2020年6月 我如古イチロー一般質問
[ 令和 02年(2020年) 6月定例会−06月11日-06号 ]
◆我如古一郎 議員
ハイサイ グスーヨー チューウガナビラ(皆さん、こんにちは)。日本共産党の我如古一郎です。一般質問を行います。
初めに、今回の県議選挙は、辺野古新基地建設に反対し、玉城デニー県政を支えるオール沖縄の与党勢力が過半数を維持すると共に、私たち日本共産党は7人全員の当選を勝ち取り、党史上最高の議席になりました。
沖縄県がコロナ対策で独自の緊急事態宣言を出した直後に、辺野古埋め立て工事の設計変更の申請を強行した安倍政権に、県内外から怒りが起こりました。県民の民意を無視する安倍政権は許せません。県議選挙の結果に対する市長の見解を伺います。
○久高友弘 議長
城間幹子市長。
◎城間幹子 市長
我如古一郎議員の一般質問1.県議会選挙についての見解についてお答えいたします。
玉城デニー知事就任後初となる県議会議員選挙において、県政与党が引き続き過半数を維持したことは、辺野古新基地建設反対や誰一人取り残さない社会の実現を掲げる玉城デニー県政に対する信任という民意が示されたものと感じております。
当選された県議会議員の皆様には、まずは今般のコロナ禍で大きな痛手を負った観光を中心に経済や医療、福祉、教育など、沖縄の元気を一日も早く立て直す取組が求められていることから、今後とも県民の心に寄り添いながら、美ら島沖縄の未来を拓くため邁進していただきたいと願っております。
○久高友弘 議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
ありがとうございます。
今回の結果は、深刻なコロナ危機の中でも、新基地建設を推し進める安倍自民・公明政権に対する、県民の厳しい審判であります。
タイムス・新報の両紙は、幾らかかるか判然としない米軍基地の建設に巨額の血税を投じるのは狂気の沙汰、新基地は不要不急の極みである。計画を断念し、その財源を窮地に陥っている中小零細企業や困窮世帯に振り向けるべきと主張しました。
沖縄県は、辺野古新基地建設の費用総額は2兆5,500億円と試算しています。このお金は、コロナ対策や、くらし・経済の回復のために使うべきであります。
自民党の皆さんは、辺野古容認の公約を掲げたものの、選挙戦では一切語りませんでした。菅官房長官の、議席を増やしたから辺野古移設への理解が進んでいるとの認識は大きな曲解であります。安倍政権は、これまで何度も示してきた民意に従い新基地は断念すべきであります。
日本共産党は、オール沖縄の団結を強め、基地のない誇りある豊かな沖縄の実現に、頑張ります。
玉城デニー県政、城間市政を支えて頑張ります。
次に、コロナ危機の教訓について質問します。
今起こっている新型コロナウイルスのパンデミック、世界的大流行は、人類の歴史の中でも最も深刻な危機の一つになっており、日本と世界のあり方はこれでいいのかということを問うものとなっています。
新自由主義とは、すべてを市場原理に任せて資本の利潤を最大化していく、あらゆるものを民営化していこうという流れでありますが、今回のパンデミックによって破綻がはっきりしました。それは、EUによって医療費削減などの緊縮政策を押し付けられた国々が大きな犠牲を強いられていることを見ても明らかです。
日本を見ても、構造改革の掛け声で、医療費削減政策が続けられ、急性期のベッドを減らし、公立・公的病院を統廃合してきました。
保健所や感染研究所の体制や予算も減らしてきました。こういうやり方によって、日常的に医療の逼迫状況をつくってしまったことが、コロナ危機に対して大変に脆弱な状態をつくり出したのではないかと思いますが、見解を伺います。
○久高友弘 議長
長嶺達也健康部長。
◎長嶺達也 健康部長
公衆衛生を担う保健所に関して申し上げますと、平成元年に848か所あったものが、令和元年には472か所へと、44%減少しております。
感染症病床については、現在、国が進める地域医療構想の対象にすら入ってございません。
経済合理性だけでなく、公衆衛生をどう担保していくのか等、今回のような急速に全世界へと拡大するようなパンデミックから得られた経験や教訓を、今後の私たちの社会に活かす仕組みについて、国を挙げて取り組んでいく必要があると考えております。
○久高友弘 議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
コロナ危機の教訓で、雇用を考えても、労働法制の規制緩和を続けて、非正規雇用という使い捨て労働を広げ、人間らしく働けるルールを壊してきました。
そのことの矛盾が、今コロナ危機の下で、派遣やパートで働く人々の雇止めという形で噴き出しています。経済的・社会的に弱い立場に置かれている人々に大きな犠牲が強いられています。見解を伺います。
○久高友弘 議長
名嘉元裕経済観光部長。
◎名嘉元裕 経済観光部長
沖縄労働局が6月8日に発表した「新型コロナウイルス感染症に起因する雇用への影響に関する情報について」によりますと、沖縄県の解雇等見込みの労働者数は461人と発表されており、解雇や雇止めは非正規労働者から人員整理が始まっているとの傾向を指摘しております。
また、新聞報道においては北部のリゾートホテルにおいて客室清掃を担う74人の従業員が、休業手当の未払いで雇い止めに近い状態が続いているとして、雇用主に対し説明を求める嘆願書を提出されたとのことからも、大変厳しい雇用状況にあると認識してございます。
○久高友弘 議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
新自由主義による社会保障・福祉の切り捨て路線を転換して、社会保障・福祉に手厚い国をつくる、労働法制の規制緩和路線を転換して、人間らしく働いて、十分な賃金が保障される労働のルールをしっかりつくり上げていくべきだと思います。
コロナ危機は、資本主義の限界を露呈させました。利潤第一主義による無秩序な開発、自然環境の破壊という問題が横たわっています。
専門家は、異常気象・地球温暖化によって、住む場所を奪われた動物が人間と接触することで、その動物が持っている未知のウイルスが人間に感染する問題は今後も発生すると、強く警鐘を鳴らしています。
第2波のパンデミックに対する備えは、自粛要請と休業補償は一体として、実施しなければ国民は今度は持ちこたえきれません。国の責任で対策を準備すべきことであることを指摘しておきたいと思います。
次に福祉行政について質問します。
コロナ自粛により、地域ふれあいデイサービスへ与えた影響、活動再開の基準を伺います。
○久高友弘 議長
宮城寿満子福祉部長。
◎宮城寿満子 福祉部長
新型コロナウイルス感染症は、高齢者が感染すると重症化しやすいとされていることから、感染拡大防止のため地域ふれあいデイサービスは、2月28日から休止しているところです。
活動再開にあたりましては、国や県から示された留意事項等を参考に、感染拡大防止のガイドラインを作成し、3つの密を避けるなどの環境が整ったところから、順次再開が出来るよう、現在準備を進めているところでございます。
○久高友弘 議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
再開にあたっては、室内や器具の消毒など、必要な物品が出てくると思いますが、本市として、どういう支援を考えているのか、伺います。
○久高友弘 議長
宮城寿満子福祉部長。
◎宮城寿満子 福祉部長
地域ふれあいデイサービスの再開に向けましては、先ほど述べましたガイドラインにおいて、感染拡大防止のため、施設利用時のマスク着用や消毒の徹底を求めているところです。
マスクについては、利用者自身が準備し、参加することとしていますが、消毒液等については、入手困難な状況であることから、代替えできる消毒液の紹介などを行っています。
また、新型コロナウイルス感染症対応の国の交付金の活用など、必要物品の確保に向けて、できる限りの対応を検討してまいります。
○久高友弘 議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
地域ふれあいデイサービスに対する補助金は大分減らされています。そういう中で消毒液も自分たちで準備してねと言うのでしょうか。
それと体温を測って参加してくださいという高齢者への要請、恐らく効果はありません。そのまま測らないで参加する高齢者にどうぞ帰ってくださいと言うのでしょうか。それもおかしいと思っています。非接触型の体温計がそれぞれほしいという声が聞こえてきます。
再開へのガイドラインによると、手指消毒、室内器具の使用前後の消毒、参加者の数の管理、あるいは2回に分ける、時間の制限、定期的換気という条件だらけでは、ボランティアで実施している地域の皆さんへの負担が大きく増えると思います。見解を伺います。
○久高友弘 議長
宮城寿満子福祉部長。
◎宮城寿満子 福祉部長
地域ふれあいデイサービスは、毎月1,500人の地域ボランティアの協力のもと、市内130か所で月4,000人の高齢者が健康づくり、介護予防のため、利用している事業です。
議員ご指摘のとおり、感染拡大防止のため、室内や器具の消毒など、運営側の負担は増加することが予想されます。
この点につきましては、安心かつ継続した事業展開のために、ボランティアのみならず、参加する高齢者の皆様にもできる範囲の中での協力を仰いでまいりたいと考えております。
○久高友弘 議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
那覇市社協から出された「再開に向けての確認事項」という文書があります。事細かな新しい生活様式が規定されていて、これがクリアできなければ再開はできませんとしています。
感染に備えることは当然のことです。しかし、再開させない確認ではなくて、どうすれば再開できるのかを支援することが重要だと僕は思うんです。
地域ふれあいデイサービスは、家にこもりがちな高齢者の心身機能の低下を防ぎ、介護予防、認知症対策に重要な貢献をしております。事実、地域の皆さんからは、家族の認知症が進んでいるという話も聞こえてまいります。
コロナ対策を優先するあまり、本来の目的が見えなくなっていませんでしょうか。地域住民のボランティアがやりがいをなくし、活動が委縮してしまう危惧があります。どのようにコロナと共生していくのか。市としての方向性を出さないと行き詰まってしまいます。見解を伺います。
○久高友弘 議長
宮城寿満子福祉部長。
◎宮城寿満子 福祉部長
高齢者における集いの場については、介護予防の見地からも大変重要だと考えております。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症は高齢者が感染すると重症化しやすいという特徴があることから、感染予防への配慮も重要であると認識しております。
今後、感染者の発生状況等を見ながら、国や県の動向等も注視しつつ、安心安全かつ高齢者が利用しやすい集いの場を提供できるよう、調査研究してまいりたいと考えております。
○久高友弘 議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
一緒に知恵を出し合って頑張っていきたいと思います。
コロナ自粛時における民生委員・児童委員の活動の状況とあり方について見解を伺います。
○久高友弘 議長
宮城寿満子福祉部長。
◎宮城寿満子 福祉部長
民生委員・児童委員の活動は、地域社会にとって必要不可欠であり、一律に活動自粛を求めることはできませんが、感染拡大に伴い、国等の通知に基づき、訪問活動等は必要性を考慮し電話やメールに切り替えるなど、感染拡大防止を優先し活動しておりました。
今後も、引き続き感染予防対策を行いながら、徐々に訪問活動等を再開していくところでございます。
○久高友弘 議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
民生委員の皆さんも活動自粛期間がありましたが、見守りが必要な高齢者や母子世帯などへ独自に支援を行っていた民生委員も存在します。こういうときこそ支援しなければ孤立してしまう住民を、いったい誰が支援するのか。那覇市として方針を緊急に検討すべきです。見解を伺います。
○久高友弘 議長
宮城寿満子福祉部長。
◎宮城寿満子 福祉部長
今般の国等の通知におきましても、民生委員・児童委員の活動は地域社会に欠かせないものであり、一律に自粛できるものではないとされております。
民生委員・児童委員におきましては、気がかりな方への見守り訪問等を継続していた方がいた一方で、互いの感染リスクへの懸念から訪問等を中止せざるを得なかった方もいらっしゃいました。
議員ご指摘のとおり、第2波、第3波に備え、支援対象者や民生委員・児童委員を感染リスクから守りつつ、今回の経験を活かし、見守りを継続する体制づくりや方法について、那覇市民生委員児童委員連合会等の関係機関と連携して取り組んでまいりたいと考えております。
○久高友弘 議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
しっかり民生委員児童委員連合と協議もして、方針を決めてほしいと思います。
次に国保行政について質問します。
新型コロナウイルス感染拡大は、低所得層が多い国保加入者の生活を直撃しています。
国民健康保険税条例の改正の目的と、国保世帯への減免支援の内容を伺います。
○久高友弘 議長
長嶺達也健康部長。
◎長嶺達也 健康部長
今回の条例改正は、新型コロナウイルス感染症の影響により一定以上収入が減少した被保険者世帯への保険税の減免制度を拡充するにあたり、令和2年2月及び3月納期限分に係る減免の遡及申請を可能にするとともに、令和2年8月末までに納期限が到来する保険税の減免申請期限を緩和するため、条例の一部改正を行うものでございます。
保険税の減免の内容としましては、新型コロナウイルス感染症により、主たる生計維持者が死亡または重篤な傷病を負った世帯につきましては、保険税が全額免除となります。
また、主たる生計維持者の収入が前年より3割以上の減少が見込まれるなどの要件に該当する場合、前年の所得額に応じた減免割合で保険税を減免いたします。
○久高友弘 議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
所得350万円の夫婦と未成年の子供2人の世帯で、コロナの影響で5割減収の方は、幾ら減免金額となるか伺います。
○久高友弘 議長
長嶺達也健康部長。
◎長嶺達也 健康部長
お尋ねの世帯の場合、減免により年税額54万3,900円から10万8,600円となり、減免額は43万5,300円ということになります。
○久高友弘 議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
年間54万円の保険税が10万8,000円になるとの答弁に驚きます。大幅減収に困窮している市民を助けるものになると思います。
しかし、この制度、申請しなければ対象になりません。どうぞ広報をしっかり行っていただきたいと思います。
今年度だけでなく、2019年度の2月、3月も対象とありますが、既に納付されている方がおられます。どのように減免されるのか伺います。
○久高友弘 議長
長嶺達也健康部長。
◎長嶺達也 健康部長
令和2年2月分及び3月分を既に納付している被保険者が減免の申請を行った場合には、事業または生活状況等の聞き取りにより事情を考慮した上で、その期間の減免の可否を決定いたします。
遡及減免を決定した場合には、その減免額を還付いたします。
○久高友弘 議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
収入が激減した市民からの相談状況、短期証世帯への対応を伺います。
○久高友弘 議長
長嶺達也健康部長。
◎長嶺達也 健康部長
市民からの相談状況としては、市民の友への保険税減免等に関する記事の掲載後に問い合わせが増えてございます。
本年度の当初課税通知を6月9日に送付したことから、今後、さらに問い合わせが増えるものと考えております。
また、短期証世帯への対応については、保険証更新のための来庁による感染拡大の防止及び医療受診の確保の観点から、短期証対象世帯約5,000世帯宛、7月末を使用期限とした3か月証を4月に一斉送付しております。
○久高友弘 議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
感染防止と医療受診の確保の観点から、約5,000世帯の国保世帯に、3か月の短期証を郵送した対応、大変いい対応だと思います。高く評価いたします。
減免審査の時は減収は見込みで判断すべきであります。事細かく証明を求めず、生活と健康を守る立場で、対応することが重要だと思いますが、対応を伺います。
○久高友弘 議長
長嶺達也健康部長。
◎長嶺達也 健康部長
申請書へ添付する証明書は、原則給与受給者は雇用者が発行する給与支払いの証明書、または給与明細書の写しとしております。
自営業者につきましては、事業に関する一定期間の帳簿類の写しなど事業収入等の減少が分かる書類を提出いただきます。
これらの書類は、減免の可否を決定するために最低限必要となる書類でございますが、ほかの給付金等の申請時に提出した書類の写しを流用、それを利用することが可能かどうか、個別に判断するものとして、申請書類の簡略化に努めてまいりたいと思っております。
○久高友弘 議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
今週から国保税納付書がすべての市民に届いています。支払い困難な国保世帯の相談が増えることが予測されます。
今後、窓口への相談、申請に対応する人員体制の強化が必要ではないでしょうか。見解を伺います。
○久高友弘 議長
長嶺達也健康部長。
◎長嶺達也 健康部長
減免申請に対応する職員の増員等につきましては、減免に係る相談者及び申請者の増加等を勘案し、必要に応じ関係部局と調整し、対応を検討いたします。
○久高友弘 議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
市長に要望したいと思います。
国保税は元々高すぎる生活破壊税です。
今回の国保減免は、政府の責任で10割補てんの財政支援ですが、第2波、第3波の感染拡大が指摘されています。今年度だけではなくて、2021年度以降も継続していただくよう、国保連合会や市長会などを通して政府に要望していただきたいと思います。よろしくお願いします。
次に農業行政について質問します。
新型コロナウイルス感染拡大で、学校給食の休止による、食材を提供してきた農家への影響や飲食店の休業などで農産物の需要低迷など、農家に及ぼした影響について見解を伺います。
○久高友弘 議長
名嘉元裕経済観光部長。
◎名嘉元裕 経済観光部長
新聞報道等によりますと、沖縄県における新型コロナウイルス感染拡大による農業分野への影響は、農畜産物の消費や価格が下落するなどの影響が出ております。
主なものとして、学校休校に伴う給食の停止や、観光客の減少による飲食店やホテルなどに納入する野菜や牛肉などの需要減少のほか、航空便の減に伴う物流停滞の影響を受けており、特に菊の県外出荷量が激減しております。
これから夏にかけて、県外で人気のある高級マンゴーなどの販売量の減少や価格の下落が心配されております。
今後も国や県の支援策等に注視しながら、市として必要な支援策を検討してまいります。
○久高友弘 議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
消費活動が激減したために、野菜・果物、畜産など、農業にも甚大な影響が出ています。私たちの食料を守っている農家を支援することもどうぞ忘れないでいただきたいと思います。
次に、種苗法改正案が、今国会での成立が見送られました。農業者からも反対されている自家増殖の原則禁止について見解を伺います。
○久高友弘 議長
名嘉元裕経済観光部長。
◎名嘉元裕 経済観光部長
種苗法とは、植物の新品種の創作に対する保護を定めた法律で、植物の新たな品種の創作をした者は、その新品種を登録することで、植物の新品種を育成する権利を占有することができると定められております。
今国会において成立が見送られた改正案は、日本で開発された果物や野菜の優良品種の海外流出を防ぐことを目的としており、新品種の育成者が指定した栽培地以外での栽培行為等について違反した場合は、罰則を科すものとなっております。
さらに、農家が種を採って自ら生産する自家増殖は、現在、原則自由とされておりますが、改正後は、登録品種を自家増殖する場合、育成者の許諾や許諾料が必要となるため、種苗費用の高騰や地域風土に合った品種が保存されないといったことが危倶されております。
今回の成立は見送られましたが、今後も情報を収集し、国会での審議等を注視してまいりたいと考えております。
○久高友弘 議長
我如古一郎議員。
◆我如古一郎 議員
安倍政権が今回国会に提出した種苗法改定案に、農業者や有識者から反対の声が上がっています。
改定案では、農業者が収穫物の一部を種苗として使う自家増殖について、一律に禁止しています。
禁止対象になる登録品種を農家が栽培する場合、種や苗をすべて購入するか、許諾料の負担増になることは避けられません。
人類は、種の選抜や改良を繰り返し、食糧生産を発展させてまいりました。
沖縄でも、島カボチャは虫や暑さに強く育てやすい品種として、代々受け継がれてまいりましたが、自家増殖ができなければ、開発者によって国に登録された種を押し付けられる可能性があり、地域の特産品にも影響が出るとの、新聞報道がありました。
改定の背景には、企業利益第一の成長戦略に基づく農業政策があり、改定の狙いが、優良な種子を安価で提供する公的事業を縮小させて、企業の利益のための品種改良に比重を移すことにあるのは明らかであります。
多国籍種子企業による、植物遺伝資源の囲い込みや種子開発競争が世界で激化しています。農業がその支配下に置かれ、生物多様性や食の安全、食糧主権が脅かされる事態となっています。
種を制する者は世界を制すると言われています。種苗法改定案は農業者だけでなく、消費者国民へも影響します。
コロナのどさくさで、成立させようとしたことは許されません。今後も国民議論を徹底してすべきと指摘をして私の一般質問を終わります。
ありがとうございました。