2022年6月定例会 湧川朝渉 代表質問
◆湧川朝渉 議員
ハイサイ、日本共産党の湧川朝渉です。日本共産党を代表して質問を行います。
物価高騰・コロナ禍について、13点伺います。
(1)市民の暮らしと営業が深刻な打撃を及ぼしている物価高騰の原因は、新型コロナとウクライナ侵略だけではありません。アベノミクスの異次元の金融緩和が、異常円安と物価高騰を招いたことは誰の目にも明らかであり、岸田自公政権の責任は重大です。値上げラッシュが止まりません。帝国データバンクの食品主要105社価格改定動向調査の概要と、消費者物価指数の動向について。
(2)日本共産党那覇市議団は、物価高騰・コロナ禍から暮らしと営業を守る緊急対策の強化を求める申入れを城間幹子那覇市長に行いました。対応を伺います。
(3)6月補正予算案での物価高騰・コロナ禍への対策。
(4)コロナ禍、物価・原油・原材料の高騰、急激な円安が経営を直撃している中小企業・小規模事業者への支援。
(5)リーディング産業である観光関連業者などへの対策。
(6)コロナ感染・医療体制の状況と課題。
(7)県が実施している感染拡大を抑え、医療体制を守り、社会経済活動を継続するための対策期間。
(8)6月1日以降のオミクロン株に対応した濃厚接触者の特定・行動制限について沖縄県の考え方。
(9)マスクの着用の考え方及び就学前児の取扱い。
(10)ワクチン接種状況と4回目接種の課題。
(11)コロナ後遺症の状況と支援などの課題。
(12)政府は外国人観光客の受入れを緩和します。地域住民が安心してインバウンド観光を迎えることができるために政府が示している基本的事項などと、県、市の対応と課題。
(13)モニターを御覧ください。
(モニター使用)
4月26日、全国知事会は感染再拡大の抑制と社会経済活動の両立に向けた緊急提言をまとめ、政府に対し、実効性のある感染対策と新たな経済対策にスピード感を持って取り組むことを求めています。見解を伺います。
2.平和行政について。
(1)ロシア・プーチン政権がウクライナに侵略してから3か月以上がたちました。たくさんの命が損なわれる痛ましい事態を目にして、多くの方々がやり切れない怒りを募らせています。同時に、危機に乗じて憲法9条改定、敵基地攻撃能力の保有、核共有、大軍拡を自民党や日本維新の会などがあおっています。力には力で、軍事には軍事でという理論は、際限のない大軍拡、軍拡競争に陥り、戦争への危険を高めていくことにしかなりません。見解を伺います。
(2)アジア諸国民と日本国民に甚大な犠牲をもたらした侵略戦争への深い反省の上に日本国憲法は制定され、前文では政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすると決意し、9条で戦争放棄・戦力不保持を掲げています。ロシアのウクライナ侵略という暴挙によって第2次世界大戦後の国際秩序が大きく揺らぐ中、憲法で日本が世界に向かって発信した平和主義の原点に立ち返り、改憲を許さず憲法を守り生かす取組、平和外交を強めることが一層重要になっています。見解を伺います。
(3)本土防衛のための捨て石作戦で住民が巻き込まれ、県民の4人に1人が犠牲となった沖縄戦から77年です。悲惨極まる戦争を二度と繰り返してはなりません。平和行政、平和教育についての決意を伺います。
3.米軍・自衛隊・環境問題について。
2016年3月、台湾に近い日本最西端の与那国島に陸上自衛隊の沿岸監視隊が配備されたのを皮切りに、18年3月には陸上自衛隊に日本版海兵隊と呼ばれる水陸機動団が発足、19年3月、艦船を攻撃する陸自の地対艦ミサイル部隊、航空機を追撃する地対空ミサイル部隊などを奄美大島に配備、20年3月、宮古島にも地対艦・地対空ミサイル部隊が配備されました。今後は石垣島への地対艦・地対空ミサイル両部隊の配備、沖縄本島への地対艦ミサイル部隊の配備も狙っています。戦争を招きかねない自衛隊の増強に対する見解を伺います。
(2)全国各地の約60自衛隊施設で、消火用水槽の8割弱で有機フッ素化合物、PFASが国の暫定基準値を超える値で検出され、航空自衛隊那覇基地では全17槽で国指針を超え、最大で約3万倍。海上自衛隊那覇基地では指針値7万倍のPFASが検出されました。見解と対応を伺います。
(3)琉球新報が米国の情報公開制度で入手した在沖米海兵隊の内部資料で、2016年2月、有機フッ素化合物のPFOSが1リットル当たり約2万7,000ナノグラム、PFOAが同約1,800ナノグラム検出され、現行の国の暫定指針値の576倍という高濃度の有機フッ素化合物が検出されたことが明らかになりました。有機フッ素化合物による河川や湧水などの水質汚染は、普天間周辺だけではなく、嘉手納基地やキャンプ・ハンセンの周辺でも確認されています。北谷浄水場の取水源の一つとなる河川や、金武町の水道水の水源からも検出されています。県民の不安を解消するために、政府は県民の健康調査を広範囲に調べる必要があります。また、飲み水の安全確保のために水質調査など必要な措置を取り、汚染源である可能性が高い基地内の立入調査を、県や所在市町村とともに政府の責任で実施し、汚染防止と浄化対策を一刻も早く実施すべきです。見解を伺います。
4.本土復帰50年、玉城デニー知事の新たな建議書と日米首脳会談について。
(1)本土復帰50年に当たり玉城デニー知事は5月10日、岸田首相に復帰当時の先人たちの願い、今を生きる私たち県民の思いを踏まえ、平和で豊かな沖縄の実現に向けた新たな建議書を手交しました。建議書は、①本土復帰において沖縄を平和な島にすることが沖縄県と政府の共通の目標であることを確認し、基地のない沖縄の実現に取り組む。②在沖米軍基地の整理・縮小、日米地位協定の抜本的見直し、普天間飛行場の速やかな運用停止を含む一日も早い危険性の除去、辺野古新基地建設の断念等の沖縄の基地問題の早期解決、③日本国憲法が保障する民主主義や地方自治について、正当な手続により示された民意や地方自治体の判断と責任の原則を尊重する。④武力による抑止ではなく平和的な外交・対話により緊張緩和と信頼醸成を図ることで、地域の平和の構築を図ることを求めています。27年間の異民族支配、米軍統治を押しつけた日本政府は、この建議書を重く受け止め、沖縄県民の切実な願いの実現に力を尽くすべきです。見解を伺います。
(2)5月の日米首脳会談は、玉城知事が復帰50年に当たっての新たな建議書と県民投票で7割以上が反対の意思を示した沖縄の民意を踏みにじり、辺野古新基地建設と在日米軍再編を着実に実施していくことを確認しています。さらに、日米同盟の抑止力、対処力を早急に強化する。日本の防衛力を抜本的に強化する。その裏づけとなる防衛費の相当な増額を確保する。核による拡大抑止、抑止力をさらに強化することにも合意しています。
これはアメリカ言いなりに戦争への道に進むもので、断じて容認できません。日本は、力には力という道を選ぶべきではありません。外交の力で世界とアジアの平和をつくり出す、そのための憲法9条を生かしていく道を選択すべきです。見解を伺います。
5.オール沖縄・城間市政の実績と政治姿勢について。
(1)自民党など野党の激しい妨害を乗り越えて昨年オープンした那覇文化芸術劇場なはーとなど、市民から高い評価を受けています。オール沖縄・城間幹子市政2期8年間での各分野の主な実績を伺います。
(2)本土復帰50年間、基地のない平和で豊かな沖縄を目指す県民の闘いは、様々な逆流や曲折を経ながらも着実に発展しています。とりわけ、沖縄県民の総意である建白書の実現を旗印に、保守・中道・無党派・革新の垣根を越えてオール沖縄がつくられ、翁長県政と城間市政を誕生させ、今日、玉城県政にも引き継がれ、玉城県政と城間市政が大きな実績を上げていることは、市民と県民の闘いがつくり出した大きな成果です。「イデオロギーよりアイデンティティー」、「あらゆる手法を駆使して、辺野古に新基地はつくらせない」、「米軍基地は、沖縄経済発展の最大の阻害要因である。基地建設とリンクしたかのような経済振興策は、将来に大きな禍根を残す」、「新しい沖縄を拓き、沖縄らしい優しい社会を構築する」など、命をかけて沖縄に尽くした不屈の政治家翁長雄志前県知事への熱い思いと、辺野古新基地反対、玉城デニー県政を引き続き支えていくとの城間幹子市長のぶれない信念について伺います。
後は質問席から再質問を行います。
○久高友弘 議長
当局の答弁は午後からとさせていただきます。御了承よろしくお願いします。
午前の会議はこの程度にとどめ、再開は午後1時といたします。
休憩いたします。
(午前11時54分 休憩)
(午後1時 再開)
○久高友弘 議長
休憩前に引き続き、会議を開きます。
城間幹子市長。
◎城間幹子 市長
湧川朝渉議員の代表質問の5の御質問に順次お答えをいたします。
(1)私の2期8年間にわたる主な実績として、まず市政運営の一丁目一番地に掲げたこども政策では、子どもの貧困対策などに幅広く取り組み、とりわけ待機児童については、平成28年度の559人から本年度23人へと大幅に減少させております。
また、本市独自の給付型奨学金制度や小中学校の入学前準備金、放課後児童クラブの利用料軽減事業、貧困の連鎖を断ち切るためのまなびクーポン事業をはじめとした学習支援など、人材育成についても鋭意取り組んでいるところでございます。
さらに、子育て世代の負担軽減を図るため、中学校卒業までの医療費無償化や、地域子育て支援の拡充等で子供の環境や特性に寄り添った居場所づくりも進めるなど、妊娠期から子育て期にわたり様々な支援を切れ目なく実施してまいりました。
そして、前市政から推進してきた協働によるまちづくりは、コロナ禍においても着実に進展しており、校区まちづくり協議会については現在14の小学校区において協議会が、1小学校区で準備会が設立されております。
経済政策におきましては、IT創造館及び産業支援センターを拠点とした起業・創業支援、頑張るマチグヮー支援事業の実施、アーケードの設置補助、労働者等の適正な労働環境の確保を図る那覇市公契約条例を制定するなど、経済活性化を図る事業に鋭意取り組んでおります。
福祉政策においては、高齢者が身近に相談できる窓口として市内18か所に地域包括支援センターを設置し、また、困窮者支援として無料低額診療での院外処方の薬剤費助成を那覇市独自事業として実施しております。
教育政策では、学校施設の建替え・耐震化を計画的に進めており、施設整備についても、昨年開館したなはーとや今年度完成予定の「第一牧志公設市場」などのほか、初めての取組となる官民連携の手法による新真和志複合施設の建設にも着手しております。
そのほか、「性の多様性を尊重する都市・なは」通称レインボーなは宣言を行い、その取組の一環として、パートナーシップ登録制度も設けました。
また、第5次那覇市総合計画の策定もございました。市民や議会にも御参画いただき、熱き想いが託されたこの総合計画は協働を深化させるとともに、まちづくりの羅針盤として今後の本市の発展に寄与するものと考えております。
次に、(2)についてお答えをいたします。
翁長雄志那覇市長時代、私は教育長、また副市長として直接、市長のお考えを耳で、心で聴いてまいりました。「信なくば立たず」という政治信念、その信念に基づく決断力と行動力、ぶれない政治姿勢、一つ一つに対し私は強い共感を覚えております。
中でも、辺野古新基地建設反対については、私は行動を共にしてきたという自負がございます。その翁長市政を私は引継ぎ、常に市民生活に寄り添う事を心がけて市政運営に邁進してきました。翁長前知事の意志を継承する玉城デニー知事を応援し、普天間飛行場の辺野古移設反対を堅持する私の立場、そして信念は少しも変わっておりません。
○久高友弘 議長
末吉正幸経済観光部長。
◎末吉正幸 経済観光部長
代表質問の1の(1)、(4)、(5)、(12)、(13)に順次お答えします。
まず(1)についてお答えいたします。
株式会社帝国データバンクが公表しております「食品主要105社」価格改定動向調査(6月)の速報によりますと、世界的な食料品相場の上昇に加え、原油価格の高騰に伴う物流費や原材料費の値上がり、急激に進んだ円安などのコストの上昇が続いているとの報告がされております。
この影響により、今年1月以降6,285品目の食品が値上げされ、7月以降も4,504品目が予定されており、年内の値上げは調査対象企業からの発表の累計で1万789品目、食品価格の価格改定率は平均13%アップする見込みと示されております。
また、総務省が5月20日に公表している消費者物価指数によると、総合指数は前年同月比、2.5%の上昇、生鮮食品を除く総合指数コアCPI、これは価格変動の基調を見るための指数として使われている指標でございますが、コアCPIにおいては前年同月比2.1%の上昇となっております。
なお、民間のシンクタンクの調査では、原油高の影響でエネルギー価格の上昇率が高まったこと、食料品の伸びが一段と加速したことがコアCPIを押し上げてきたとされ、2022年中も2%前後の物価の上昇が続く見通しとの分析もなされており、再値上げ・再々値上げといった動きも想定されるとのことです。
続いて、(4)についてお答えいたします。
本市で、コロナ感染症の影響を受け休業要請に応じた飲食店への感染症拡大防止協力金をはじめ、飲食店や商店、中小零細事業者等に対する支援として、買エール商品券事業等の消費促進事業、観光関連産業を支援する那覇とまーるクーポン事業、雇用の継続を目的とした雇用を守る事業者支援事業、またコロナ禍の中、事業の転換や業態変化に取り組むコロナ対策事業刷新支援事業などを実施するなど、幅広い事業について、当初予算、補正予算及び予備費流用等により、時宜に応じ臨機応変に取り組んでまいりました。
国においては先日、物価高騰対策の予算を盛り込んだ補正予算が成立していることから、コロナ禍の影響を受けた事業者に対する支援策については、国や県の動向も注視しながら今後も補正予算等の対応を含め、適宜取り組んでまいりたいと思います。
続きまして、(5)についてお答えいたします。
2020年から2年以上続く新型コロナウイルス感染拡大により、本市の観光関連産業は大きな影響を受けております。本市がこれまでに実施した観光関連産業に対する支援といたしましては、令和2年度には那覇とまーるクーポン事業や観光事業者に直接給付を行う市内観光事業者応援事業を実施するとともに、県の給付金等に対する申請のサポートを行うなど各種支援策に取り組んでまいりました。
また、令和3年度においては、前年度に引き続き那覇とまーるクーポン事業のほか、貸切バスの利用促進を図る市内貸切バス事業者支援事業を実施いたしました。
なお、これらの事業につきましては、今年1月に感染が急拡大したことに伴い、事業の中断、延期を行い、予算の一部を繰越した上で、今年度改めて実施しているところでございます。
観光関連事業者に対する支援につきましては、引き続き必要なものと認識しており、昨年11月に策定した那覇市コロナ期観光回復戦略に基づき、今年度も新規事業として早朝・夜間の活動時間創出支援に取り組んでおります。
また、経済観光部が所管する観光審議会に対しては、那覇市コロナ期観光回復戦略の今後の取組について諮問を行っており、中小企業振興審議会においても、ウィズコロナ、アフターコロナを見据えた取組に対する御審議をいただいているところです。両審議会からは7月中には答申を受ける予定であり、答申に基づき、必要な場合には補正予算計上を含めて対応することを想定しております。
続きまして、(12)についてお答えいたします。
政府は、新型コロナウイルスの水際対策緩和に伴い、今月1日より1日当たりの外国人入国者上限を1万人から2万人に引き上げており、報道によりますと今月10日から訪日観光客の受入れも再開する予定であるとのことでございます。
また、羽田空港など国内5つの空港のみ認めている国際線の発着について、6月中には那覇空港、新千歳空港にも広げるとのことでございますが、本県での受入れの規模等についての詳細は公表されておりません。
入国再開に伴う感染症対策については、国の方針により入国検疫の際の対応が定められており、これらの方針に基づき、空港や港において国や県等による対策が実施されるものと考えております。
感染拡大の防止が課題とされておりますが、国内におけるマスク着用ルールについても、政府において推進する方針が示されており、国や県が実施する対策に基づき、本市も対応してまいりたいと考えております。
一方、市内を訪れる外国人観光客に対しては、ホテルなどの各事業者において、これまでの国内客と同様に必要な感染対策が実施されるものと考えております。
なお、実際に罹患した場合等については、保健所等の指示を受け対応することになると考えており、外国人観光客の受入れにつきましては、沖縄県の方針も踏まえながら、本市においても関係機関、関係団体及び関係部署で連携を図り取り組んでまいります。
最後に、(13)についてお答えいたします。
我が国の経済を取り巻く環境は、長引くコロナ禍に加え、原油価格の高騰や急激な円安など、様々な課題が表出しており非常に厳しい状況に置かれております。そのため食料品等の日常品が値上げを余儀なくされるなど、感染が収束しない状況下において国民生活や企業活動は大きな影響を受けており、全国知事会の「感染拡大の抑制と社会経済活動の両立に向けた緊急提言」につきましては、感染対策、経済対策等における現場からの切実な要望であると認識しております。
新型コロナ対策や経済対策につきましては国全体の課題であり、議員御質問のとおり、第一義的には国がリーダーシップを発揮し、スピード感を持って積極的に取り組んでいく必要があるものと考えております。
○久高友弘 議長
仲本達彦総務部長。
◎仲本達彦 総務部長
代表質問1番目(2)の御質問にお答えをいたします。
今回の申入れでは、本市や国に対する様々な御提案をいただいており、物価高騰やコロナの影響により苦しい生活を送る市民や事業者の声を反映したものと認識をしております。これを受け市長は「何ができるか検討したい」とコメントし、申入れ内容については早速各部局と情報共有を図ったところでございます。
当該申入れも含め幅広くニーズを捉えながら、今後とも各部局において、市民や事業者に寄り添った対策を検討してまいりたいと考えております。
○久高友弘 議長
金城康也企画財務部長。
◎金城康也 企画財務部長
代表質問1番目の(3)についてお答えいたします。
6月補正予算案に係る新型コロナウイルス感染症への対策経費としましては、総額で約31億円を計上しております。そのうち、原油価格・物価高騰対応分としましては、新型コロナウイルス感染症セーフティネット強化交付金及び新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金などを活用し総額約14億円を計上しており、主に低所得の子育て世帯に児童1人当たり一律5万円の支給を行う国の給付金に、本市が独自に2万円を上乗せした令和4年度子育て世帯生活支援特別給付金などがございます。
今後につきましても、新型コロナウイルス感染症の再拡大をはじめ予期せぬ財政需要が見込まれるものと考えておりますが、市民生活の安心確保に向けて、国の動向も踏まえながら引き続き迅速かつ適切な予算措置を講じてまいりたいと考えております。
○久高友弘 議長
根間秀夫健康部長。
◎根間秀夫 健康部長
代表質問1のうち(6)から(11)及び(13)についてお答えいたします。
初めに、(6)についてお答えいたします。
本市における新型コロナウイルスの感染者数は、令和3年12月28日から令和4年5月末までで3万4,226人となっております。直近の5月では感染者数は1万336人で、その内訳は10代未満が1,511人、10代が1,867人となっており、10代以下が全体の32.68%を占めております。また、30代が1,568人、40代が1,556人で、全体の30.22%となっており、家庭や職場等での感染が全世代で見られる状況です。
沖縄県での直近10万人当たりの新規陽性者数は、令和4年5月30日から6月5日までの1週間で585.41人で全国第1位となっており、全国平均102.57人の5.7倍となっております。
医療体制の状況につきましては、沖縄県が作成しました圏域別の状況6月1日集計によりますと、県全域の病床使用率は45.4%で前週と比較して5.8%減少したものの、重症者用病床使用率は20%で前週と同じ割合で推移している状況となっております。
次に、(7)についてお答えいたします。
感染拡大を抑え、医療体制を守り、社会経済活動を継続するための対策期間については、令和4年5月25日策定の方針では、区域を沖縄県全域、要請期間を5月27日から6月23日までとしております。
その中で、沖縄県から県民、事業者等への要請事項は、①医療体制を守る、②重症化リスクの高い高齢者、妊婦、基礎疾患を有する者へ感染を拡げない、③子供の感染防止対策に取り組む、④移動・会食に関するリスクを回避する、⑤ワクチン接種の促進を図る、となっております。
次に、(8)沖縄県の考え方についてお答えします。
6月1日以降の改正内容としましては、①ハイリスク施設について高齢者及び障がい児者の通所施設が追加され、通所施設等で一斉検査を実施する場合は濃厚接触者の特定を行わないが、検査結果が判明するまでの間待機とすること。②小中高等学校において感染者が発生した場合は、状況に応じてクラス単位等の全員を検査対象とする学校・保育PCR検査の受検としていたところを、学校・保育PCR検査以外に接触者PCR検査センター等を受検すること。③一般的な事業所及び小中高等学校における濃厚接触者のうち、症状のある者については速やかに医療機関へ受診を促すとしていたところ、軽症の場合においては抗原定性検査キットによる検査を促すことが追加されております。
次に、(9)についてお答えいたします。
国は、令和4年5月20日付の事務連絡により、マスクの着用の考え方及び子供のマスク着用についての考え方を示しております。
当該事務連絡では、新型コロナウイルス感染症の基本的な感染対策としてのマスクの着用の位置づけに変更はありませんが、屋外・屋内を問わず他者との社会的距離が確保され、会話を行うことがない場合はマスク着用の必要がないこと、2歳以上の子供について、オミクロン株への対応として令和4年2月から可能な範囲で一時的にマスクの着用を推奨してきましたが、それ以前の取扱いに戻すこと、としております。
次に、(10)についてお答えいたします。
3回目のワクチン接種につきましては、医療従事者等への接種を令和3年12月1日から、高齢者施設の利用者や従事者等への巡回接種を令和4年1月21日から開始し、一般市民向けの集団接種を市内5会場で、令和4年2月5日から開始いたしました。
3月と4月は1会場追加し6会場、接種対象者が減少する5月は3会場、6月は2会場で実施しており、6月末で集団接種は終了する予定となっております。なお、個別接種につきましては、引き続き市内約90か所の医療機関で実施しております。
3回目接種の実績としましては、6月3日時点で14万5,079人、全市民に占める接種率は45.27%となっております。
4回目接種につきましては、感染症にかかった場合の重症化予防を目的として、特例臨時接種として位置づけられております。対象者につきましては、3回目接種から5か月以上経過した方で、60歳以上の方、もしくは18歳以上60歳未満の方で、基礎疾患を有し通院または入院している方、BMI値が30以上の方、その他新型コロナウイルス感染症にかかった場合の重症化リスクが高いと医師が認める方となっております。
本市の60歳以上で4月末までに3回目接種を終えた約7万2,000人に対し、5月27日から順次接種券を発送しております。
また、18歳以上60歳未満の基礎疾患を有する方等につきましては、6月1日より本市ホームページもしくは書面での申請を行っていただき、接種記録等を確認し、個別に接種券を発送しております。
なお、個別接種につきましては各医療機関で既に実施しており、集団接種につきましては市内3会場で7月9日から順次開催を予定しております。
次に、(11)についてお答えします。
コロナ後遺症は、罹患後症状とも言われ、4月下旬に厚生労働省から出された手引きによりますと、新型コロナウイルスに罹患後、感染性は消失したにもかかわらず、ほかに明らかな原因がなく、急性期から持続する症状や、あるいは経過の途中から新たに、または再び生じて持続する症状全般を言います。
コロナ後遺症の原因は不明な点が多く、残存した症状が経過観察でどのように変化していくか、また感染株の違いによる影響、ワクチン接種者と未接種者の違いなど、検討すべき課題があるものと考えられます。
コロナ後遺症の相談窓口につきましては、かかりつけ医または沖縄県コールセンターに相談していただくことで、後遺症に対応する医療機関を紹介する体制となっております。本市では、陽性となった方に対し保健所のホームページを案内しており、コロナ後遺症の相談窓口についても案内をしております。
最後に、(13)全国知事会の緊急提言についてお答えいたします。
当該提言では、①感染拡大防止等への対応として、現在の感染動向に対する分析と具体的対策の提示のほか11項目、②ワクチン接種の円滑な実施として3回目接種の取組ほか2項目、③保健・医療体制の強化として保健・医療人材の確保ほか12項目を政府への取組事項として示し、強く対応を求めたものと理解しております。
本市としましても、当該提言に示されました取組事項につきましては、実効性のある感染対策のために必要な内容であると考えております。
○久高友弘 議長
仲本達彦総務部長。
◎仲本達彦 総務部長
代表質問2番目の御質問に順次お答えをいたします。
まず(1)、(2)についてまとめてお答えをいたします。
これまで市長からは、憲法9条の下において許容される自衛権の行使は、我が国を防衛するため必要最小限の範囲にとどめるべきとの見解が示されております。日本国憲法の基本理念を逸脱することなく、国際社会が協調して、対話と外交を通した平和的な対応が追求されなければならないものと考えております。
続いて、(3)の御質問にお答えをいたします。
6月23日の慰霊の日を迎えるに当たり、戦争の悲惨な実相を風化させないよう次世代にしっかりと語り継いでいくことが、今を生きる私たちの責務だと思っております。
そのため、今月下旬には市民の皆様に向け、本庁舎1階ロビーにて平和に関するパネル展を開催し、戦時中の写真や対馬丸事件のパネルなどを展示する予定でございます。併せて、平和に対する思いを子供たちが葉っぱ形のカードに書き込み、大きな木の形を作り上げる「平和の大樹」を作成することも予定をしております。
また、市内中学生を対象にした那覇長崎平和交流事業や、沖縄戦の実相や平和の尊さを次の世代へ継承していくことを目的として、沖縄戦体験者証言記録映像制作業務も実施をいたします。
第5次那覇市総合計画において、「平和を希求する想いを発信し、平和の尊さを受け継いでいくまちをつくる」という施策を盛り込んでおり、二度と悲惨な戦争を繰り返さないため、平和の尊さを伝えていく取組を進めてまいります。
○久高友弘 議長
名嘉原安志教育委員会学校教育部長。
◎名嘉原安志 教育委員会学校教育部長
代表質問2番目(3)の平和教育についてお答えいたします。
市立小中学校では、毎年6月23日の慰霊の日に合わせて重点的に平和教育に取り組んでおり、命の尊さと平和の大切さを考える平和月間や平和旬間を設定しております。具体的な取組としましては、命の大切さを考える道徳の授業、戦争体験者による講演会の開催や平和集会の実施、平和を題材にした図書室でのパネル展示会など、平和学習を進めております。
教育委員会としましては、今後とも平和教育の推進に努めてまいります。
○久高友弘 議長
仲本達彦総務部長。
◎仲本達彦 総務部長
代表質問3番目、(1)と(3)の御質問にお答えをいたします。
まず(1)の御質問にお答えをいたします。
市長は、日本全体の安全保障の点から必要範囲内で自衛隊を認める立場でございます。恒久平和を希求する本市といたしましては、国が日本国憲法の下、専守防衛の立場を貫き、平和国家としての基本理念を逸脱しないことが大切であると考えております。
続いて、(3)の御質問にお答えいたします。
米軍基地内の環境問題につきましては日米地位協定が障壁となっており、沖縄県が求める嘉手納飛行場やキャンプ・ハンセン等への速やかな立入調査が実現されておりません。当該事案につきましては、住民の不安を解消するために、政府の責任で必要な調査と対策を早急に実施すべきであると考えております。
米軍への国内法適用など日米地位協定の改定については、引き続き関係市町村と共に沖縄県軍用地転用促進・基地問題協議会の要請活動の中で取組を進めてまいります。
○久高友弘 議長
儀間規予子環境部長。
◎儀間規予子 環境部長
代表質問の3.米軍・自衛隊・環境問題の(2)についてお答えいたします。
令和4年6月1日付、琉球新報の報道について防衛省に確認しましたところ、現在、調査内容については精査中であり、また、公表の時期についても未定であるとのことでした。
本市では今回の報道内容を確認するため、6月3日付で、海上自衛隊及び航空自衛隊の那覇基地に対し、本件泡消火剤用水槽の水質調査の結果及び公表の時期と、国の暫定指針値を超える泡消火剤用水槽があった場合の原因究明と今後の対応について文書で照会しております。
○久高友弘 議長
仲本達彦総務部長。
◎仲本達彦 総務部長
代表質問4番目の御質問に順次お答えをいたします。
初めに、(1)についてお答えいたします。
復帰50年を迎えるに当たり県で作成された建議書は、昭和46年に琉球政府が作成した「復帰措置に関する建議書」で描かれた沖縄の姿が、50年が経過した現在においても達成されていない現状を確認しつつ、今後目指すべき沖縄像を提示したものと認識をしております。
また、県知事からは、「復帰当時の県民の願いを引き継ぐとともに、平和で豊かな沖縄の実現に向けて歩み続けなければならない」と策定の意義が述べられております。
本市としましても、復帰50年を経た本県の現状に目を向けた、大変意義のあるものだと感じております。政府には平和で豊かな沖縄の実現に向けて、新たな建議書に誠意を持って向き合っていただきたいと考えております。
続いて、(2)にお答えいたします。
市長からは憲法第9条について、現憲法が施行され、その間、1人の戦死者も出さず、そして殺さずに済んだことは、現憲法の果たした役割として非常に大きなものがあるとの考えが示されております。日本国憲法の基本理念を逸脱することなく、国際社会が協調して、対話と外交を通した平和的な対応が追求されなければならないものと考えております。
○久高友弘 議長
湧川朝渉議員。
◆湧川朝渉 議員
またもや米海兵隊MV-22オスプレイ機が米軍那覇軍港に相次いで着陸しています。基地の自由使用であり、市や県の離発着中止要請を踏みにじる傍若無人な米軍機飛来への見解を伺います。
○久高友弘 議長
城間幹子市長。
◎城間幹子 市長
再質問にお答えいたします。
6月6日、那覇軍港において事前連絡もなく普天間飛行場所属のMV-22オスプレイが合計3機飛来してまいりました。昨年11月と本年2月に続くこの飛来は大変遺憾で、私は即座に抗議のコメントを発しました。本市のたび重なる抗議にもかかわらず、同様な事案が繰り返されることは絶対に許されるものではなく、那覇軍港の使用主目的に反する運用が常態化されることがないよう、沖縄県と連携して関係機関へ働きかけてまいりたいと思います。
○久高友弘 議長
湧川朝渉議員。
◆湧川朝渉 議員
軍事対軍事、憲法違反の自衛隊の増強、軍事費の2倍増、敵基地攻撃能力の保有、日本の軍事大国化や海外での戦争に道を開くことは、東アジアの緊張を高める逆行であり、国境に接する沖縄の戦場化への危険を高めるものとなります。日本共産党は、住民の生命と暮らしを守り、命どぅ宝・反戦平和の沖縄の心、憲法9条を生かした積極外交と万国津梁の精神でアジアとのかけ橋となり、平和な国際環境をつくり出すため、力を尽くします。
PFOS問題で再質問します。泡消火剤の飛散事故の発生に際して、自衛隊那覇基地は当初、「PFOSは含まれていない、健康への被害はない」と偽りを公表し、本市にも報告をしていました。それを琉球新報の独自の調査でPFOSが検出されたことにより、今回の防衛省の全国調査につながり、自衛隊那覇基地で7万倍のPFASが検出されています。極めて憂慮すべき事態です。
政府は、自衛隊基地内と基地周辺での詳細な実態調査、周辺住民、自衛隊員の血液調査、健康調査、汚染の再発防止、汚染浄化を緊急に実施すべきです。見解と対応を伺います。
○久高友弘 議長
儀間規予子環境部長。
◎儀間規予子 環境部長
お答えいたします。
本市では6月1日の新聞報道を受け、6月3日付で照会文書を送付しております。現時点では調査結果について確認できておりませんが、今後、調査結果に基づき、適切な対応を求めてまいりたいと考えております。
○久高友弘 議長
湧川朝渉議員。
◆湧川朝渉 議員
自民党は国内総生産GDP費2%以上を念頭に防衛費の大幅増を政府に提言しています。2%以上への増額には新たに5兆円規模の予算が必要となります。岸田首相が日米首脳会談で約束した防衛費の相当な増額のための財源は、相当な増税か、相当な暮らしと福祉予算の削減か、それとも戦前のような国債発行しかありません。この軍拡の道、戦争への道は最悪の暮らしと福祉破壊への道にほかなりません。
このアメリカ言いなり、財界・大企業中心の政治が県民と国民を苦しめています。翁長前知事は沖縄の心をひとつに保革を超えた大同団結、オール沖縄をつくり上げ、平和で誇りある豊かな沖縄をつくるために命をかけて沖縄の歴史を知らないと言い放った当時の菅官房長官や自公政府に立ち向かい頑張り抜きました。
そして、県都初の女性市長として翁長市政を引き継いだオール沖縄、城間幹子市長は「平和・こども・未来」をキャッチフレーズに平和行政、子育て、福祉、教育、経済、ジェンダー平等など、各分野で大きな実績を上げてきました。全県、全国に誇るこのオール沖縄、城間市政を引継ぎ、発展させるために、翁長雄志前知事の遺志をしっかり引継ぎ、大同団結して立派な後継者をつくり上げ、玉城県政と力を合わせて那覇市と沖縄県をさらに発展させようではありませんか。
日本共産党も共に頑張り抜く決意を表明して代表質問を終わります。