2025年2月定例会 我如古一郎 一般会計予算に対する組み替え動議への賛成討論
◆我如古一郎 議員
こんにちは。日本共産党の我如古一郎です。
私は、日本共産党那覇市議団を代表して、議案第37号、2025年度那覇市一般会計予算に対する組み替え動議に賛成の立場から討論いたします。
今、お米も食料品もガソリンも異常な値上げで、市民は苦境に追い込まれています。この物価高による苦境を打開し、暮らしと経済を立て直すためには、暮らしと営業を支える総合的な緊急の物価高対策が地方自治体にも政府にも求められています。
ところが、2025年度の那覇市の一般会計予算案は、物価対策の独自予算が一つもありません。市長の2025年度施政方針にも物価高対策への思いが全くありません。なんと市民に冷たい驚くべき政治姿勢ではありませんか。今の暮らしの苦しさの根底には、失われた30年が続いているという大問題があります。
30年間、賃金は上がらず、年金は目減りし、消費税と医療、介護の負担が繰り返し増やされ、大学や専門学校の学費負担が重くのしかかり、物価高騰が襲いかかっていることにあります。
すべて自民党政治が起こした人災です。この暮らしの困難を打開するには、暮らしに関わる政策全体の転換が強く求められています。
ところが自公政権は新年度予算に8.7兆円もの大軍拡予算と、医療費4兆円削減の予算を組んでいます。襲いかかっている物価高騰に、市民の暮らしと営業は深刻な状況です。
既に生活品などの値上げ品目数は、2024年12月の値上げは109品目、2025年2月の値上げは1,656品目となっており、今後の見通しとしては、今後も前年の1万2,520品目を上回る1万5,000から2万品目前後に達する可能性が指摘されております。物価上昇率は2024年の全国平均2.5%に対し、沖縄県は3.2%、また、2023年は全国平均2.8%に対し、沖縄県は3.6%でした。
今年1月の働く人一人当たりの現金給与の総額は、物価の上昇に賃金の伸びが追いつかず、実質賃金はマイナスとなっています。
3月には再び電気料金が上がり、6月には、本市の水道料金も上がります。あらゆる物価への影響があるものです。
しかし、本市の新年度予算には、独自の物価高対策予算が一つもありません。
年金が上がりましたが、物価の高騰以下の引上げでした。那覇市の老齢基礎年金の受給者総数は7万3,088人、平均受給額は5万773円です。国民年金の金額は、満額受給でも月額6万9,308円、1.9%の引上げですが、物価上昇率が2.7%と比較すると0.8%も低くなっています。これはマクロ経済スライドという物価より年金引上げを低くするという制度をつくった自公政権の悪政であります。
抜本的な基礎年金の引上げで、暮らせる年金をというのが国民の願いです。老齢基礎年金の引上げ率は消費者物価指数より低くし、中小零細企業の労働者の賃金も上がらない、生計費は東京と同じなのに、沖縄県民の所得ははるかに低い実態があります。主食であるお米が高くて買えないという声が毎日報道されています。
一方で、国民年金は平均して5万円程度しか受給していません。
政府が実施した2024年国民生活基礎調査でも、6割も生活が苦しいと答えており、前年より8ポイントも増えています。県民所得が全国最下位クラスにある沖縄は、消費者物価指数は全国平均より高く、全国よりも苦しみがより深刻な状況となっています。
新年度から、デニー県政の半額補助を活用した学校給食の中学校給食費無料化と小学校半額助成が実現することは、2013年に私たち日本共産党が市議会で初めて提案をし、市民とともに求め続けてきた成果です。
しかし、その財源は、国からの物価高騰対応重点支援交付金の6億3,000万円を全部使い、本市が独自につけた予算はたったの2,526万円でした。
新年度予算は過去最高の予算額という割には、物価高で苦境に立たされている市民の暮らしを物価高騰から守るための独自の政策は何一つないという冷たい市政ではありませんか。
決算剰余金や財政調整基金、減債基金93億円などの、あらゆる基金を総動員して、独自の物価高騰対策を実施すべきです。
今回の予算は、市民の暮らしへの思い、営業を守る思いがないと言わざるを得ません。
そういう中で、一般会計予算にはGW2050PROJECTS負担金1,568万7,000円が計上されています。これは昨年度の1,192万8,000円と合わせて合計2,761万5,000円にもなる任意の負担金であります。
法令に基づかない負担金で、法的根拠の薄いものであり、経済界主導のプロジェクトなら、財政面も含めて、経済界が資金面も含めて自ら民間でやればいいだけのことであります。
協議会の成長戦略作成事業実施に係る支援業務委託事業者に、外資系企業のボストンコンサルティンググループが入っています。この企業の最大の強みは、IRとカジノを持ってくることができることです。
世界を股にかけたカジノ企業をIRを隠れみのにして、博打であるカジノの導入を提案する可能性は否定できません。カジノ賭博に公益性はありません。これを否定できない協議会への負担金はやめるべきです。
基地跡地利用は、地権者の立場を尊重し、県民本位に進めることが重要です。那覇港湾施設、牧港補給地区及び普天間飛行場の3つの施設の土地所有状況は、民有地が約82%、公有地は約18%となっており、これらの施設の地主の数としては、合計で8,359人となっています。この8,000人もの地主さんの意思がないがしろにされています。
沖縄県は、新・沖縄21世紀ビジョンの基本計画で、希望と活力あふれる沖縄を目指して、アジアのダイナミズムを取り込む国際交流拠点の形成と、臨空・臨港型産業の集積を掲げており、沖縄県での最高位の振興計画です。
根拠法に基づいて339の施策にひもづいて、1,500以上の取組を展開しております。このGW2050PROJECTSの構想に沖縄県が当初から入っていない、外されていたということは、次の県知事選挙をにらんだ経済界の別の思惑があるのではないかと疑われます。
協議会の計画は、那覇空港の機能強化と、アジア、世界を結ぶ国際物流拠点、臨港型・臨空型産業の形成です。
しかし、以前から経済界からも上がっていた声は、那覇空港の後背地にある自衛隊那覇基地と那覇軍港の早期返還であり、那覇空港の民間専用化でした。
GW2050PROJECTSには、これらの優先課題が全く抜けています。これらを抜きに那覇市の未来を策定してはならないと思います。
よって、日本共産党那覇市議団は、市民の暮らしと営業を守る独自の物価高騰対策が一つもない予算案、さらに法令に基づかない、法的根拠が薄い経済界主導のGW2050PROJECTS協議会への負担金1,568万円を計上している議案第37号、2025年度一般会計予算の組替えを求めるものです。
よって、組み替え動議に賛成し、一般会計予算案には反対するものです。
議員各位の御賛同をよろしくお願いいたします。