域が世界自然遺産に登録されたことは環境保全の面から大変意義深いものです。当該地域は、絶滅危倶種が生息する独特で豊かな生物多様性の保全においても極めて重要な地域であることが国際的に評価されたものであり、この地域を守り、生かし、将来の世代に引き継ぐことは重要だと考えております。
○野原嘉孝 副議長
古堅茂治議員。
◆古堅茂治 議員
答弁のとおり大切な地域です。チョウ類研究者の宮城秋乃さんの調査で、世界自然遺産登録された米軍北部訓練場返還跡地から、米軍の薬きょうや様々な汚染物が続々発見され、米軍は汚しっぱなし、日本政府はそれを放りっぱなしという不都合な真実が明らかにされています。日本政府と警察は、米軍の環境汚染問題を告発し、解決を求めている宮城秋乃さんを弾圧するのではなく、米軍と政府は、返還地の汚染物を除去する責任を果たすべきです。見解を伺います。
○野原嘉孝 副議長
仲本達彦総務部長。
◎仲本達彦 総務部長
返還合意された駐留軍用地について、国は土地所有者に引き渡す前に支障除去措置を講じることになっておりますが、地権者への土地引渡し後に、訓練弾や廃タイヤ等が発見された事例がございます。今後、同様の事態が生じないよう支障除去の徹底を図るとともに、土地引渡し後に発見された土壌汚染等の処理についても、国の責任で対応するべきものと考えております。
○野原嘉孝 副議長
古堅茂治議員。
◆古堅茂治 議員
そのとおりです。世界自然遺産登録の貴重な自然・生態系を保護し、大切な水源地を保全するためにも、残された米軍北部訓練場は、無条件で早期に全面返還すべきです。
次に、森林環境譲与税について。
2019年9月30日に同税の譲与が始まって以降の本市への譲与額と活用を伺います。
○野原嘉孝 副議長
末吉正幸経済観光部長。
◎末吉正幸 経済観光部長
本市への森林環境譲与税の譲与額につきましては、令和元年度に1,301万円、令和2年度に2,764万8,000円が交付されており、今年度も昨年度と同額の2,764万8,000円が交付される予定となっております。また、本市での活用につきましては、昨年度に、市制100周年事業の一環として、姉妹都市である日南市の飫肥杉を使用した木製の積み木を市内全ての幼児教育・保育施設へ贈呈したほか、現在建設が進められている小禄支所において、内装や備品の一部に木材の使用を検討しているところでございます。
○野原嘉孝 副議長
古堅茂治議員。
◆古堅茂治 議員
モニターを御覧ください。
(モニター使用)
伊部岳闘争記念碑です。国頭村民は、1970年12月31日の大晦日、米軍の実弾砲撃演習を保守の山川武夫村長を先頭に、保革の立場を越えた村民が、発射地点と着弾地点に結集し、身体を張って実力で阻止して、国頭の山々を守り抜きました。そのことが、今回の世界自然遺産登録と水源地の保全につながっています。そして、国頭村民と、高校3年生で着弾地点に座り込んだ私にとっても大きな誇りとなっています。
そこで、世界の宝である自然を保護し、大切な水資源を保全するために力を尽くしているのが国頭村をはじめとするやんばる地域です。その恩恵を受けている那覇市として、森林環境譲与税を同地域に還元すべきです。担当副市長の見解を伺います。
○野原嘉孝 副議長
知念覚副市長。
◎知念覚 副市長
お答えいたします。
経済観光部関係なんですけれども、実は令和2年の初頭ですか、国頭村の職員と、それから国頭村森林組合の組合長がいらっしゃって私のほうで対応させていただきました。そのときに議員がおっしゃっていたように、水の大切さ、そういうのを国頭村としては伝えていきたい、そのために那覇市の子供たちに森林教育、水の教育の環境を整えておりますのでぜひ来てくださいと、具体的には環境教育センター、やんばる学びの森というのがあって、ここでの宿泊研究の提案がございました。私のほうもこれは十分賛同するものですから、この森林譲与税を使って行いたい旨を申し上げました。
その後はコロナがありまして、今はそれが執行できない状況にありますけれども、また教育委員会等とも相談して早めに実現できるような形に持っていきたいと考えております。
○野原嘉孝 副議長
古堅茂治議員。
◆古堅茂治 議員
国頭村の森林組合長は私の先輩で、現在の国頭村の副村長は後輩に当たります。ぜひよろしくお願いいたします。
次に、施政権返還(本土復帰)50周年について。
来年2022年5月15日は、県民を先頭にした国民的な闘いの中で、施政権返還・本土復帰を勝ち取って50周年の大きな節目を迎えます。
現在、国土面積の約0.6%しかない沖縄に、全国の米軍基地面積の70.3%が集中し、本土復帰時点の58.7%よりも、逆に11.6%も比重が高まり、基地あるがゆえの犠牲と負担が強いられ続けています。
これらの現実を踏まえ、27年間の米軍占領を打ち破った県民の闘い、そして今も闘いが続く、沖縄の歩みを振り返り、未来の発展へつないでいくべきです。県都・那覇市の本土復帰50周年を記念した取組を伺います。
○野原嘉孝 副議長
仲本達彦総務部長。
◎仲本達彦 総務部長
歴史博物館において、本土復帰50周年に関連した企画展示を実施する計画となってございます。復帰50周年は大きな節目でありますので、本市としてさらに広がりのある取組が実施できるよう、今後、関係部局との調整を図ってまいりたいと考えております。
○野原嘉孝 副議長
古堅茂治議員。
◆古堅茂治 議員
今、桜坂劇場では、沖縄テレビ作成の「サンマデモクラシー」が上映されています。米軍占領に抗い、裁判で闘った魚屋女将・玉城ウシさんと下里恵良弁護士、さらに、那覇市長を米軍布令で追放された、米軍が最も恐れた男・瀬長亀次郎さんなどが描かれていて、野蛮な米軍占領時代の県民の闘いの一端が分かります。モニターを御覧ください。
(モニター使用)
国頭村では、本土復帰50周年記念事業の実行委員会を立ち上げて、企画案の検討・準備を進めています。沖縄県では高校生の企画提案を募集しています。本市も実行委員会を立ち上げ、県都那覇の知恵と力を発揮して企画すべきではありませんか。対応を伺います。
○野原嘉孝 副議長
仲本達彦総務部長。
◎仲本達彦 総務部長
復帰30周年、40周年の際にも一定の取組がございました。過去のこのような事例も踏まえながら、本市としてどのような展開ができるのか、関係部局との調整を鋭意図ってまいりたいと考えております。
○野原嘉孝 副議長
古堅茂治議員。
◆古堅茂治 議員
次に、文化行政について、モニターを御覧ください。
(モニター使用)
文化庁の記者会見資料です。文化庁は7月、重要無形文化財に、芸能の部で、「琉球舞踊立方」、踊り手を新たに指定し、本市在住の宮城幸子さん、本市出身の志田房子さんのお二人をこの分野で初めて人間国宝として認定しました。琉球王国時代から脈々と引き継がれ、洗練された琉球芸能が高く評価されたことはウチナーンチュとして本当に嬉しい限りです。
ウチナー芝居劇場沖映で微力ながら琉球芸能に関わったことのある私にも特別の喜びを与えてくれました。人間国宝認定、城間市長の見解を伺います。
○野原嘉孝 副議長
城間幹子市長。
◎城間幹子 市長
お答えいたします。
この朗報に接しまして私も大変うれしくなりました。××××××××××××××××××大先輩のお二人の朗報は大変うれしいものがありました。
この認定はお二人が長年御精励により築かれた素晴らしい御功績と後進の指導育成に御尽力をされたことの賜物であると捉えております。琉球舞踊の継承発展に大きく寄与するものであると深く敬意を表します。今後のお二人の活躍、御精進を期待したいと思います。おめでとうございます。
○野原嘉孝 副議長
古堅茂治議員。
◆古堅茂治 議員
NHK沖縄では、10日に琉球舞踊の発展と後進の育成に尽力されている新しい人間国宝、お二人の喜びの声と珠玉の舞を紹介する番組を放映していました。琉球舞踊と沖縄への愛があふれる素晴らしい番組でした。
本市にゆかりのあるお二人です。市の広報紙でも、先人から継承してきた沖縄の文化を愛するお二人に相応しい紹介をすべきです。対応を伺います。
○野原嘉孝 副議長
比嘉世顕市民文化部長。
◎比嘉世顕 市民文化部長
お答えいたします。
本市にゆかりのある方が人間国宝に指定されたことは、本市の誇りであり、大変喜ばしい限りであるという旨の市長からの御発言もございました。
新聞報道によりますと、例年9月から10月に官報告示をもって正式に認定されるということでございましたので、本市におきましてもこの喜ばしい、そして素晴らしいニュースについて、この機会に発信を進めてまいりたいと考えております。
○野原嘉孝 副議長
古堅茂治議員。
◆古堅茂治 議員
芸能分野の人間国宝認定者数を伺います。
○野原嘉孝 副議長
比嘉世顕市民文化部長。
◎比嘉世顕 市民文化部長
令和3年9月1日現在、文化庁の国宝・重要文化財等都道府県別指定件数一覧に、重要無形文化財の芸能分野の保持者として登録されているのは、全国で52人、沖縄県で6人、今回の登録により全国で55人、沖縄県は7人となります。この7人のうち、那覇市在住の認定者は6人となります。
○野原嘉孝 副議長
古堅茂治議員。
◆古堅茂治 議員
県内の芸能の人間国宝8人のうち、お二人以外は那覇市文化協会所属です。琉球舞踊、組踊、琉球古典音楽などの人間国宝8人の珠玉の技を一同で披露する公演を本土復帰50周年記念事業として、那覇市文化協会の協力も得て企画してほしいと思います。流派を超えた歴史的な舞台となります。見解を伺います。
○野原嘉孝 副議長
比嘉世顕市民文化部長。
◎比嘉世顕 市民文化部長
本市では、10月31日のなはーと開館記念式典において、本市の人間国宝の皆様に御指導、御出演を賜るとともに、諸流会派を代表する芸能家の魅力を結集した舞台を開催する予定であります。復帰50周年を記念した舞台公演につきましては、機会を捉えて皆様の御意見を伺ってまいりたいと考えております。
それと先ほど答弁いたしました人数につきましては、志田房子氏は、東京在住という形でカウントしているので、7人という形の答弁となりました。
○野原嘉孝 副議長
古堅茂治議員。
◆古堅茂治 議員
私は昨年11月定例会で、首里城を大正、平成と救い、琉球文化・芸術の保存と復興に果たした染色家で沖縄文化研究家の鎌倉芳太郎氏の沖縄を愛し続けた功績を讃えて顕彰するよう提案しました。
3月22日には、本議会が「故鎌倉芳太郎氏を那覇市名誉市民に追贈し顕彰することを求める決議」を全会一致で決議しています。議会の総意に対する対応を伺います。
○野原嘉孝 副議長
仲本達彦総務部長。
◎仲本達彦 総務部長
鎌倉芳太郎氏の功績は多大なものであり、本市といたしましても、先の市議会の決議とその思いは同じでございます。
一方で、氏のその卓絶した功績に比して、市民の認知は必ずしも十分ではないとの認識も持っております。このことから、まずは、その認知度の向上に取り組むべきと考え、早速、なは市民の友10月号に特集記事を掲載するほか、市の歴史博物館での展示等を計画しているところでございます。
同氏の特筆すべき功績の一つに、首里城を二度も救ったということがございます。このことを踏まえ、現在、進められている首里城再復元にタイミングを合わせながら、しっかりと顕彰してまいりたいと考えております。
○野原嘉孝 副議長
古堅茂治議員。
◆古堅茂治 議員
総務部長、頑張ってください。
5.下水道行政について。
本市の公共下水道に接続している浦添市前田地区の公共下水道の使用料が、浦添市からの本市への報告漏れで本市に18年間も未払いとなっていた問題について、私は議会と監査委員会で、時効を主張する浦添市の理不尽、不誠実な対応を批判し、当局をバックアップしてきました。そして、当局の粘り強い対応によって解決が図られています。担当部局の頑張りを高く評価いたします。解決内容を伺います。
○野原嘉孝 副議長
大嶺政信上下水道部長。
◎大嶺政信 上下水道部長
本件につきましては、今年5月25日に那覇地方裁判所から和解勧告が示され、同年7月6日に浦添市と和解が成立しております。その内容は、「浦添市は、那覇市に対し、解決金として未払金の全額1,103万4,429円及びこれに対する年2.7%の割合による遅延損害金の支払い義務があることを認める」というものであります。
その後、7月15日に、浦添市より解決金として未払い金の全額及び遅延損害金の合計額1,179万9,226円の支払いがございました。
○野原嘉孝 副議長
古堅茂治議員。
◆古堅茂治 議員
担当部局の頑張りで1,100万円余りを取り戻しています。高く評価いたします。
次、行政のデジタル化について。
デジタル技術を住民の幸福と健康のために、安心・安全で活用できる自治体づくりが求められています。本市の最上位計画・第5次総合計画でも、城間市長の施政方針でも、行政のデジタル化の推進がうたわれています。取組を伺います。
○野原嘉孝 副議長
金城康也企画財務部長。
◎金城康也 企画財務部長
お答えいたします。
今年度の取組の一つとしては、デジタル化に係る庁内横断的な課題に対し、プロジェクトチームによる取組を行っており、現在4つのプロジェクトに10部局、約60人の職員が関わっております。具体的な事例としましては、市政情報の発信強化等を目的に、無料通信アプリLINEを活用した情報発信プラットフォームの構築実証を行っており、年内には市民向けのリリースを予定しております。これにより、市民はスマートフォン1つで生活情報を簡単に入手でき、将来的には行政手続の入り口に位置付けるなど、利便性の向上が図られるものと考えております。
その他、オンライン会議の環境整備や各課の困りごとや地域課題の解決など、よりよい市民サービスを提供できる市役所に進化できるよう、全庁一丸となってデジタル化を推し進めてまいります。
○野原嘉孝 副議長
古堅茂治議員。
◆古堅茂治 議員
担当部署の皆さん、デジタル化推進に頑張ってください。
(モニター使用)
モニターを御覧ください。2020年版情報通信白書では、通信利用動向調査の安全なインターネット利用の課題、不安などを明らかにしています。
そこで、先駆的な個人保護条例を策定し、評価が高い那覇市として、デジタル化推進に併せても、個人情報・プライバシーを守る対策を強固に行うべきです。弁護士等も含めた識者の委員会を設置して検討すべきです。見解を伺います。
○野原嘉孝 副議長
仲本達彦総務部長。
◎仲本達彦 総務部長
デジタル化の推進と個人情報の保護は、表裏一体の関係にあり、適切な対応が強く求められているものと認識しております。
個人情報の提供に係る市民の不安を払拭するため、有識者からなる既存の審議会の活用を含め幅広い視点から引き続き個人情報の保護に努めてまいりたいと考えております。
○野原嘉孝 副議長
古堅茂治議員。
◆古堅茂治 議員
答弁を評価いたします。個人情報・プライバシー保護対策の徹底を図ってください。
次に、7.水産行政について。
那覇の水産業を守るために、山川典二議員に続いて自共共闘で質問します。泊漁港の荷捌施設(競り市場)の役割と課題を伺います。
○野原嘉孝 副議長
末吉正幸経済観光部長。
◎末吉正幸 経済観光部長
泊漁港は、地方卸売市場を有し、県内最大の水揚げ量を誇るとともに、県内で水揚げされるマグロのうち約半分が水揚げされるなど、本県並びに本市水産業の一大拠点となっております。その泊漁港の課題としましては、荷捌施設の老朽化や衛生環境の向上が挙げられているほか、本年3月末に泊魚市場有限責任事業組合(LLP)が解散し、同施設に2つの市場が開設されたことによって、市場経営に支障が生じているとの声を那覇地区漁協から伺っております。
その原因として、短期的な集計ではありますが、那覇地区漁協の水揚げ量が全体での水揚げ量の半分を上回っている一方、那覇地区漁協の競り床面積は全体の3割程度となっていることから、競り床面積が水揚げ量に対して不足していることだと分析しております。
なお、那覇地区漁協からは、競り床面積の不足を解消するため、沖縄県漁連が所有する荷捌施設の貸与等について沖縄県へ要請するよう、市長と市議会宛てに陳情が出されております。
○野原嘉孝 副議長
古堅茂治議員。
◆古堅茂治 議員
市長に答弁を求めたいと思います。城間市長は泊魚市場の存続問題では、県と直接調整を行い、泊魚市場と糸満市場との共存共栄を確保し、高い評価を受けています。今回、県漁連の糸満移転に関連して、17日の県漁連の理事会には、泊漁港の県漁連荷捌施設の撤去が議題となっています。
先ほど答弁がありました那覇地区漁協からの陳情に出されている課題については、市長がリーダーシップを発揮され、沖縄県や県漁連と調整を行い、解決を図るべきだと思います。市長の対応、決意を伺います。
○野原嘉孝 副議長
城間幹子市長。
◎城間幹子 市長
お答えをいたします。
令和4年10月には、県漁連の市場機能が泊漁港から糸満漁港に移転する計画となっていることから、泊漁港は大きな転換期を迎えるものと捉えております。私自身、泊漁港は本市並びに本県の水産業を支える重要な拠点であると承知しておりますことから、荷捌施設も含めた泊漁港が抱える諸課題について、現場の声を聞きながら、これまで以上に課題解決へ向けて不退転の覚悟を持って取り組んでまいりたいと考えております。
○野原嘉孝 副議長
古堅茂治議員。
◆古堅茂治 議員
不退転の覚悟、高く評価いたします。
ジェンダー平等・男女賃金格差是正について。
日本の女性差別の根底には雇用における女性差別、ジェンダー差別があります。男女の賃金格差は改善されず、正規雇用の男性と比べて正規女性は7割、非正規雇用の女性は4割です。政府の統計調査では、非正規を含めた労働者の平均給与は男性が540万円、女性が296万円で、女性は男性の55%しかありません。40年間の生涯賃金では、なんと、約1億円の格差が生じます。給与に連動する年金でも格差が広がります。そこで、男女の賃金格差を是正することは、ケアに手厚い社会、雇用は正規が当たり前の社会へと切り替え、誰もが人間らしく、働き生活することのできる賃金と労働時間短縮の実現を進め、ジェンダー平等の社会をつくる土台となります。見解と取組を伺います。
○野原嘉孝 副議長
仲本達彦総務部長。
◎仲本達彦 総務部長
生涯賃金の格差など、女性が不利益な環境に置かれている中、性別で差別されることなく、働く女性が個人の能力を十分に発揮できる雇用環境を整備することは極めて重要であると認識しております。本市は、第4次男女共同参画計画において、あらゆる分野への女性の活躍推進という基本目標の下、男女均等な雇用機会と待遇の確保を基本課題に位置づけております。引き続き、これらの視点に立ち、関連施策の推進に努めてまいります。
○野原嘉孝 副議長
古堅茂治議員。
◆古堅茂治 議員
本市は立派な「なは男女平等推進プラン」を策定しています。その施策展開に頑張ってください。
男女の賃金格差の改善、選択的夫婦別姓制度の実現、同性婚を認める法改正、性暴力の根絶、政策・意思決定の場におけるジェンダー平等など、多様性を大切にし、個人の尊厳の尊重する、誰一人取り残さない、優しい社会の速やかな実現が求められています。超党派で心ひとつに取り組んでいきましょう。
日本共産党は昨年、党の綱領にジェンダー平等を明記しました。日本共産党も私も、学び、自己改革し、共に進むという姿勢を堅持して、ジェンダー平等の社会づくりへ、幅広い皆さんと力を合わせて頑張り抜きます。
ちょっと時間があります。先ほど40番議員から声がありました。下水道料金の問題は、粟國議員の影ながらの大きなお力添えがあったことも一言加えて私の質問を終わります。